アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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[D] 魔法じゃない。だけど、本物

優勝のキッカーフィッシュを引き寄せてくれた「スパロー」。
しかし試合前、実はあまり良く感じていませんでした。
ところが本番、スパローが必要となる事態に・・・。

このルアーには、ビッグフィッシュを魅了する魔力があるのか?
今回は、スパローが真価を発揮した理由をお話します。

●求めたのはキャスタビリティ―

2015HOT最終戦、キッカーフィッシュを引きよせてくれた「スパロー」について書いてきました。

前回記事:【ナナマルを絞り出した「スパロー」の正体とチューニング

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(nada.HPより)

しかしこのスパロー、浜名湖ボートシーバスで使う上では、あまり必要性を感じていませんでした。
率直に言えば、メタルエッジで充分なのではないかと考えていたのです。
だから一応用意はしたものの、本番で使うつもりはなかった・・・と言うのが正直なところです。

けれども最終戦本番、どうしてもスパローを使わざるを得なくなった理由・・・それは、「風」でした。

強い横風を受けながら、杭の奥にルアーを正確に入れ込まなければならないという難しい状況に追い込まれたのです。

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下の図をご覧ください。
サイズの良いシーバスは、風が最も強く当たる杭のピンについていたように思います。

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(毎度のことながら、チャチな手書き失礼します・・・・)

この時は杭の奥に着水点を決め、回り込むようなコースでトレースした時のみバイトが得られました。
風でラインが膨らめば、すぐに隣の杭に喰われてしまいます。

強烈な横風の中、強いサミングでラインスラックを抑えながらも、着水点を奥にとるディスタンスも必要になる。
この1本のトレースコースを、ミスなく確実に1投で通す事は、私にとって非常に難易度の高いものでした。

そしてレンジバイブ55TG(14g)、メタルエッジ16gで苦戦していたさなか、ふとこのスパローの存在を思い出したのです。

その状況下で、+4gのアドバンテージは圧倒的でした。
風を切って杭の奥に飛び込んだスパローに、勝負を決するキッカーが入ってくれました。

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関連記事:【HOT最終戦本番!誤算の7キロとウィニングルアー (完全版)

ウェイトを始め、回転しにくい空力デザインは、おそらくオカッパリを想定して作られたのだろうと思います。
しかしそのキャスタビリティが、今回は強風下のアキュラシーキャストで生きてくれました。
ルアーにとって「投げやすい」という事の大切さを、あらためて教えてもらったように思います。

●魔法じゃない

ところでこのスパロー、2015年11月現在、実はまだ市販されていません。
そんなルアーを、なぜ私が持っていたのか?
読者の皆様との約束に基づいて、しっかりとお話しておきたいと思います。

関連記事:800「いいね!」&26万PV突破!DeeeP STREAMは約束します

実はこのスパロー、上で紹介したnada.代表の黒田氏から頂いた物です。
彼と私とは個人的な釣友(というか先生?)で、マリーナも同じ事から普段から交流があります。
ですからモニターとかそう言う事では無く、「良かったら使ってみて下さい」と2つだけ渡されていたのです。

(という事でこのスパローの感想は、自腹を切っていない分を差し引いて読んで頂けると幸いです)

img03
(nada.HPより)

というわけで空気の読める大人であれば、

「このルアーには、キッカーを呼ぶ不思議な波動がある」
とか、
「スパローまじでヤバい。カラーは赤金、これしか釣れんわ~」
とか、
「3次元ハイドロフォルムがスレたランカーシーバスをも幻惑する」
とか、
まあとにかくサービス精神を発揮すべきところだとは思うのですw

ただしやっぱり、読者に対して嘘や適当な事を書きたくない。
だからKYですけどハッキリ言わせて頂きます。

スパローに優勝させてもらったのは事実だけれど、別に「魔法のルアー」じゃない

だからこのルアーを使いさえすれば、ビッグシーバスが爆釣する・・・なんて事は無いと思います。

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●だけど、本物

未熟な私ですが、トーナメントを通じて少しづつ分かってきた事があります。
それは、「釣りで大切なのは、何よりも場所とタイミング、そしてアプローチ」。
ルアーの良し悪しは、その後にくる最後の一手なのではないかと言う事です。

ドライな話ですが、これさえ投げれば釣れるという、魔法のルアーなんて存在しない
手品のような釣果でも、そこには必ずタネがあるはずだと思うのです。

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そして今回スパローが有効だった理由は、
「正確にスポットに入れ込めるキャスタビリティ」
そして「クリアな水質にマッチしながらも、大型を呼べた中間的なアクション」

の2点だったと考えています。

つまりトーナメント当日、風の中で狭いスポットに正確にキャスト出来た事。
そしてメタルエッジよりも弱めのアクションが、クリアな水質にちょうどマッチしていた事。
さらにはレンジバイブより強めのアクションで、より大型のサイズを選べた事。

魔法のルアーでは無いけれど、その時最も効いた「理由」はある。
その意味で、スパローは確かな実力を持った本物だと感じています。

▼「使いやすさ」が最大の武器

そんなスパロー、何と驚愕の880円で販売予定との事。
「正気?」と思わず黒田氏に訊き返したところ、「ニーズのド真ん中をいくベーシックルアーを目指す」と答えが返ってきました。

・投げやすい。
・巻きやすい。
・釣れやすい。(中間的なアクションだから)
・買いやすい。
・トラブル少ない

といった、「使いやすさ」をとにかく意識して作り込んだのだそうです。

スクリーンショット (201)

しかし逆に、私自身は(なかなか真っ直ぐ泳がない)ハチマルJr.のようなマニアックなルアーが好きです。

関連記事:【シャローフィッシュを獲る秘訣 – X-80Jr.で釣れる3つの要素

けれども今回、真剣勝負の場で「使いやすい」という事が大きな武器になり得ることを知りました。
今後、自分のルアーローテーションの一角を担うルアーになるのは間違いないと思います。

オールマイティなアクション、優れたキャスタビリティ、分かりやすい巻心地。
これを万能と呼ぶか、それとも普通と呼ぶか・・・それは私たちアングラーの使い方に委ねられているのではないでしょうか。

勝たせてもらった思い入れもありますが、3月の発売が心から楽しみなルアーです。

 

 

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