4May
世界に誇る日本のビッグバスレイク、琵琶湖。
巨大な琵琶バスが育つ理由は、類まれな環境にあった?
世界記録を育んだ、奇跡の理由を考えます。
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巨大琵琶バスの真相
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
(たぶん)毎日ロクマルが水揚げされる、世界一のビッグバスレイク琵琶湖。
しかしその巨大化の理由は、“3倍体“では無いのではないかという記事を先日シェアしました。
じゃあどうして琵琶湖のバスはあんなに大きくなったのか?
そんな質問がたくさん寄せられたのは当然の事と言えますので・・・。
今回は、巨大バスの真相について考えてみたいと思います。
遺伝的要因
さてまず理由の第一として、やはり遺伝的要因はあると考えています。
琵琶湖では一般的なノーザンラージマウスと、フロリダバスの混血が進んでいると言われていますが・・・。
より大型化するフロリダの遺伝子が入っている事は、巨大化と密接な関係があると思います。
その理由の一つとして、フロリダ種が入っているとされる他のフィールドの巨バスの存在があります。
フロリダの聖地とされる池原・七色ダムはもちろん、かつて琵琶湖からバスを入れていた河口湖、そして最近では亀山ダムでもロクマルの報告が。
それらのフィールドの全てに3倍体が入っている事は考えづらいでしょうから、自然状態でもそのくらいまで成長する遺伝子の個体が居ると考えた方が自然でしょう。
ロクマル https://t.co/hxyJpdlwqZ pic.twitter.com/WdqkBB7ExP
— おりきさわボート (@orikisawa) 2017年3月28日
そして逆に、大型化の遺伝子が無ければいくら飽食してもロクマルには成長しないという仮説を示す例もあります。
それが「ブタバス」で有名な牛久沼で、エサが豊富なのかコロンコロンのスーパーコンディションが釣れるそう。
しかし3kgオーバーなのに長さは52.5cmしかない!・・・といった太短いビッグバスが多いらしいのです。
(ナマローブログNEOさんより)
ナマローさんが試合でキャッチした53.5cmが、大会最長レコードになったという事もあり・・・。
牛久沼のバスはノーザンのみと推測されているらしいですが、この辺りが遺伝的にノーザンの限界の大きさなのではないかと思えるわけです。
豊富なベイト
そしてもう1つの要因は、月並みですが「ベイト」にあると考えています。
栄養状態が良いので大きなサイズに成長するという、しごく当たり前のお話ですが・・・。
琵琶湖のバスは他のフィールドに比べ、大きくてカロリーの高い餌をたくさん摂れているように思うのです。
その理由の1つとして、琵琶湖では大型のルアーが効きやすいという傾向があります。
例えばルドラやフルサイズディープクランク、5~6インチワームのスイムジグ等は琵琶湖では「普通のスタンダードルアー」だと思います。
(マグナムクランクや大型ビッグベイトまでいかないと、「大きい」という感じがしない)
しかし他のフィールドにそのまま持ち込んだら、かなり大型のルアーだと思われてしまう事でしょう。
そして琵琶湖のバスがこれをためらいなく喰ってくる理由は、単純に「普段からそれくらいの大きさのベイトを食べている」からではないでしょうか。
実際にバスの胃の内容物を吐かせてみると、ちょっとしたビッグベイトくらいのブルーギルが頻繁に出て来たりします。
立派な真っ赤なザリガニなども多く、栄養がたくさん摂れているので体高のある筋肉質な個体が多いと感じます。
野池によくいるガリガリに痩せたバスはまず見ないのですが、虫などを食べる必要が無いくらい高カロリーなベイトが多いのだと思うわけです。
これは特に北湖で特徴的だと思うのですが、琵琶湖のバスは北湖と南湖で全然体型が違うのは有名な話です。
ややスレンダーな南湖に対して、北ではいわゆる「北湖体型」と呼ばれるコロコロの豚バスが釣れるわけですが・・・。
これは棲息するバスの数に比べて、ベイトの量が圧倒的に多いという環境によるのではないかと思っています。
南湖は平均4mと水深が浅く、遥か沖までどこまでもバスが棲める環境が広がっています。
その一方で、北湖の平均水深は何と43m(!)
面積だけを見れば広大なのですが、実はバスの生息に適した場所は意外なほど少ないのだと思います。
ですから数の少ないバスが、大量のベイトを食べることが出来るのであのような体型になるのではないでしょうか。
決め手は夏場の酸素?
ところで魚の成長速度というのは、時期によって極端な違いがあるのだそうです。
ダグ・ハノンの「ビッグバスマジック」で読んだのですが、夏場に一気に成長し、冬場はほとんど大きくならないのだとか・・・。
変温動物である魚は代謝が水温によって大きく変化してしまうので、決して人間のように一定スピードで成長したりはしないのだという事です。
ですから「夏場にどれだけエサが獲れるか」が、成長のキーファクターと言えるのではないでしょうか。
(バスの釣り方のみならず、生態までもを深く考察した古典的名著です。。。)
しかし高温になればなるほど、必ずしもバスの活性が上がるわけでは無い事は皆さんご存知の通りです。
お湯のようになった真昼の野池なんて本当に難しいと思うのですが・・・夏の琵琶湖は、暑くても意外なほど良く釣れると感じています。
冨本プロが2日トータル28,935gのレコードウェイトを出した試合も、実は春では無く8月のトーナメントなのです。
これはなぜかと考えてみると、原因は「酸素」にあるのではないでしょうか。
水温が高いほど魚の代謝は上がるわけですが、水中の溶存酸素量は逆にどんどん低下していきます。
ですから代謝は高くても、酸欠状態になって活性が下がるというのが夏のタフコンディションの正体だと思っています。
しかし夏の琵琶湖(特に南湖)には、日陰と酸素を提供してくれる豊富なウィードが山盛り。
これが夏場のバスの活性を高い状態に維持し、多くの餌が摂れるようになる事で成長スピードを早めているのではないでしょうか。
ちなみにこれほどまでに琵琶湖にウィードが増えたのは、1994年の大渇水以後だと聞いています。
そしてバスの巨大化が顕著になり始めたのが2000年代と言う事を考えると、ウィードとの関係性はあると考えるのが自然でしょう。
ウィードは生態系ピラミッドを支える他の生き物も育むわけですから、2重に意味を持っていると言えると思います。
というわけでフロリダの血という“遺伝子“、豊富な“ベイト“、そして充分な“酸素“。
成長に欠かせない全ての要素が揃ったというミラクルが、琵琶湖を世界的なビッグバスレイクにしたのではないかと思います。
以上は全て私の個人的な推測に過ぎませんが、この貴重な貴重な奇跡の湖を、本当に大切にして行きたいなと願っている次第です。
※絶版なのでとんでもない値段がついてしまっていますが、「ビッグバスマジック」↓はぜひご一読をお勧めします・・・
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家宝級ルアーの頂きものです… #ブレードクランク #bladecrank #m5r #nishinelureworks #中層千鳥り系 #ブレード系クランクの祖? #さぁどんなフックを付けようかなぁ…
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コメント
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バスのベイトになってる生き物がしっかりと育ち、なおかつそれを捕食できる場所が備わった湖=琵琶湖なのかなぁと今回の記事で思いました。ベイトが豊富という意味で関東の湖では亀山ダムは当てはまるかと思います。ワカサギ、ニジマスなどの放流された魚、放流ではない魚のブルーギルなどバスにとって格好の餌になる魚が沢山いる…こうして考えてみるとロクマルの捕獲実績がある湖はワカサギや他のバスの餌になる魚の放流がある湖がほとんどですね。
琵琶湖はあまりシャローゲームのフィールドという認識がなかったのですが(浚渫やディープホールなどのディープストラクチャー撃ちなど)、南湖はシャローゲームが組み立てられそうなフィールドなのですね。
確かに、ベイトの放流が盛んなフィールドという共通点もあるかもしれませんね!
琵琶湖の場合は4mラインを「ディープ」と呼ぶか「シャロー」と考えるかで全然変わってきてしまいますが(汗)、リザーバーに比べれば圧倒的に浅いエリアが多いと思います!
トーナメントやマリーナ独自の月間ビックフィッシュ大会の様なライブウェルを使用する
大会もどきをスポーニング時期だけでもやめて欲しいとずっと思ってます
スポーニングの時期にライブウェルの使用とかバス駆除してるのと同じですからね
極力バスにダメージを与えないエア抜き等の処置を一般人がまともにやってるとは思えませんしね
コメントありがとうございます。
関東ではスポーニング期のライブウェル使用自粛等の動きが広がっていると聞いておりますが、まさにそのような配慮(この場合は時期の配慮)をぜひ行ってほしいと思います。。。