3Dec
外来種は日本だけの問題ではなく、もちろんアメリカでも同様です。
ただ近年、”駆除”だけでなく共生を探る方向にシフトしてきています。
なぜならもはや、人間活動を除外した”元の自然”は非現実的だから。
ぜひ世界のトレンドを読んでおいて欲しいと思います。
この流れに先鞭をつけた名著が、以前も紹介したフレッド・ピアスの”外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD”。
人間によって破壊された環境を、そこに適した新しい種が補完した例が紹介されています。
実際私もフロリダのハリスチェーンで、カナダモ(外来種)が水質汚染を改善した例を見てきました。
こうした報告は世界中から上がってきており、イギリスの生態学者ケン・トムソンは外来種の影響を文献やデータをもとに検証。
いたずらに侵入種を恐れ、とにかく全てを駆除すべしという原理主義の危うさを喝破しています。
またサイエンスライターのエマ・マリスは、ガーデニングという観点から再考を促しています。
彼女によれば「手つかずの自然こそ至高、自然を元の姿に戻すべき」という価値観は、実はアメリカでつくり出された「カルト」だとの事。
実現不可能な幻想を捨て、現実的な目標設定を提案しています。
最後に紹介したいのが、クリス・D・トマスの”なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか”。
在来種の消滅によるロスと外来種の侵入によるゲインを理論化し、多様性を再定義する「まとめ本」と言えるでしょう。
我々はバサーとして、世界の専門家による最新の知見を学んでおきたいものです。
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