27Jun
バサーなら、誰しも心を痛めざるを得ないブラックバスの駆除問題。
日本では「在来種減少の犯人」とされ、今日も命を奪われ続けています。
そんな胸の痛くなる現状に対する、真正面からの意見表明をシェアさせて頂きます。
●10年以上前の、日本釣振興会の見解
今から何と10年以上も前、日本釣振興会から以下のような意見表明がされていました。
【日本の在来魚種が減少した真の要因】(日本釣振興会さんHPより)
ここでは冷静に、在来魚が減少した理由として6つの要因が挙げられています。
①開発(護岸・河川改修・道路建設・森林伐採・湖底浚渫)による環境破壊
②在来種の産卵場所(内湖、水路、湿地、水田等)の埋立て
③漁業者による乱獲
④アシ、ヨシなどの水生植物の伐採
⑤廃水による水質汚濁
⑥外来魚の影響
●分からない、という事を理解する
これを読んで、個人的に非常に大きな感銘を受けました。
それはこの文章に貫かれている、「人間には、真の原因は分かっていない」という謙虚な姿勢です。
様々な要素が複雑に絡み合う大自然を、我々人類はまだ解明できてはいません。
ですから様々な可能性を詳しく検討し、調査する事が提案されています。
確かに本当に在来種の回復を願うのであれば、これはどうしても必要なプロセスのはず。
単に外来魚にのみ責任を押し付けて片付ける事は、現実の問題から目をそらし、むしろ資源回復に背く行為なのではないでしょうか。
●外来魚による食害の可能性も、排除されていない
もう一つ大切な事は、外来魚による食害の可能性も否定されていない事だと思います。
我々バサーは、ブラックバスを愛するがあまり、その食害の影響が小さい、或いは無いと考えたがる傾向がある様に思います。
しかし私たちもまた、自然に対して謙虚になる事が必要ではないでしょうか。
いくつかの研究が行われ、結果も出ていますが、「本当にどの程度の影響があるのかは、まだ人間には分かっていない」。
ですからバスの食害の可能性もまた、否定するべきでは無いと思うのです。
●対立を超え、同じゴールを目指す
残念ながら、これまでバサーと漁業者は対立するような構図になりがちだったように思います。
しかし考えてみて頂きたいのです。
「在来種が増える」事に、反対するバサーは少ないはず。
そして「在来種が増える」のであれば、バスの多い少ないを問題視する漁業者もまた、少ないはずだと思うのです。
(たとえバスを駆除し尽したとして、「そして何も居なくなった」湖を、漁師は望まないはずです)
釣り人も漁師も、皆に共通する想いは「豊かな水辺」を求める事に他なりません。
それを実現しようとする際、本当は一つの要素でしかないはずの外来魚問題ばかりに、私たちは目を奪われていないでしょうか。
(逆にどうしたら健康なバスを育めるのかと真剣に考えれば、我々バサーも在来種の繁栄を求めずにはいられないと思います)
豊かな生態系を構築するためには、本当は何が必要なのか。
「開発による環境破壊」に目を背けず、バサーも一緒になって在来種を増やすための努力をするべき時が来ているのではないでしょうか。
★追記:・・・と書いていたら、タイムリーに具体的なプロジェクトがいくつか上がってきている事を耳にしました。
理想を語るのは簡単ですが、行動しなければ何も始まりませんよね。
という訳で、またそうした情報についてもシェアしていきたいと思いますので、しばらくお待ちください。
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コメント
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2018年 12月 07日
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