アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[D] “ライブスコープ”幸福論

トーナメントの最前線で、猛威をふるい続けるライブスコープ
しかし導入しさえすれば、釣果につながるとは限らない?
最新デバイスの必要性と、その限界を考えます。

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ライブスコープの必要性

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
登場以来、魚探界のゲームチェンジャーとして旋風を巻き起こしているライブスコープ
周囲が続々と導入しているのを見て、焦りを感じているアングラーも多いのではないでしょうか。

私もついに導入に踏み切りましたので、前回は簡単なマニュアルをシェアさせて頂きましたが・・・。
尋常ではない値段の高さに、衝撃を受けた方も少なくないのではないかと思います。
果たして現代のバスフィッシングは、こんなにお金を掛けなければいけなくなってしまったのか?
今回は最新ハイテク機器の必要性と、その限界について考えてみたいと思います。

(©HEARTSMARINE)

 

ライブスコープが生きる状況

さてまず「前方」「リアルタイム」に映し出せるライブスコープですが、いつでもどこでも使えるという訳ではありません。
私も実機を見せてもらうまでは勘違いしていたのですが、あまり浅い場所では上手く表示できないのです。
(ビームの角度の関係?で、ある程度距離を離して映すには水深3mくらいは欲しいかなと・・・)
またヘビーカバーの中を映し出すのも得意ではなので、シャローカバーでは使いづらいと言わざるを得ないでしょう。
こうした状況では肉眼で見える情報も多く、結局は「直接見た方が早い」のではないかと思います。

しかしこれは裏を返せば、目で見えないディープエリアでは無類の強さを発揮するという事でもあります。
例えばインビジブルの沈み物を攻める場合、あらかじめマーキングしておいたウェイポイントに対して、ヘディングセンサーで方向を合わせてキャストすることになると思います。
ところがなかなかリグが狙いのカバーに入らず、アプローチに何投も費やしてしまう・・・というのは良くある話。
これはGPSやヘディングセンサーの精度の問題で、どうしても距離や角度が少しづつズレてしまう事によると思うのですが・・・。
ライブスコープであればまさに「今そこにある」沈み物を正確に映し出せるため、段違いの精度でプレゼンテーション出来るのです。
武田選手に実演して頂いた際、サイドイメージで初めて発見したオダに一投で入れられた事には本当に感激しました。

(つまり目的のカバーの上に、一回も乗らずにアプローチできたという事です。。。)

そしてもう一つ決定的なアドバンテージだと思うのは、「バスの存在確認」が出来るという事です。
サイト以外の釣りにおいては、釣り人はバイトの有無でしか魚の存在を知ることが出来ません。
「きっと居るはずなのに・・・」と思いながら、魚の居ない場所で粘ってしまう事も少なくない事でしょう。
投げる前にいる・いないの判断が付くという事は、特に一投に時間のかかりやすいディープの釣りでは効率の面で圧倒的な差がつくことでしょう。

とはいえ既存のサイドスキャンやダウンスキャンを駆使しながら、上からシューティングで狙う方法もあると思われるかもしれません。
もちろんそれでも釣れるわけですが、ボートで直接カバーの上に乗るのは少なからずプレッシャーを与える事になるでしょう。
距離を取ったポジションからダイレクトに狙えるライブ・シューティングには、大きなアドバンテージがあることは想像に難くありません。
総じて言えば琵琶湖北湖野尻湖桧原湖など、プアカバーのディープレイクでは大いに威力を発揮すると言って良いと思います。

(ちなみに南湖のウィードの中を映すのは無理だと思います・・・)

 

“使いこなせるか否か”が全て

こうして考えてみると、やはりライブスコープは圧倒的に有利じゃないか!と思われる事でしょう。
確かに上に挙げたようなフィールド状況で活用するなら、確実にアドバンテージがあるというのはすでにトップトーナメントの場で証明済みだと思います。
けれども私たちが気を付けなければいけないのは、それを自分が本当に使いこなせるか?という点。
つまりどんな素晴らしいデバイスでも、アングラーに活用できるスキルが無ければ何の役にも立たないという事です。

(例えばコレ↑、分かります?)

これを考える際に思い起こしてほしいのは、今使っている魚探の性能を十分に引き出せているか否かという事です。
たとえばサイドスキャンも革命的な技術革新で、「ディープのオダがこんなに綺麗に見える!」と感動した方は多かったことと思いますが・・・。
今それを活用して釣果を上げられているか?と考えてみると、自分にとって本当に必要なものかどうかを判断する一助になるのではないでしょうか。

(わぁすごい!・・・だけで終わっている事も少なくないのではないでしょうか。。。)

というわけでライブスコープは確かにすごいデバイスですが、それさえあれば釣果が倍増するという魔法の箱ではないと思います。
いかに情報量が豊富であっても、それを理解できなければ画面とにらめっこする時間が増えるだけで、かえって釣果を落としてしまいかねないからです。
それは素人がF1マシンに乗るようなもので、速過ぎてクラッシュするくらいならフツーの車で完走する方がマシ・・・といった状態に近いのではないでしょうか。
多くの人にとっては清水の舞台から飛び降りるほどの覚悟がいる投資だと思いますので、導入に際してはそのあたりをよくよく検討して頂ければと思います。

 

なぜライブスコープを買ったのか

・・・とここまで書いてきて、「じゃあ何でKenDはライブスコープ買ったわけ?」と訊かれると非常に痛いところなのですが・・・(笑)。
俺なら使いこなせる自信がある!!・・・というわけでは決してなく、どちらかというと機械オンチなので正直不安しかありませんwww
それにも関わらず私が導入を決めたのは、何度も書いているようにボーターとしてアメリカのトーナメントに出たいという目標があるからです。

アメリカのトーナメントシーンにおいても、この手のハイテク機器が大きく成績を左右しているのが現実だと考えています。
ですからもし奇跡的に出場できたとしても、「魚探の使い方分かりません・・・」ではハナからお話にならないでしょう。
結果にコミットするのであれば、デバイスの進歩にキャッチアップしていかなければ勝負の土俵にすら立てないと思うのです。

(2018年に参加したオープンでも、魚探4枚掛け以上が普通でしたからね。。。)

ですから国内でもTOP50での勝利を目指すとか、本気でトーナメントに取り組むなら導入しない手は無いと思います。
正確なデータはありませんが、2019年末ではほとんどのTOP50選手が導入していると言っても過言では無いそうで・・・。
今やライブスコープはあれば有利なデバイスではなく、すでにトップトーナメントでは無いと後れを取ってしまう時代になったと言えるでしょう。

(武田プロのブログより。未導入は”サイト超人”三原直之選手など、限られたメンバーのみに・・・?)

TOP50選手の魚探セッティング(シリーズ6)

しかし重ねて言いたいのは、我々のような一般バサーがライブスコープを導入しても釣果が上がるかどうかは疑問だという事です。
それでも5万や10万の話ならまぁお好きなように・・・とも言えますが、投資額は文字通り一ケタ違います。
ハッキリ言って私としても家庭が平穏ではいられないレベルの出費で、実のところ最近バスフィッシングに対して少し辛さを感じておりまして。。。
もちろん釣り自体は今も昔も変わらず大好きなのですが、環境を整えるためのコストを考えると心が晴れない日が多いのです。

(冷静に考えると、正気の沙汰ではないなと自分でも思います。。。)

というわけでライブスコープは確かに物凄いハイテクデバイスですが、それが釣り人を幸せにするかと言えば必ずしもYESではないと私は思います。
これからも新しいデバイスは際限なく出続けるでしょうし、何年か経って普及すれば価格が落ちてくることも期待できるでしょう。
ですから皆さんには「大枚をはたいて購入したけれど、結局は逆にバスフィッシングが楽しくなくなってしまった」などという事にならないよう、くどいようですがよくよく熟考して頂きたいと願う次第です。。。

(週末を楽しく釣るためには、決して必要なデバイスだとは思いません。。。)

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    • masnag
    • 2020年 1月 21日

    毎回楽しく拝見させて頂いてます!!
    なにかすごく考えさせられる内容で、思わずコメントさせて頂きました
    確かに昨今のバスフィッシングにかかる費用は膨大ですよね・・・
    ボーターになればなおの事とんでもない金額がかさんで家族に迷惑かけている気がしてなりません(笑)
    ガソリン代等のランニングコストだけもなかなか笑えないですよね・・・
    ましてや次々に出てくる最新デバイス・・・
    困ったものですね・・・
    おかっぱりが良かったのかもしれないですね(笑)

    • いつもありがとうございます!
      本当に昨今のハイテク機器の高騰は、バスフィッシングへの姿勢を考え直させられるなと思います。。。
      とはいえオカッパリとボートではゲームの内容がだいぶ違う(どちらが良い・悪いという意味ではなく)と感じておりますので、もっとボーティングが安価に楽しめる環境になって欲しいなと切望しています。

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