アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[D] スティーズA = 高剛性は幻想!?”巻き心地”の正体を考える

歪むボディが不安をかき立てる、“スティーズA TW”
しかしその意外な巻き心地は、予想を裏切るものだった!?
“剛性”と”巻き心地”の関係を、もう一度考え直します。

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高剛性は幻想なのか?

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
私の予想以上に物議を醸しております(?)、スティーズAの剛性問題。
何とリールシートにセットして締め込んだだけで、サイドプレートが開きにくくなるという想定外の事態が発生してしまいました。

フルメタルのアルミボディが売りのリールだけに、これを知った時はさすがにショックでした。。。
アルミ = 高剛性は、果たして幻想だったのか???
今回はその実使用レポートを緊急UPします!!

 

意外過ぎる巻き心地

さてそんなわけで、寒風吹きすさぶフィールドに早速テストに行って参りました。
場所は琵琶湖と長良川。
スティーズA 1016SHL巻取り75cmのハイギヤモデル)に16lbフロロを100m巻いて、マグナムクランクヘビースピナーベイトを投げ倒してきたのです。

メガロドーンとかwww)

なぜにハイギヤ?と思われるかもしれませんが、テストのためにあえてチョイス。
同じタックルでリールをつけ替えて(メタニウムMGL)、巻き心地を比べてみたのです。
そしてその結果は意外にも・・・

すっっっごく・・・(・∀・)イイ!!

そのしっかりとした巻き心地は、ハイギヤにも関わらずマグナムクランクをも実用範囲と思わせてしまうほど。
(とはいえ、本気でやるならノーマルギヤを推奨します)
シマノファンの皆様に怒られるかもしれませんが、正直メタニウムMGLを超えているのでは???とまで感じた次第。
アンタレスほどとは言いませんが、重量級巻き物用リールとして「本気で使える」実力を備えているように思えたのです。

(まあ、メタMGLは一回巻取り79cmというハンデがありますが)

 

剛性とは何なのか?

これは喜ばしい一方で、正直私は困惑させられました。
ロッドへの取り付け時にボディが歪んだ時点で、やっぱり剛性面ではダイワに期待できないのか・・・とガッカリしました。
しかし実際に巻いてみると、その剛性”“は(フォローとかでは無く)本気で頼もしく感じられたのです。
このミスマッチは一体、どこから生じてくるのでしょうか?

ロッドへの取り付け時にボディが歪み得るという時点で、おそらくリールフット部の剛性がさほど高くない事は間違いないでしょう。
しかし前回も書いたように、「回転時に負荷が掛かる場所」の強度はしっかりしているために、巻き剛性は確保されている・・・という可能性は考えられます。
つまり一口に剛性と言っても、どこの部分の剛性について考えるのか?という場所の問題があるわけです。

けれども一方で、ボディ剛性は本当に大して高くないという可能性もあり得ます。
それにも関わらず、巻きの剛性”感”を高く感じるという事があり得るのか?と考えた時、思い出すのはギヤの素材。
例えば硬いジュラルミン(アルミ合金)よりも、柔らかいブラス(真鍮)ギアの方がしっとりとした良い巻き心地が出ると言われます。
この例と同じように、ボディについても「むしろ柔らかい方が、巻き心地が良くなる」という事があり得るのかも知れない・・・と思ったのです。

※訂正:コメントにてご指摘頂きましたが、ジュラルミンよりも真鍮の方が硬度・剛性ともに高いのだそうです。
詳しくは下記コメント欄をご参照頂ければと思います。

このように考えていくと、”剛性”とは一体何なのか?という事がますます良く分からなくなってきます。
上のギヤ素材の例にもあるように、それは硬さ(=”硬度“)とも違う概念のはず。
ここで辞書的な剛性の定義をもう一度確認しておくと、

剛性(ごうせい、英: stiffness)とは、曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのこと。
力に対して変形が小さい時は剛性が高い(大きい)、変形が大きい時は剛性が低い(小さい)という。
工学的には単位変形を起こすのに必要な力(荷重/変形量)で表され、フックの法則におけるばね定数も剛性の一種である。

(wikipediaより)

・・・との事です。
つまり一言で表せば、「変形に対する強さ」と言う事が出来るでしょう。
ですから柔らかい素材でも(厚くするなどして)剛性を高く出来るわけですし、逆に言えば硬い素材でも(ペラペラのボディにすれば)剛性が低くなるはずです。

(そういえば12アンタレスのボディは、マグネシウムですが非常に厚く作られていた気が・・・)

ここでハタと思いついたのですが、もしかしたら巻き心地に影響しているのはこの“硬度”なのかもしれない・・・。
つまり金属ボディの巻き心地が良いように感じられるのは、剛性うんぬんではなく「適度に柔らかい」せいではないかと思ったのです。
ですからスティーズAのボディ剛性は本当に高くないのかもしれないのですが、それとは別の要素で巻き心地が良く感じるという可能性もあり得るのではないでしょうか。

(つまり素材の「しなやかさ」がキモになる可能性もあるかもしれないと。。。)

 

理論はどうあれ、巻き心地は良好

というわけで色々な可能性を考えてきましたが、これらは全て私の思いついた仮説に過ぎません。
しかし巻き心地が良い」という結論は、理屈を抜きにして確かに感じられた事実です。
そして魚を釣るための道具として考えた時、最も大事なのは実際にアングラーが感じるフィーリングなのではないでしょうか。

このように考えていくと、数値上の剛性の高い低いはどうあれ、スティーズAには優秀な巻き物用リールの可能性を感じます。
ロッドにセットした時にサイドプレートが開きにくくなるのは確かですが、マグネットブレーキは外部調整のみで済むので実使用上は困りません。
(気分はあまり良くありませんが)
純粋に道具として考えるならば、近年使ってきたダイワリールの中では唯一「一軍巻き物用リール」として満足できる巻き心地を備えていると思えたのです。

もちろん巻き心地だけで言えば(アンタレスDCベースの)エクスセンスDCの方が優れていると思いますが、高価な上にスプールが大径なのがネック。
やはりオールマイティに使用する事を考えると、34mm径スプールのロープロ機の必要性を強く感じます。
その意味でスティーズA TWは、久しぶりに本気で欲しいかもと思えたダイワリールだったのです。

というわけで次回は、巻き心地以外の部分についてもさらに細かくチェックしていきたいと思います。

※注:ただし巻き心地が良くても、長期使用時のボディの歪みから来るトラブルなどには注意する必要がありそうです。
私自身は未確認ですが、ボディとスプールが干渉するなど異音の報告がいくつか寄せられています。
リールシートへの締め込みトルクなどに気を付ければ問題ないのかもしれませんが、念のため使用後はロッドから外しておくなどした方が良いかもしれません。

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    • hiro
    • 2017年 12月 21日

    面白いですね! 人間の感性は、数値だけでは決まらないということですね。
    これは「心地いい」と感じられるサービスを提供する場合にもいえそうです。
    ボロいカフェだけど居心地がいい、みたいな。
    商売のキモがあるように思います(笑)

    • コメントありがとうございます!
      そうなんですよね~、私はちょっと数値マニアと言いますか、データ上の性能を機にしがちな性格なのですが、一番大切なのはその「心地いい」と感じられるかどうかという「感性性能」だとも考えられるように思います。
      その意味では、このリールは優秀なのかもしれないと感じた次第です。

    • りょく
    • 2017年 12月 21日

    初めまして。
    記事のネタがコアなので、食い付いてしまいました。
    機械が専門で、その目線で道具を選んでいます。

    まずスティーズA TWについては触れた事がありませんので、剛性および剛性感について機械的な目線でコメントさせて頂きます。
    リールの巻き剛性について、ボディ剛性と歯車硬さ(剛性)は間違いなく効きます。ですが要素は他にも沢山あります。
    1つはシャフト剛性です。人間の巻く力をギアまで、またはギアからスプールまで伝えるシャフトです。ここが弱ければシャフトが捻れるため、巻き感として柔らかく感じます。

    2つ目にベアリング等の支持部までの距離です。ベアリングはギアの噛み合いの反力を受け持ちますが、距離が遠ければ、曲げモーメント(力×距離)が大きくなり、シャフト等の変形が大きくなります。

    3つ目はベアリング支持部の局所的な剛性です。ベアリングのハマっている穴の周りの硬さや穴の精度が影響します。ボディ全体がいくら硬くても、巻き取りトルクの反力を受ける支持部の剛性が低ければ意味がありません。ただしある程度は相関があると考えます。
    つまりスティーズA TWはサイドプレートがはまる穴周りの剛性は無いが、上記については高い剛性を持つということではないでしょうか?
    一点補足ですが金属としての硬さ(剛性)は真鍮>超々ジュラルミンですので、ジュラルミンが硬く感じるのは他の要素があると考えます。
    長文になってしまい申し訳ありませんが、ご参考になれば幸いです。

    • 専門的な見地からの貴重なコメント、本当にありがとうございます!
      やはりシャフト、ベアリング支持部など、「要所」の剛性が巻き心地には非常に重要なのですね(^^♪

      そしてジュラルミンより真鍮の方が硬度が上のなのですね!?
      真鍮は柔らかい金属だと認識していたので意外でした。
      お詫びして訂正させて頂きたいと思います<(_ _)>

      http://www.toishi.info/metal/hardness.html

      ところで、剛性=硬度と考えても良いものなのでしょうか???

        • りょく
        • 2017年 12月 22日

        KenDさん、こんばんは。
        正確には硬度と剛性は違います。材料別で比較すると比例関係っぽくなるのですが、違うものです。
        硬度は材料の熱処理や表面処理、加工で変わってしまうのですが、基本的には真鍮のが硬いです。
        リールのジュラルミンギアは表面処理や加工で硬さを増し、巻き感を改善している可能性あります。

        剛性で言えば材料ごとにヤング率で表され、形状(面積)が同じであれば、変形量は力に対してヤング率に比例します。
        ヤング率は合金になっても変わりにくいという性質があるので、ジュラルミンはアルミとほぼ同じです。真鍮は銅に近い数値となります。
        数値でいうとだいたい真鍮100GPa:ジュラルミン70GPaです。
        例えば同じギアで同じ負荷のルアーを巻いた際、ジュラルミンギアの方が真鍮ギアの1.4倍変形することになります。
        実際は、ギア自体剛性が差が巻き感に効くまで変形していないと思います。
        KenDさん言う要所の変形によりギア同士の噛み合いズレ、伝達効率が下がり、巻きが重い、悪いと感じると思います。

        サイドプレートが開かない点について。
        少しの変形で開かなくなるほど、サイドプレートとこの公差、精度が詰めてある可能性もあります。隙間があれば変形してもスムーズに開きますよね?精度はそのまま剛性に効きますよ。

        • またまた詳しくありがとうございます!
          このあたり、私全く勘違いをしておりました・・・。
          記事を部分的に訂正させて頂きたいと思います。
          (そして確かに、精度が詰めてあるために開かなくなるという可能性もありますね。。。)

    • やす
    • 2017年 12月 22日

    全部をガチガチに固めるよりは、たわみを作って衝撃を分散させる為にと考えてみました 本当の所はわかりませんが

    • むむむ、なるほど・・・。
      固める部分と逃がす部分、作り分けが重要なのかもしれませんね!!

    • 人形
    • 2018年 9月 28日

    いまさらのコメントですみません。

    まず、金属製品の『剛性』と『強度』まったく意味が違うようです。
    以前、自動車のホイールの設計に携わったことがあるのですが
    同重量のアルミの場合、鋳造と鍛造では『強度』は大きく異なるが『剛性』は大差ないということです。

    『強度』は金属が力が加わった際に変形して、元に戻らなくなるポイントを指すようです。
    『剛性』とは力に対しての変形するまでのポイントとのこと。

    大げさに言うと、鋳造品と同重量のアルミ鍛造品はゴムのように変形するが、強度が高いので元の形状に戻るようです。

    カスタムカー等で鍛造ホイールが崇拝されますが、本物のレーシングカーのホイールは鍛造品であっても滅茶苦茶重いです!
    同レベルの剛性を得るには 同じ質量のアルミが必要とのことです。

    すでにご存知でしたら申し訳ありません。
    剛性という単語にて思い出しましたのでコメントさせていただきました。

    • いえいえ、貴重な情報ありがとうございます!
      そうなのですね、「剛性」と「強度」の違い、目から鱗でした!!
      つまり極端な例を言えば、ものすごく厚くて強度の高いゴムを使っても、剛性は低いのでグニャグニャ感じるということですね?
      大変勉強になりました<(_ _)>

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