アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[フロリダ現地レポート -FINAL] 厳しさも優しさも、みんなアメリカだった

決勝進出の切符を賭けた、200艇のサバイバルゲーム
12の栄光を掴むために、死に物狂いの選手たち・・・
たくさんのアメリカの横顔を、KenDは目の当たりにします。

notice : Please select your language and translate by “Google Translator”on the sidebar(or selectbox below).Thank you!

決勝へのサバイバルゲーム

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
素人アングラーが、Bassmasterオープンに初挑戦する様子をリアルタイムでお届けしてきた本特集。
長々と書いてきましたが、いよいよ今回が最終回!
というわけで、起死回生を狙う2日目の試合の模様からスタートしてみたいと思います。
(※なお、今回の画像もBassmaster.comよりお借りしています)

さてバスマスターOPENの試合では、一日ごとにボーター(プロアングラー)とノンボーター(コアングラー)の組み合わせが変わります。
そして翌日のパートナーの連絡先は、その日の試合終了後にSMSで送られてきます。
また検量後に手渡されるスコア・レシートにも記載されていますので、ともかくどちらかを見て電話を掛けるという具合です。

2日目のパートナーは集合場所に彼の宿泊先を指定してきましたので、翌朝そのモーテルへ。
テキサスから来たでっかいオジサンの乗る、これまたでっかいトラックに荷物を積み込ませてもらいます。
そしてそのまま乗り合いで、試合会場へと向かうという具合です。

そしてまだ暗い早朝のマリーナでランチングを済ませ、湖上で準備を整えます。

次第に東の空が明るくなり・・・。

闇の中に伏せていた、200艇のバスボートたちの姿が浮かび上がります。

そして荘厳な国歌斉唱の時を経て、数百のエンジンが眠りから覚めた獣のように低い唸り声を上げます。
明日の決勝に残れるのは、この中の僅か12艇のみ・・・。
こうして大会2日目の、サバイバルゲームの幕が切って落とされたのでした。

 

コアングラーの戦い方

しかしこの日のパートナーの戦略は、残念な事に非常に不安定な状態でした。
初日一匹と出遅れたアウェーの彼は、完全に魚の動きを見失っていたようだったのです。
結果として、奥まったスポーニング・ワンドを行ったり来たり・・・。

しかも場所が絞れているわけでは無い割に、その釣りのペースが非常に遅い事に驚かされました。
バックラッシュなどのライントラブルで、ボートの足を止める事もしばしば・・・。
オープンに参加しているボーターの多くは上を目指すプロアングラーだと思いますが、参加者の層にはかなりの幅がある事もまた事実のようです。

(プラでお世話になったルーカスは、何と2日目ビッグフィッシュ賞&最終13位!惜しかった!!)

しかしそれ以上に今回悩まされたのは、ボーターとのコミュニケーションでした。
普通に斜め前にキャストしていたのですが、「ボートの半分から前方向に投げてはだめ。キャストは必ず真横か後ろに」と言われてしまったのです。
オープンではコアングラーがクロスキャスト(ラインが交差するようなコース)をしてはいけないというルールがありますが、そんな決まりあったかな・・・と疑問に思いつつも、自信が無かったのでボーターの指示に従わざるを得ませんでした。

結果としてそういうルールは無いという事が後で分かったのですが、今となっては後の祭り。
ともかくボーターが左側のバンク際を撃っている最中に、反対側のオープンエリアの斜め前方に投げるようなキャストすらNGと言われてしまったのです。
そしてこれによるディスアドバンテージは、想像を絶するものでした。

(画像はイメージです。。。)

まずこうなると、ボーターが釣っている葦島などのカバーにキャストする事は不可能になります。
しかし後ろのオープンエリアに投げるとしても、ボートが進む分ラインを引っ張ることになってしまいます・・・。
これによるリトリーブスピードやトレースコース、ラインメンディングへの悪影響には計り知れないものがありました。
ある意味強制的にドラッギングのような状態になってしまうために、ルアーのコントロールが著しく制限されてしまったのです。

けれども腐っている暇はありませんので、何とか出来る手段を考えます。
そこで思い付いたのが、5インチセンコーの1/4ozテキサスリグ
これを対側のカバー際までロングキャストし、着水後は手でラインを送ってフォール時間を稼ぎます。
そして最初のフリーフォール一発目で喰わせられなければ、即回収して次のキャストへと移って行ったのです。

しかしショートバイトが得られても、ボートが離れてしまうためにセカンドキャストのチャンスは与えられません
バイトはいくつか取れたものの、結局一尾も掛けられないまま時間だけが過ぎていきます。
ところがある時、一瞬だけキシミーグラスの奥の水面が揺れました。
そして上手い事に、ボーターはワニにフロッグを喰われそうになって気付いていません
その隙にすかさずチャター(ジャックハンマー+ZAKO)を投げ込んで、苦しい苦しい一匹を確保したのでした。

結果として2日目はこの魚のみで、最終順位は150位
決勝どころか全く良い所の無い、不完全燃焼感の残る結果でした。
ボーターの戦略に極めて多くを依存する、コアングラーの寂しさを痛感した次第です。
(ちなみに初日のパートナーが192位、2日目のパートナーが195位)

しかし少なくとも2日目に関しては、ボーターとの交渉次第でもう少し何とか出来た可能性はあるはずです。
人生を賭けてトーナメントに臨んでいるボーターにとって、コアングラーは「釣りもしている監視員」でしかない事は厳然たる事実でしょう。
そしてそうした立場では、基本的に私のような外国人アングラーが侮られやすいのは当然だと思います。
それを何とかするだけの知識語学力が無かった事が、自分の抱える最大の至らなさだった事は否定しようがありません。

(そう言って頂けるのはありがたいのですが、ボーターと議論するには全然及びませんでした・・・泣)

けれどもこれは悔しい出来事ではありましたが、アメリカの現実を知る非常に貴重な経験になったと思います。
かつて大森プロについて米国トーナメントの現場を見たシャロー道のHidekiさんは、プロフィールにこう書かれています。

「『自分にはプロとしてやっていくのは無理だ…。』と感じるほどのプロの凄さや裏の世界まで見てしまった」

私にはまだその10分の1も見えていないとは思いますが、異国の地で日本人が戦うという事の厳しい現実を、おぼろげながらも想像する事が出来たように感じました。
そしてあらためて、アメリカで戦い続けるアングラーの超人的な凄味を実感したように思います。

(深江プロのエリートでの活躍が、個人的に2018年最大の注目ポイントです!)

そして2018イースタン・オープン開幕戦は、地元ボビー・レーンJrトータル60lb(≒27kg)という破壊的なウェイトで圧勝を遂げました。
(エリートでなく)オープンであるにも関わらず、豪華なボートや賞金等、その優勝の華やかさは想像以上・・・。
勝者だけが燦然と輝く勝負の世界を、まざまざと見せつけられた思いです。

それにしても2週間弱という期間のうちに、アメリカの素晴らしさも、怖さも、優しさも、厳しさも、その色々な横顔を目の当たりにする事が出来たのはまさしく得難い体験でした。
観光旅行では決して見ることが出来なかったであろう、アメリカの真実の姿を垣間見た瞬間・・・。
それはこれまでの自分の人生観をガラッと根底から変えてしまう様な、“事件”だったと言っても過言では無いかもしれません。
本当に苦しかったけれど、最高に楽しかった・・・それが今の、正直な気持ちです。

そしてこの場を借りて、この貴重な旅を手助けして下さった全ての方々に心からの感謝をお伝えしたいと思います。
佐藤さん、奥山さん、北嶋さん、ヒロ内藤さん、加藤さん、キムケンさん、原田さん、shayneさん、Lucasさん、崎田さん、野村さん、Artさん、Trevorさん、御手洗さん、Justinさん、久米さん、岡本さん、黒田さん、冨本さん、市川さん、金子さん、渡辺さん、原さん、Sugawaraさん、成尾さん、澤崎さん、ランチアさん、Aokiさん・・・ってもう全員の名前を挙げ出したらキリが無くなりそうなので(笑)、お名前を挙げられなかった方はなにとぞご容赦ください。
アドバイス下さった皆様の助けが無ければ、この挑戦を無事に終える事は決して出来なかったに違いありません。

(Hidekiさんありがとうございます!)

それから予想外にたくさんの方に読んで頂き、かつ声援を送って頂けた事にも本当に勇気づけられました。
正直こんなマニアックな記事、日本で3人のアングラーに見てもらえれば充分だと思って書き始めたのです(笑)。
それがこんなにも多くの読者に恵まれたというのは、ブロガー冥利に尽きるとしか言いようがありません。
本当は1人1人にお礼を言いたい気分ですが、この場で感謝の意を伝えさせて頂ければ嬉しく思います。

というわけで現地レポートはこれにて一旦終了とさせて頂きますが、他にも紹介し切れなかったたくさんの面白いネタを仕入れることが出来ました。
それについてはまたおいおいブログでシェアして行きたいと思いますので、これからも楽しみにお待ちいただければ幸いです。
それでは皆様、またどこかの釣り場でお会いしましょう!!

2018年2月5日 KenD(けんでぃ)

 

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    • くかみ
    • 2018年 2月 05日

    面白かったですよ。
    雑誌やネットでは感じられないようなリアリティーがありました。
    いつか自分も!っとすら思えないような環境下にありますがw夢を見ることが出来ました。
    自分も1歩足を出せるだけの【やる気】さえあればできるのかもしれないと感じました。
    ありがとう。

    • ありがとうございます!
      そのように読んで頂けたなら、本当に書いてきた甲斐があったと思えます。
      これからも何卒よろしくお願いします(^^♪

    • ニゴイ3号
    • 2018年 2月 05日

    面白かったです!お疲れ様でした〜〜〜〜!

    • ありがとうございます(^^♪
      その声が励みになって、ブログを続けていけます!

    • きむら
    • 2018年 2月 05日

    臨場感があって良かったです!

    夢見る人はたくさんいるでしょうけど、実行できる人はごくわずかでしょう。
    素晴らしい人生ですね!

    これからも楽しみにしています!

    • 嬉しいお言葉、ありがとうございます!
      これからも挑戦していきたいと思いますので、よろしくお願いします(^^♪

    • ショー行かね
    • 2018年 2月 06日

    リアルなコアングラー事情がよく分かりました。
    挑戦する姿、かっこよかったです!

    • そのように言って頂けるのは本当に光栄です!
      コアングラーという立場は率直に言って厳しさもあると感じましたが、これ以上無い勉強の場にもなると感じました(^^♪

    • 琵琶湖好き
    • 2018年 2月 06日

    大変スリリングでした!
    お疲れ様でした!

    日本でも素晴らしい環境にしていけたらいいなと思いました!

    • ありがとうございます!
      まさにその通りでして、何とかしてあの素晴らしい環境を日本でも実現できないかと願うばかりです。
      そちらについても色々と知恵を絞っていきたいと思います!!

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