アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[レビュー] 万能トレーラブルボート・”140ハンマーヘッド” -2- 走行性能編

オフショアからバスまでを、一艇でこなせる“140ハンマーヘッド”
その異常な走破性は、18ftクラスをも凌駕する!?
世界最高の14ft艇の、走りの理由を深堀りします。。。

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異常な走破性の理由

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
オフショアゲームから日本各地のバスフィッシングまで、12年乗り続けてきた愛艇“140ハンマーヘッド”(140HH)。
今回はその走破性について、さらに詳しく書いてみたいと思います。

さてこの船なら琵琶湖北湖でも安心と書きましたが、その理由は「海の船だから」と言うだけではありません。
140HHは遠州灘でもよく使われますが、いかにソルト用でも14ft艇で外洋に出るなどと言うことは普通あり得ないです。
つまり海用ボートの中で比べても、かなり異常な走破性を持った船だということがお判りいただけるかと思います。

(ちなみに私が特に無謀だというわけでは無くて、先輩オーナーさんも皆さん外洋に出ていらっしゃいました・・・)

(よく遠州灘でシイラ釣りましたが、オフショアメインならキャスティングレールを付けるのをお勧めしますw)

(ちなみに飛島まで行って、マグロを釣る大先輩までいらっしゃいます・・・)

マグロキャスティング

つまり海用なので舷が高くてキールのVが深いという要素はあるでしょうが、それだけが理由の全てではなく・・・。
実際、前回の記事をUPした後に「あの(動画の)波、私の和船なら刺さりますwww」というメッセージも頂きました。
ですからその走破性を実現しているのは、スクエアバウカテドラルハル、そしてステップハルというHHの3つの特殊構造なのだと思われます。

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“スクエアバウ”が実現する前方浮力

ところで船が沈む理由はいくつかありますが、おそらく最多となるのが“バウ沈”
つまり船首が波に突っ込んでしまう事で、一気に大量の水を船内にすくってしまうという現象でしょう。
こうなると一気に船の浮力が失われ、次々と波が打ち込んできて排水が追い付かなくなってしまうというわけです。

(例としてはこういう感じかと。ご無事で何よりでしたね・・・)

ここで重要になるのがバウの浮力なのですが、これを最大化するためにスクエアバウという構造が採用されています。
一般的なボートはバウに向けて細く尖っていくのですが、これだと先端部は幅が狭くなるので当然浮力が落ちます。
ですのでこの尖っている部分をざっくりと切り落したような、先端までほぼ同じ幅の真四角のバウ形状となっているのです。

シュガーレイマリンHPより)

さらにこの構造には、バウの有効スペースを広げるというメリットもあります。
下の動画のように、やろうと思えばバウに2人立って釣りをすることも可能。
最近ではYAMAHA等の大手メーカーも採用するトレンドになってきていますが、国産で初めて採用したのはハンマーヘッドだと聞いています。

(ヤマハHP「S-QUALO」より)

 
それから全長の“短さ”も重要で、実は細長い船ほどバウ沈しやすいのだそうです。
同社にはBay Basserという18ft艇もあるのですが、実は14ftのハンマーヘッドの方が波に刺さりにくいのだとか。
ちなみに140HHはベイバサーの進化形なのだそうですが、あえて太短くする事で走破性を高めるという発想には驚きました。

浜名湖オープントーナメントHPより。フィート数が大きい方が安全な気がしてしまうのですが、確かに大型タンカーが沈む嵐でも救命筏は浮いていますもんね・・・)

ですからHHが異常に刺さりにくいのはソルト艇だから・・・と言うだけでなく、スクエアバウショートレングスの恩恵が大きいのだろうと思います。
比較対象としてNEO450というボートに乗ったこともあるのですが、強風の駿河湾で普通に刺さりました(笑)。
NEOは価格の安さや軽さ等のメリットがあって良い船なのですが、率直に言って走破性では勝負にならないというのが実感です。

マリンモーターさんHPより。コスパは本当に素晴らしいと思います!)

 

横方向を安定させる”カテドラルハル”

それからバウ沈と並ぶ沈没原因が、おそらく転覆ではないかと思います。

 
これは幅の狭いスモールボートで、特にVハル形状だとさらに深刻に・・・。
レンタル和船や小型アルミで、あっさり横転してしまったという話はよく耳にします。

 
なので私がガンネル(一番外側の縁の部分)に足をかけて飛び乗ると、「えっ!?」と驚かれるスモールボートオーナーが多いのですが・・・。
ハンマーヘッドは横方向の安定性が高いので、大人2人ぐらいガンネルに乗ってもひっくり返る事はありません。
そしてこの左右の浮力を確保しているのが、カテドラルハルという構造です。

(シュガーレイマリン公式ブログより)

海の大型船にはカタマラン(双胴船)トリマラン(三胴船)等の形状があって、側面が水に漬かっているのでサイドの浮力が高いのだそうです。
このトリマランに近い形がHHのカテドラルハルで、早い話がVが3つあるような船底形状になっています。
これによって横幅1.9m(75インチビーム)にも関わらず、深いVを維持しながら横方向の安定性を確保できているというわけです。

 
それから横の安定性が高いと、激荒れ時に「平行走り」がしやすいというメリットがあります。
これは波に対して平行に走る事でハイスピード移動できるという方法で、フルサイズバスボートだとよくやる走り方だそうです。
ただし横揺れに弱いスモールボートだと横転の危険性があるので、普通は教本通り波に対して30°の角度で走るのが無難ですが・・・。
HHだと結構な波でもこういう走りが出来るので、激荒れの沖島から帰ってくる時に周りの船からよく驚かれます(笑)。

 
ちなみにHHのコンセプトに注目したYAMAHAが、かつてベイスポーツ16と言うソルト用トレーラブルボートを販売したことがありました。
これはHHを買う時に最後まで迷った一艇で、決して悪くは無いのですが横のVの入りが浅いのがネックで・・・。
横揺れのし辛さではHHの方が1枚も2枚も上手という印象で、これが購入の決め手になったのを覚えています。

中古艇ドットコムより。そしてベイスポーツ16はその後廃盤になってしまいました)

 

船体を浮かせる”ステップハル”

しかしそんなに理想的な船形なら、どうして皆カテドラルハルにしないのか?という疑問が沸いてきます。
その理由は“遅くなるから”で、単純にVが3つある分走行抵抗の大きさが半端ではないのだとか。
ハイパワーな大型船ならともかく、小型船外機ではプレーニングすら困難になる事もあるのだそうです。

(あとは製造がやたら面倒らしく、高コストになるという問題もあるのだとか)

そこで組み合わされたのがステップハルで、側面に切り欠きのような段差が作られています。
(ボディ側面の真ん中あたりに注目)
走行時はここに水を巻き込むことで、水とボートの間に泡を発生させるとのこと。
これによって船体が泡の上に乗り上げる形になるため、水面への貼りつきが抑えられて走行抵抗が減るのだそうです。
またプレーニングすると左右のV部分が水面上に浮くため、走行時は普通のVハル状態になるのも特徴的なギミックです。

(©SugarrayMarine ステップハルも今は各メーカーが取り入れていますが、国産での初採用はHHだったとか)

ドリームハル開発秘話 Ⅳ

なのでスピードもなかなかのもので、購入後浜名湖でテストした際は空荷の一人乗りで65km/hの最高速をマークしました。
(SUZUKI DF60仕様)
今は重量級のウルトレックスに魚探4枚、デッキ、パワーポール、釣具数10kgを満載しているので60km/l出ませんが、小型艇としてはまあまあだと思います。
ちなみに泡の上を滑っているからか燃費もよく、沖島周辺まで釣りして往復してもレギュラー15lくらいで済むので助かります。

(大体3km/lくらいですかね・・・)

 

走りは世界最高の14フッター

というわけでハンマーヘッドの走りについては、お世辞抜きに同クラスで世界最高の走行性能ではないかと考えています。
チャンピオン系のフルサイズバスボートみたいに、波を潰しつつ切り裂いて波頭を飛んでいく、みたいな走りはさすがに出来ませんが・・・。
もしもこの船より走破性の高い14ftがあるならば、ぜひとも一度乗せて頂きたいと心から思います。

(シュガーレイマリンは大分の小さな会社なのですが、社長さんの狂気的なこだわりが詰め込まれまくっているかと・・・)

こんなにTVショッピングみたいにベタ褒めしていると、「やれやれオーナーの手前味噌かよ」と胡散臭がられそうですが・・・(苦笑)。
サウザー450イーグル155にも乗らせてもらいましたが、率直に言って荒れた時の強さは比較にならないというのが実感。
そもそも18ftのBay Basserを進化させて作ったわけですから当たり前なのですが、14ftという数字からは想像できないくらい異常な走破性だと言えるでしょう。

(©スナガ イーグル155+DF70は一時本気で欲しかったですけどね・・・)

とはいえサウザーやイーグルにも、HHに無い良さがあると考えていますので次回はそれについて書いてみたいと思います。
それは一言で言うとユーティリティ(使い勝手)の問題なのですが、HHをバスで使う場合の最大の弱点はそこかなと・・・。
いずれにせよ走りはスモールボートNo.1だと確信していますので、機会があればぜひ乗ってみて欲しいところです。

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    • 星野 茂
    • 2022年 6月 26日

    興味深く拝見させていただきました。トレーラブルボートはロマンがあるんですよね。20年ほど前色々購入を考えてのですが浜名湖でも当時無料でラウンチできるところは2箇所ほどしかなく、色々調べてみると意外と楽しめるフィールドがなく断念したことがありました。HHは前から気にはなっていたのですが14フィートと少し小さいかなと思っていましたが今回の情報でかなり欲しくなっちゃいました。ただ、浜名湖に和船、琵琶湖はレンタルバスボート、その他カヤックやフローターというのが現実的かな、と思います。しばらくはその体制で、金銭的、時間的余裕が出てきたらHHまた考えようと思います。ありがとうございました。

    • そうなんです、まさにその下ろせる場所が問題でして・・・。
      有名どころではカナルさんとかですが、地味に寸座マリーナとかでも下せるようですのでよかったら聞いてみて下さい。
      あとは使用頻度の問題で、釣行日数が少なければその体制の方がコスパが良いかもしれませんね!

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