15Mar
テクニカルなキャストで、「最後のひと伸び」が活きる遠心ブレーキ。
しかしブレーキの調整に、メカニカルを併用しないなどあり得ない!?
伸びとトラブルフリーを両立する、逆説のブレーキセッティングを紹介します。
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“遠心はトラブルが多い”は本当か?
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
シマノやアブ(の一部)のべイトリールなどで採用されているのが「遠心ブレーキシステム」ですが・・・。
実は意外と多くの方が、上手くセッティング出来ていないのではないかと個人的に気になっています。
仕組みを軽くおさらいしておきますと、キャストしてスプールが回転するとブレーキブロックが遠心力で開きます。
そしてそれがサイドハッチにあるパイプに押し付けられる時の摩擦力でブレーキをかけ、過回転を防ぐという構造。
特徴としてはスプールが低回転の時はほとんどブレーキがかからないので、回転が落ちるキャストの後半はほぼブレーキフリーになり、飛距離の「最後のひと伸び」が期待できます。
これは特にバンク撃ちなどで、ショートキャストやピッチングをする際に生きてくる長所だと言われています。
(これには好みもありますが、私はこのブレーキ特性が好きです)
しかしこれには短所もあって、きちんとサミングをしないとキャスト後半にバックラッシュしやすい傾向があります。
特にピッチングなどを繰り返すと少しづつラインがスプールから浮いてしまい、それがだんだん蓄積してライントラブルに・・・なんて事も。
向かい風が強い時は、最後の最後で失速してバックラッシュする事も多いではないでしょうか。
(ピッチングで着水後、ちょっとラインが浮いた状態。これを「モモる」と言うとか言わないとか・・・)
一方ダイワのベイトリールなどに採用されているマグネットブレーキは、最後まで完全にはブレーキ力が抜けないという特徴があります。
ですから遠心の様な最後のひと伸びが期待できない一方で、どんな状況でもライントラブルが少ないという定評。
「”伸び“の遠心」・「”トラブルフリー“のマグネット」等と言われ、世のシマノ好きとダイワ好きを分ける要因の一つになっているように思います。
しかし個人的には、遠心ブレーキでもセッティング次第でかなりトラブルフリーにできるのではないかと思っています。
そして一般的に言われている遠心ブレーキの調整法は、ちょっと違うのではないかとも・・・。
というわけで今回は、遠心モデルを快適に使うためのセッティング法をシェアしてみたいと思います。
“遠心だけ”に頼っていませんか?
さて色々な本やネットの情報などを拝見すると、遠心ブレーキの調整法は以下のように説明されている事が多いように感じます。
1.メカニカルブレーキノブを、スプールがカタカタと左右に動くまで緩める。
2.そこからスプールがガタつかなくなるまで、少しずつメカニカルブレーキノブを締めていく。
3.このガタツキが無くなり始める「ゼロポジション」でメカニカルブレーキは固定。
4.メカニカルブレーキはフリーの状態のまま、あとは遠心だけでブレーキ力を調整する
確かにこの方法は遠心独特の「最後のひと伸び」を活かし、飛距離を最大化するベストな方法だと思います。
しかしキャスト後半の指サミングを上手くしないとバックラッシュに直結する、かなりピーキーなセッティングではないでしょうか。
もちろんアングラーのサミングが完璧なら何の問題も無いでしょうが、私のようにキャストが下手だとトラブルが多くなってしまうと思います。
(ちなみに田辺哲男プロも、何かの雑誌で「キャスコンゆるゆるなんて俺には信じられない」と仰っていたような・・・)
メカニカルブレーキは遠心ブレーキと違い、スプール回転が落ちてもブレーキ力が(ほぼ)ゼロになるという事がありません。
ですからちょっとだけメカニカルを併用することで、遠心でもマグネットのように最後までブレーキを効かせることが出来ます。
こうした言わばブレーキの”“を適度に調整することで、伸びとトラブルフリーの両立を狙う事が可能というわけです。
(レースの世界だと、LSDのイニシャルトルクは超重要セッティングの一つかと・・・)
KenD流遠心ブレーキセッティング
そこで一般的ではないかもしれませんが、私なりのお勧め遠心ブレーキセッティング法を紹介しておきます。
まずメカニカルブレーキのゼロポジションを出し、その後遠心で適度なブレーキ力を調整するまでは一緒です。
しかしその後、ピッチング後にちょっとモモるなとか、向かい風キャストで最後に失速してバックラッシュするなと感じた時点で、少しづつメカニカルブレーキを足していくという方法です。
調整するときに目安となるのは、「キャスト”後半“」にトラブるか否かというポイントです。
着水間際のタイミングでバックラッシュする場合、いくら遠心ブレーキを強くしてもあまり意味がありません。
なぜならスプールの回転が下がってくると、遠心は結局ブレーキ力が落ちてしまうからです。
(無駄に高回転時にブレーキを掛けるだけになってしまいます)
こういう時は遠心をいじらず、キャスコンを締めてメカニカルブレーキを足していくとテキメンにトラブルが減ると思います。
逆にフルキャストして回転が上がり切った時にバックラッシュするような時は、遠心を強くするべきと言えるでしょう。
そして追い風の時など、メカニカルを併用しなくてもトラブルが起こらないのであれば、もちろんゼロポジションにしておく方が飛距離は伸びます。
それからメカニカルを足すとスプール回転の立ち上がりも鈍くなるので、軽量ルアーを投げる時は特に最小限ににとどめておくべきだと思います。
(そして特にスキッピングをする際は、遠心ではなくメカニカルを強くする事が大切だと思います)
というわけで、遠心ブレーキのベイトリールをトラブルフリーに使えるセッティング法をシェアさせて頂きました。
「遠心はトラブルが出やすいから苦手」という話を聞くたび、メカニカルを併用すれば見違えるほど快適になると思うのだけれど・・・とずっと残念に感じてきました。
せっかくブレーキフリーになるのに?と思われるかもしれませんが、あえて遠心の”無重力感“を適度に殺す事こそがキモではないかと、シマノ機を使い込んできた人間としては感じています。
遠心ブレーキでトラブルに悩んでいる方には、ぜひ一度試してみて頂きたいと思います。
(個人的には、遠心にメカニカルを併用しないのはあり得ないんじゃないかと思う位です。。。)
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コメント
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2019年 3月 30日
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2019年 8月 20日
マグネットブレーキにも通じるような(≧∇≦)
意外とバスライズのマグネットブレーキがいいです(笑)
個人的にはブレーキはラインをはらませないって所に重きを置いてる感じです♪
そんな事もあってルアーも竿の表記ウエイトの半分以上かちょい重ぐらいでやってます♪
マグもそうなのですね!
ラインをはらませないというのは、確かにポイントな気がします(^^♪
こんばんは。
いつも楽しく見させていただいております。
自分はゼロポジション?何それ?って感じでした。
Daiwaのベイトリール説明書に書いてありましたね。
今はシマノもそうなんですかね?
シマノとDaiwa両方使っておりますが、シマノは昔はルアーがゆっくり落ちていく程度にキャスコンを締めるっていうのが常識だった気がします。今もそうして調整しています。キャスト中盤でラインがバタついてバックラッシュ寸前からSVSが効いてそこから伸びるシマノが大好きで今も使っています。Daiwaも
ゼロポジションにはしません。田辺さんと同じ感じです。
長文失礼致しました。
いつもありがとうございます!
ダイワの説明書には書いてあるのですねΣ(゚Д゚)!
昔はコチラが標準だったと思いますが、ベイトフィネスの一般化に伴ってむしろゼロポジが普通?みたいになっているような気がします。
少し締めるだけで、とっても快適になりますよね!
こんばんは!各地で釣果情報が聞こえてきますね!
ところで今日バンタムMGLをようやく入手したんですけど、メカニカルブレーキの効きが緩いというか、けっこう回さないと効いてこない気がするんですけど、kenDさんのバンタムはどうですかね?聞かせてほしいです!
そうですね、結構締めないと効かないですし、効き始めると急に強くなるので(苦笑)、メカニカルをもう少し使いやすくしてほしいですよね(;^ω^)
大いに賛同します。
強風時やブレードが大きいスピナーベイトなどちょっとキャスコン締めた方が使いやすくなりますよね。
はい、空気抵抗の大きいルアーを向かい風で投げる時はマストだと考えています(^^♪
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