4Dec
ダイコーの釣り業界撤退を受け・・・敬意と鎮魂(?)の意を込めて、今期の浜名湖ボートシーバス用に使ってきたメインロッド、Addict S64LG (ダイコー)のインプレッションを書いておきたいと思います。
PEとの組み合わせを想定しているようで、ガイドはオールKガイド。
時代を反映して、ティップ側は小口径。
リーダーの結び目がやや突っかかりやすいものの、昔のグラスロッドに比べればかなり軽快な仕上がりになっています。
●ティップ強めのスローテーパー
表記上はファーストテーパーですが、魚がHITし負荷がかかると、バットまでじわりと曲がり込みます。
正直、個人的にはスローテーパーと表記しても良いような気さえします。
少し昔のクランキンロッドのような、ティップだけがペナペナな感じではありません。
比較的ティップは強めで、マーゲイなどのトゥイッチでも何とか動かせる範囲と思います。
また、最も使いやすいのは5~10gくらいで、ビーフリーズ65SPからレンジバイブ55あたりまでがベストマッチと思います。
(もちろんレンジバイブ70など1/2ozクラスも使えますが)
●目からウロコのバラシ率DOWN
このロッドを使おうと思ったそもそものきっかけは、シーバスのあまりのバレやすさに辟易したからです。
それ以前に使っていたロッドは、アルジェントボートシーバス:GSOAS-62ML(オリムピック)。
ベロっとした低弾性カーボンをレギュラー気味にセッティングした、いわゆる一般的なボートシーバスロッドだったと思います。
割とバレにくい感じのロッドだと思ったのですが・・・シーバスという魚の特性か、伸びの無いPEラインの宿命か・・・それでもバラシ連発。
これで駄目ならもはやグラスしかない!?と、2013年の名古屋のフィッシングショーで探し出したのがこのS64LGでした。
それで結論から言うと、自分の場合はバラす確率が劇的に下がりました。
体感的には半分以下になったような・・・。
個人的に、グラスは「古い時代の素材」という先入観が強かったのですが、PEラインとの相性の良さは、正直目からウロコでした。
あとはもちろんノリも良く、際どい掛かり方の魚が増えた気もします。
(それでもバレにくいのですが)
●種類の違うバレ方
しかし使い込んでいくうちに、以前とは異質なバレ方をしやすい事に気が付きました。
低弾性カーボンのアルジェントを使っていた時は、首を振られるなどテンションが抜け気味になる時のフックアウトが中心でした。
しかしS64LGでは、魚が思い切り走って、負荷が一番強く掛かる時にバレる事が多くなった気がします。
これは特にクロダイ/キビレを掛けた時に顕著で、最初のファーストランでドラグが鳴りまくっている最中に、フッと軽くなる・・・という経験に何度も歯噛みしました。
仮説としては、しなやかでフッキングパワーが弱いために、針を貫通させられていないのでは?と現時点では考えています。
このため、最近では出来るだけラインスラックを巻き取ってから思い切りアワセるように心掛けていますが・・・反射的に即アワセしてしまう事も多々(苦笑)。
その他には、設定がかなり柔らかいので、デカい魚だと竿の限界まで曲がり切ってしまい、突然走られた時の曲がりシロの余力が少ないのかな?とも考えていますが・・・。
●操作性は最低限
そしてピュアグラスなので宿命だとは思いますが、操作性は良くありません。
前述のように強めのティップ設定なので、何とかトゥイッチで動かすことはできますが、お世辞にもやりやすくは無いです。
足回りふわふわのミニバンで峠のコーナーを切り返していくような感じで、ダルンとしなるブランクが、自分のイメージより1歩遅れてアクションを伝えるフィーリングが何とも気持ち悪い。
あくまで基本は巻くための竿であり、ペンシルの首を振らせたり、連続トゥイッチするのは得意ではないと思います。
この特性は、なかなか他に代用が効かないだろうと思わせる、かなりキャラの立った1本だと思います。
汎用性はないのですが、本当の竿のしなやかさとは何なのかを、このロッドに教えてもらった気がします。
バラシに悩んでいる方には、ぜひ一度使ってみて頂きたいです。
残念ながら生産中止ですので、今後は入手する機会が減っていきそうですが・・・。
ただし自分自身、浜名湖シーバス用にパーフェクトだとは考えておらず、色々と他の可能性も探っている最中ではあります。
ともあれ、こんなキレたロッドを作って下さったダイコーさん、本当にありがとうございました。
たぶんなかなか手放せない1本になることと思います。
合掌・・・
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