23Oct
なぜか異常に先重りする、名作“ワンテンスティック“のバランス。
しかし真逆の発想が、ロッドワークを根底から覆す!?
熾烈なツアーで鍛え上げられた、真のジャークベイトロッドをシェアします。
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世界基準の名作”ワンテンスティック”
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて昨日は、ジャークベイトロッドに必要な条件について書いてみました。
これらの要素を満たしたロッドであれば、比較的楽に1日ジャークし続けられるのではないかと思います。
ところで昔書いたジャークベイトロッドの記事の中で、私は「軽い竿が良い」と書いた覚えがあります。
それが楽にアクションをし続けられる条件の一つだと思っていたのですが・・・。
この考え方を180°覆したのが、名竿“ワンテンスティック“でした。
これは日本の誇るバスプロ、深江真一プロがメガバス在籍時代に”ワンテン”を使うために開発した世界基準のジャークベイトロッド。
低弾性素材をスローテーパーに仕上げた、現代としてはかなり異色の設計がなされた一本です。
これにより前回書いた「ティップの強さ」、「クッション性」、そして「適度な短さ」の全てを高次元にバランスさせた専用ロッドになっていると思います。
“先重り”する謎のバランス
しかし実際にこのロッドを使った時、最初はかなり違和感を感じたのでした。
その正体は「持ち重り感」・・・決して竿自体がすごく重いという事はないのですが、かなりフロントヘビーなバランスになっていたのです。
これは服等に引っ掛からないよう、リアグリップをショート化した事による弊害なのかな?と最初は思っていました。
さらにこのロッドは、テーパーデザインもかなり異色の設計がなされています。
パット見て「ん?」と首をかしげるほど、ティップセクションの径が「太い」。
それに比べておかしいくらいバットが細いという、元から先までの太さがあまり変わらないようなストレートティップ的なデザインとなっているのです。
(これによってクッション性のあるスローテーパーでありながらも、ルアーを動かせるティップの強さを確保しているのだとは思いますが・・・)
そして最後にガイド径も、現代のロッドとしては結構大口径気味。
低弾性寄りの素材も相まって、これでは振るたびにロッドがベナンベナンと波打ってしまいます。
もちろん振った感じもなんだか重く、一体これのどこが名竿なのかさっぱりよく分からなかったのです。
スラックを”引っぱたく”という逆転の発想
しかしこのロッドについてあるアングラーと話をした時、「それはアクションのさせ方が逆なんだよ・・・」と教えられます。
逆とは一体どういうことなのか!?と困惑したのですが、基本的に今まで私はラインを“張る”方向にロッドワークを加えていました。
たるんだラインスラックを手首で一瞬だけ張る方向に力をかけ、ルアーを跳ばす様に動かしていたのです。
ところがラインを張るインパクトの瞬間、逆にロッドを”戻す“方向に力を加える事こそがこのロッドを使いこなすコツだというのです。
ロッドワークの順序としてはまず竿先を持ち上げた後、重力に任せてロッドティップを「自然に落とす」。
そして落としたロッドティップがラインスラックを叩く瞬間、手首でピッと逆方向にロッドを返してやるとの事。
これによってルアーに瞬発的な入力を加えることが出来る上、手首にかかるインパクトの衝撃を最小限に抑えることが出来るのだという事でした。
(手首の代わりに、重いティップがラインを叩いてくれるといったイメージです)
そして実際にやってみると、確かにジャークの負担が劇的に楽になったのを体感しました。
アクション自体は引っ張る方向でもつけられると思うのですが、一日終わった時の疲労感が段違い。
竿全体を鞭(ムチ)のようにしならせてラインスラックをひっぱたく為に、あえてフロントヘビーに設計されているのか・・・と知った時は、自分はまだまだ全然ジャークベイトの事を知らないのだなと衝撃を受けた次第です。
(文章だと伝わりにくいと思いますので、解説を動画に撮ってみました。。。)
テクニカル・プラッギングロッドの決定版
というわけであえて先重りのバランスを採用し、ジャーキングのロッドワークにコペルニクス的転回をもたらしたオロチカイザ・F4-65K”ワンテンスティック“。
ワンテンクラスのジャークベイトやトップウォータープラグには、まさに決定版と言える一本だと思います。
この鞭で愛するプラグたちを、ぜひビシバシ叩いてやって下さい。
(ルアーウェイトで言えば、概ね3/8~3/4oz程度のプラグを扱えると考えてよいでしょう)
ただしルドラクラスをロングキャストした上でしっかりとジャークさせたり、シャワーブローズのような大型ペンシルを動かすにはちょっと弱すぎると感じていました。
また、3/8ozをちょっと下回る程度の小さ目のプラグには逆に強すぎるといった感じで、使いまわしの上で中途半端かなという悩ましさを感じ・・・。
大型プラグ用にはWSC65MH、そして小~中型プラグ用にはWSC66MLと、これまでは2本を使い分けるようにしていました。
しかし以前も紹介した「ロングリーダーPEシステム」を採用してみると、ワンテンスティックでも大型プラグにしっかりとアクションを付けることが出来るようになりました。
(シャワーブローズ等の1ozクラスは本来オーバーウェイトですが、ペンシルならそれほどアクションが激しくないので結構動かせます)
これがPE直結だと逆に動かし過ぎてしまい、グラスロッドを用いるなどの工夫をしなければならなかったのですが・・・。
フロロ14lbのロングリーダーを5~10m噛ませることで、近距離でも遠距離でも、中型プラグでも大型プラグでも、操作感の違いが少なくアクションさせることが出来るようになったというわけです。
(そしてロングリーダーPEセッティングは、実は元々このロッドでの試行錯誤から生まれたのでした・・・)
正直リフティングパワー的な面で言うともう一歩かな・・・と思わないでもありませんが、このテイストはほとんど唯一無二。
今やテクニカル・プラッギング用万能ロッドとして、自分の中ではもはや手放せない決定版となっています。
現在はオロチXXX(カイザ)シリーズにラインナップされている他、旧モデルのオロチX4シリーズの中古が安く出回っていますので、そちらを買って試してみる賢い選択なのではないでしょうか。
(「黒田健史のいろはにほへと」より。両方振ってみましたが、たぶんブランクの基本設計は一緒ではないかと・・・。カイザの方が塗装が薄い分、少しシャープな印象があります)
しかしワンテン~ルドラクラスをメインに据えたワンテンスティックは、1/4ozクラスのスモールプラグを使うには少々オーバースペックです。
リザーバー等では阿修羅など9cmクラスのミノーを使う機会も多いでしょうから、次回は小~中型ジャークベイトに最適なロッドについて書いてみたいと思います。
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コメント
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2019年 4月 16日
逆のアクションとは・・・恐れ入りました。
私も楽なロッドワークとして、インパクト時にグリップを弱める(結果としてロッドの反発で戻る)という方法をとっていましたが、さらに戻しを意識することが大事だと気づかされましたね。
あと、ワンテンスティックが折れ竿を補修したかのようなティップをしてる理由がわかってよかったです(笑)
嬉しいコメントありがとうございます!
あの竿は、正直パッと見「えっ?」っていう違和感を感じる異色のロッドですよね(笑)。
かなり癖のある一本だと思いますが、あのジャーク法をマスターすると手放せなくなると思いますので、ぜひ使い込んでみてください(^^♪
いつも楽しく拝見させてもらってます。
自分もあまり詳しくないですがヒロ内藤さんのDVD ルアー ザ スピリットVOL1 ミノー編にはジャーキングロッドやジャークベイトのアクションのさせ方等が本当に詳しく紹介されてます。
かなり古いDVDですがアメリカのジャーキングの元祖、ジムビッターから教わったとされるジャーキングがラトリンログを使って紹介されてます。新しいものから古いものまでDVDはたくさん見ましたがこれは非常に参考になりました。間違ったジャーキングが伝わる事に嘆いておられる方がたくさんいると思います。もしご覧になってなかったら是非見てください。長文失礼致しました。
いつもありがとうございます!
ヒロ内藤さんのDVDは私も大好きなのですが、それはまだ拝見しておりませんでした!!
早速探してみたいと思います、情報ありがとうございました(^^♪
KenDさま
オロチカイザのインプレありがとうございます。
正にロッドの特徴を活かすとはこの事ですね。ロッドワークとても参考になりました。
重いから疲れるという先入観を変えんといけんです。はい。
オロチX4ワンテンステックも捨てがたいですねー(^.^)
いえいえどういたしまして!
まさに私も重い=疲れるという先入観があったのですが、意外な事をこのロッドに教えられることになりました(^^)