20Apr
高い走破性と経済性を両立する、BassCat・パンテラクラシック。
オールドスタイルなナロービーム艇は、実は新しい挑戦だった?
どこか日本的な設計思想を感じさせる、スタンダード艇の詳細を検討します。
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パンテラクラシックのネガを考える
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
あえて流行に背くナロービームを採用し、高い走破性と経済性を両立した“パンテラクラシック(バスキャット)”。
個人的に、今一番欲しいと思っているバスボートがこれです。
しかし世の流れがワイドビーム化に進んでいるのには、もちろんそれなりの理由があるわけです。
というわけで今回は、パンテラクラシックの懸念点についても考えてみたいと思います。
意外と広い(?)デッキレイアウト
さてナロービーム艇でまず最初に心配されるのが、デッキの狭さではないでしょうか。
しかし実際に乗せて頂いた時の感想は、逆に「意外と広い」というものでした。
その理由の一つは、後ろから前まであまり幅の変わらないストレートな船体形状にあるように思います。
カタログに記載されたビームの数値は「最も広い部分の幅」ですが、実際にアングラーが立つのはバウ付近。
そしてバスボートの場合、先端に向けてキュッと細く絞られていくのが一般的なデザインだと思います。
つまりパンテラクラシックは最大幅ではナローですが、バウ付近だけで比べればさほど狭くないと言えるのではないでしょうか。
(©tritonboats もちろん、ワイドビームの船よりも広いというわけではありませんが・・・)
しかもバスキャットはメーカーの特色として、エレキのペダル位置をギリギリまで前に寄せています。
ですからフロントデッキの前後長を長くとることが出来、有効スペースが多いという特徴があります。
(ただし、前に寄り過ぎて落ちそうで怖いという方もいらっしゃいます。。。私は何とも感じませんでしたが)
パンテラクラシックはアメリカの学生トーナメントで多い、3名乗船を前提に開発されたとの事。
ですから2名でキャスティング出来るために、広いというより長大なフロントデッキとなっています。
これは日本でも、ガイドなどで使用する際には大きなメリットになるのではないでしょうか。
(©HEARTS MARINE その代わりリヤデッキは狭いとの事ですが、14ft艇に乗る私から見たら十分広かったです。。。)
スタンヘビー艇の救世主
そしてもう一つ心配される大きなポイントは、「スタンヘビー」という点にあると思います。
走りを重視したボートの宿命として(?)、パンテラクラシックも静止時姿勢はフロントが浮き気味。
船体をよく浮かせて滑走したり、高い回頭性を確保するにはやはりこうしたテイストになってくるのでしょう。
しかし一般にスタンヘビー艇の弱点として、静止時安定性の悪さが指摘されます。
つまり荒れてくるとバウがバタンバタンと上下に暴れやすくなるため、特にオフショアでステイするにはエレキワークが大変・・・。
私も実際ta-toさんのバスキャット・プーマで体験させてもらいましたが、沖の釣りがメインになる場合は正直かなり辛いと感じました。
逆にレンジャーなどは多少の荒れでもピシッと綺麗に水平浮きし、確かに釣りがやりやすいと思います。
このあたりが昔からの人気の秘訣なのかなと思うのですが、近年、ボート界には大きな技術革新が起こりました。
それはデビューと同時に「ゲームチェンジャー」の名を欲しいままにし、今や絶大なシェアを誇るに至った自動運転エレキ“ウルトレックス“です。
実はこの冬私も導入したのですが、相当な波風でもビタッとステイ出来るスポットロック機能には舌を巻くばかり。
進む方向や速度を自由に設定できる自動運転機能、オートクルーズも十分に使えると実感しました。
ウルトレックスを導入してからというもの、かなりの風が吹いても浚渫など沖のピンでの釣りが本当に苦にならなくなったのです。
(国内では導入のフロントランナーとなったM氏。琵琶湖では本当にウルトレックス増えました。。。)
もちろん静止時の釣りのしやすさという意味では、どこまで行ってもレンジャー等には及ばないでしょう。
バウが暴れるとリグ操作がしにくくなるといったネガが無くなるわけではありませんが、しかし激荒れ時のエレキワークから解放されるだけでも天と地の違いです。
キャビらないようにシャフトを長くする(52インチ)必要はありますが、スタンヘビー艇の弱点をかなりカバーしてくれる革命的な発明だと思います。
(ウルトレックスについても、またあらためて書いてみたいなと思います)
弱点は新し過ぎる事?
ワイド化という時代の流れに逆らうナロービーム艇として、バスキャットのエントリーモデルに位置付けられたパンテラクラシック。
しかしクラシックの名の通りに設計が古いわけではなく、むしろオールドスタイルなナロービームを採用しながらも、そのネガを潰すべく数々の新しい技術が盛り込まれた意欲作だと感じました。
最小のサイズで最大のスペース効率や走りを目指した設計思想は、どこか日本車の造りにも通じるような印象を受けるのは果たして私だけでしょうか。
琵琶湖や霞ヶ浦など荒れやすいビッグレイクをメインとしながらも、国内の狭い道路を牽引するトレイル派にはまさにベスト・バスボートだと思います。
ただし一つだけ弱点を挙げるとすれば、それは2017年デビューという「新し過ぎる」モデルだという事。
ですからまだまだ中古は現実的でなく、選択肢は新艇のみと言っても過言ではないでしょう。
いくらお値打ちなエントリーモデルとはいえ、フルリグで700~800万円台という大型投資はなかなかにシビれるプライスと言わざるを得ません。
というわけでベストはパンテラクラシックだなと思いつつも、生半可な根性では新艇なんて手が届きません。
多くの方から「まだ買わないの?」とよく訊かれますが、いや買えませんとだけお答えさせて頂きます(苦笑)。
新艇で買える方には心からお勧めしつつ、私自身はバスキャットかトライトンの19ftあたりを中古で探そうと考えている次第です。
(・・・とこんな結論で恐縮ですが、良い出物をご存知の方はぜひご一報くださいw)
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コメント
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パンテラクラシック気になってたんでとても良い記事でした!
ほんとこれ買える学生ってどんだけだよって思いますよね
バスボート選びって本当に難しいです。でも車と一緒で選んでる時が1番楽しいのかな?とも思います笑
ken-Dさんのバスボートたのしみにまってます!
ありがとうございます!
アメリカだとざっくり半値近い値段でバスボートが買えてしまうのですが(汗)、それにしてもこれ買える学生って・・・って思っちゃいますよね(;^ω^)
買えるかどうかかなり不透明ですが(苦笑)、また話題にしてみたいと思います!
たしか、昨年のJBエリート5旧吉野川戦で、早野プロのバスキャットのみが上流に進入出来ない可能性があるとのことで、プラから本戦まで、上流域を捨てざるを得なかったというエピソードを釣りビジョンで見ました。
早野プロのリグに問題があったのか、バスキャットに設計上のネガティブ要素があったのか詳細は語られなかったのですが、他参加選手は(笑)っていたと、七色最強の方が明かしてました。
内容が内容なんで、公開するかはKenDさんにお任せします。
おおお、重要情報ありがとうございます!!
確か早野プロ艇はクーガーFTDでしたよね?
キャットはVがキツいので、特にフルサイズモデルはシャローへの侵入が辛いのかもしれませんね。
その点でも、パンテラクラシックくらいの大きさがちょうど良いのかな?と思っている次第です。