3Dec
一昔前の本には必ず書かれている、「秋の荒食い」。
むしろ厳しい釣果の多い季節・・・それは実在するのでしょうか?
秋に爆釣する「シーバス」から、そのメカニズムを解き明かします。
●「秋の荒食い」は本当か?
一昔前のバスフィッシング本を読むと、大体このような事が書いてあると思います。
「秋は、最もバスが釣りやすい時期。越冬に備えて体力を蓄えるため、ベイトを活発に追い回して荒食いします」
しかし私の経験では、「秋の荒食い」を実感するような爆釣を味わった覚えがありません。
むしろターンオーバーなどに悩まされ、大型に限っては1年で最も難しいとすら感じるほどです。
●シーバスのプリスポーン
しかし魚種によっては、明らかに毎年秋に爆釣する魚もいます。
その一つが・・・シーバス。
フィールドの特性もあるかもしれませんが、浜名湖近辺では秋が圧倒的に良く釣れます。
それは一体、何故なのか?
以前、浜名湖シーバスの秋のシーズナルパターンについて書きました。
関連記事:【浜名湖シーバス爆釣中!秋のシーズナルパターンを読み解く】
その中で、「秋になるとベイトを追ってシーバスが川に遡上する」動きがみられる事について触れました。
ここと密接にかかわってくるのですが、これは「何故わざわざ淡水域まで上ってきて餌を喰うのか?」とも言い換えられます。
その答えは・・・「プリスポーン」にあるのではないでしょうか。
●「喰わなければいけない」という本能
シーバスの産卵は一般に12~2月頃、沖の深場で行われる・・・というのが通説のようです。
それが真実なら、晩秋にシーバスの爆発が起こる時期はちょうど「プリスポーン」の状態と考えられます。
生物にとって最重要イベントである産卵に、必要となる栄養を蓄えるため・・・
「食べなければならない」という本能に突き動かされて、淡水域にまでエサを追い求める。
これが、シーバスにおける秋の荒食いの仕組みなのではないかと思います。
そうであれば、他の魚においてもプリスポーン期に荒食いが見られるはず。
例えばブラックバスで考えてみると・・・最も釣りやすいのは(たぶん異論は少ないと思いますが)、春。
つまりピッタリとプリスポーン期に重なるという訳です。
●プリスポーンの荒食い
というわけで秋の荒食いというよりも、「プリスポーンの荒食い」と表現する方が適切なのでは・・・と今では考えています。
海水魚ではシーバスのように、冬季に産卵する種が少なくないようです。
という事は、海では秋(のプリスポーン期)に荒食いが見られる事が多い、という事は言えると思います。
それを「越冬に備える行動」と解釈したために、ブラックバスについても秋に荒食いが起こる・・・という風に考えられたのではないか。
今はそのように想像しています。
「産卵と捕食」という観点から、シーズナルパターンを考え直してみるのも面白いかもしれませんね。
(「シーズナルパターン」という考え方自体が古いという話もありますが・・・)
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