12Dec
ストロング・フィッシャーマン待望の、“スティーズA TW”
しかしフルアルミボディは、本当に高剛性なのか?
タフ系ベイト期待の星に、“剛性”の謎を考えます。。。
notice : Please select your language and translate by “Google Translator”on the sidebar(or selectbox below).Thank you!
私のダイワリール歴
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
人によってはオフシーズン突入・・・な12月ですが、個人的に熱い話題は尽きません。
なぜなら待望のリール、“17スティーズA TW“をお借りする事が出来たからです!!
DeeeP STREAMをご覧の皆様はご存知のように、私はリールはシマノが好きです。
とはいえ別にサポートを貰っているわけでも無く、しかも昔はダイワ派だったのですが・・・。
年を追うごとにシマノのシェアが増え、最近ではもうそればかりになってきてしまいました。
その理由は主に2つで、「巻き剛性感」と「耐久性」の2点です。
出たこの剛性マニアが!とまたからかわれそうですが(笑)、特に琵琶湖でフルサイズのプラグを巻き続けていると、日々その重要性を痛感します。
そして私が使ってきたダイワリールには、残念ながらそれらの性能があまり感じられなかったというのが正直な感想です。
(軽さや投げやすさ、デザインのカッコ良さ等は秀逸なのですが・・・)
例えば私が最後に買ったダイワリールである“T3 MX”には、ザイオンと呼ばれる高密度カーボン樹脂ボディが採用されていました。
これは軽量でありながらも、マグネシウムを上回る剛性を持つ高強度の新素材とアナウンスされています。
しかしそれに期待しまくって買ったものの、「巻き剛性”感”」の無さにショックを受ける事に。。。
撃つ釣りにはまずまずだったものの、巻き物用リールとしては正直満足する事が出来なかったのです。
■ザイオン(ZAION)
ダイワが世界で初めて(スポーツ・釣具関連で世界初)開発した新素材「ザイオン」。端的に言うならば、それは「軽くて強く、しかも腐食しない」性質を有する高密度のカーボン樹脂である。その最大の特色は、軽さと強度。特にその剛性は金属であるマグネシウムをも上回る。これは、汎用樹脂が樹脂にガラスを混ぜて作るのに対し、ザイオンでは強度をさらに上げるための素材としてカーボン繊維が使われていることによる。しかもその密度は一般のカーボン樹脂と比べて圧倒的に濃い。これに金属ボディ同様のフルマシンカットを施すことにより、金属と同等の強度と精度を持ち、しかも軽量のリールボディが誕生した。樹脂としてのイメージは、このカーボン新素材・ザイオンに限っては一掃するべきだろう。新感覚をもたらす理想の素材。それがダイワが開発したザイオンの姿だ。
そのポテンシャルの高さは剛性に定評のあるソルティガやトーナメントISO-Zで実証済み。金属と異なり、塩分による腐食がなくボディやクラッチ部の耐久性に優れていること、高剛性でパワフルな巻取りが可能であること、しかも軽量であること。これらの特長は全てのリールに最適の素材であると言える。
(ダイワHPより抜粋)
待望の高剛性ベイト
そんなわけで途絶えていた私のダイワリール歴ですが、2017年の話題をさらった“17STEEZ A TW“には興味津々でした。
なぜならこのモデルが、「高剛性のアルミボディ」を謳ってデビューしたからです。
ブレーキ側のサイドカバーは樹脂のようですが、スプールを支持するサイドプレート部分はアルミのようですので、実質フルメタルと言って良い構成と思われます。
(間違ってましたら教えて下さい)
これによって、ハードな米国トーナメント・サーキットでも耐え抜く剛性とタフさが確保されているとの事。
エリートシリーズを戦う清水盛三プロも、ついに(高剛性で知られる)T.D.ジリオンLTD JドリームからスイッチしたとのエピソードがHPで紹介されています。
これを見て私が一番最初に思ったのは、「やっぱりアルミが一番強いんでしょ?」という事でした。
2000年代後半くらいから、ベイトリールは各社とも軽量化のトレンドに進んでいったと思います。
昔はアルミが一般的だったボディ素材は、いつしかマグネシウムや樹脂(プラスチック)へと移り変わってきたのは周知のとおりだと思います。
しかしいくらカタログ上で高剛性を謳われていても、どうしても巻いた時の剛性“感”は下がっているようにしか思えなかったというのが実感。
久しぶりに05メタニウムXTやアンタレスARといった過去の名機を触ってみると、その思いは強くなるばかりでした。
ですから結局のところ、剛性で言えばアルミ>マグネシウム>樹脂という超えられない壁があるように思えてならなかったのです。
ですからタフさと巻き剛性を最優先に考える私としては、アルミボディの高剛性モデルを切望していました。
そこに登場したスティーズAのコンセプトは、まさに私にとってはドンピシャの一台・・・。
ブラスでは無くジュラルミンギヤなのが唯一残念ですが、久しぶりに本気で試してみたいダイワリールが登場してくれたというわけです。
“剛性”の正体
しかしメーカーの「中の人」を含め、色々な方から気になる情報も寄せられていました。
それは樹脂でもマグネシウムでも、決してボディ剛性が低いというわけでは無い・・・。
むしろアルミよりも強い場合すらあり得る、というのです。
確かに同じ素材を使っても、素材の厚さや作り方によって剛性は全く違うものになる事でしょう。
たとえば同じマグネシウム製でも、アルデバランとアンタレスの剛性感は全く違うと感じられます。
ですから一概に、使用している素材だけではその剛性を推し測る事は出来ないのだそうです。
(確かに07メタニウムは剛性感が無いと感じましたが、その後のマグネシウムボディはだいぶ強くなったように思いました)
そしてさらに衝撃的だったのは、実は市販されている同メーカーのリールのボディ剛性は、数値上はほとんど変わらないらしい・・・という情報でした。
具体的にどのモデルがどれくらい・・・というのはシェア出来ないのですが、これも複数の情報筋から寄せられたお話。
つまり樹脂でもアルミでもマグネシウムでも、ほぼ変わらない程度のボディ剛性で設計しているのだというのです。
(ベイトフィネス用と丸型リールでは違いますが、同じような路線のロープロオールマイティ系ならほぼ一緒だとか・・・)
ではメタルが強いとか樹脂が弱いというのは、単なる自分の思い込みに過ぎないのだろうか・・・。
この話を聞いてからもう一度自分の感覚を疑って巻き比べてみましたが、でも、やはりどうしてもそうは感じられませんでした。
フルサイズのクランクを1日10時間×2日たっぷりと巻き比べてみた時、やはりアンタレス系やコンクエスト系の「高剛性に感じる」リールでは、同じギヤ比でも明らかにリトリーブが楽だとしか思えなかったのです。
この時頭に浮かぶのが、果たしてリールの「剛性」とは何なのだろう?という疑問です。
つまりメーカーで弾き出している数値上の剛性とは、一体どのように計測しているのかと。
単に上から押しつぶして変形するまでの耐力を測っているのではないでしょうが、リトリーブ感に影響する剛性の計測方法をどうすれば良いのかという問題は、考えれば考えるほど分からなくなってくるのです。
たとえば車を例にとって話しますと、ぶつかった時などの衝突時の剛性と、コーナリング中などドライビング時に感じる剛性は結構違うと思っています。
若い頃モータースポーツをやっていた時に知ったのですが、ロールケージを入れて「ボディ剛性」を上げても、意外と剛性感が出ない事も・・・。
その一方で、サスペンションの取り付け部であるアッパーマウント周りを強化すると、見違えるほど走りのフィーリングに違いが出るという経験をしたのです。
私たちアングラーが感じ取る「剛性”感”」は、負荷の掛かった回転時のリトリーブ剛性だと言えると思います。
そうであれば上の車の例のように、単にボディの破壊強度ではなく、回転時に負荷が掛かる部位の剛性が深く関わっている事が想像できます。
そしてそのような部分を特定して、剛性を数値化する事というのは、果たしてどこまで正確に可能なのかと疑問に思ってしまうわけです。
またボディ単体だけで無く、ギヤやベアリングなど他のパーツの剛性、ひいてはその精度(クリアランス)も、トータルで剛性感に影響を与えている事が想像されます。
だとすると、メーカーで計測している「剛性」の数値と、アングラーの使用感覚に乖離が生じる事は充分にあり得るのではないか・・・と思えてならないのです。
いずれにせよ、最終結論は「使ってみてどう感じられるか」という結果でしか判断できないでしょう。
というわけでスティーズA TW、しっかりと使い込んでの実使用インプレッションをシェアしたいと思います。
※ぜひFacebookページへのいいね!& twitter・Instagramのフォローをよろしくお願いします。
関連記事
コメント
-
2017年 12月 18日
-
2017年 12月 21日
-
2017年 12月 21日
-
2018年 1月 22日
興味深い考察ですね!
ただ、あくまで感覚的な話で、巻き剛性を数値化できれば面白いですね。まあ個人では難しいですが…
それと、仮に「巻き剛性感」が高いとして、それがどれだけユーザーにとって必要なのか?は人によって違いますね。剛性感にどれだけお金を払うか?というのもありますし。私はなんかはベイトリール初心者なので、比較してもたぶん違いが分からないと思います(笑)
あと、メーカーもビジネスなので、いろんな付加価値を付けて差別化しないと売れないですよね。
という、いろんな要素を含みつつ、ガチンコの使用レポートを楽しみにしてます。
ありがとうございます!
そうなんです、「巻き剛性感」って、一日デカいプラグを巻き続けるスタイルでないと、あまり必要性が無いとも言えると思うんですよね・・・。
レポートについては、しばしお時間を下さい(^^♪
巻き剛性って表現が良く分からないのですが
同じギア比でもメインギアの直径が大きい方が巻きは楽にはなるので
楽になる=巻き剛性?が高く感じるではないんでしょうか?
そうです、巻き剛性が高い≒巻上げが楽、といったくらいの意味合いで考えて頂ければ幸いです。
メインギアの大径化も、それに寄与すると考えられていますね(^^♪
釣りの話から脱線するのですが銃の世界にも同じことが言えるみたいで、一番最初にポリマーフレームを採用した拳銃はあえてフレームがたわむように作ってあるため古くからの金属フレーム製の銃ばかり撃ってきた撃ち手にはすごく違和感(あと不安w)を感じるそうです。数値上はポリマーフレームは金属フレームと同等の強度があり、かつ軽いというイイことづくめのように思われますが数字だけでは測れない実用上の不安(精神的なものですが)を使い手に与えるみたいです。そのため近年発売されてるポリマーフレームの銃は金属フレームと同等の撃ち心地を目指すことが多くのメーカーの目標のようです。
釣りの話に戻りますが、金属フレームを望む声は銃の世界と同じような理由で恐らく高まってきている気がします。樹脂でも金属フレームのような巻きの剛性感を持たせる…来年発売のリールにそんなリールが来ることを私は願ってます。(出来れば高すぎないお値段で!)
おおお、非常~に参考になるお話ありがとうございます!
銃の世界にも、まさしく同じようなお話があるのですね・・・。
本当に「金属フレームと同等のフィーリング」というのが、リールにも求められている事なのだと思います。
私も安価なメタルモデルの登場を切望しています!
たしかに不思議ですよね!機械加工をしてると真鍮なんてふにゃふにゃの金属なのにみんなギアは真鍮がいいといいます!昔あったジリオンpeはどうなんでしょうね?
あれはギアがステンレスだったと思います!ギアで全てが決まるならジリオンpeが最強という事になりますけど実際は違いますもんね
そうなんです!
硬さで言ったらジュラルミンの方が上なはずなのに、なぜか柔らかいブラスの方が巻き心地が良く感じるという。。。
もしかしてこれ、「逆に柔らかい方が良い」ってあり得ますかね???
難しい。。。