11May
似通ったスペックの、シマノ巻き物用グラスコンポジットロッド4機種。
ここからベストな中-大型シャロー~ミディアムクランク用の1本を探し求めるこのシリーズ、今回はエクスプライド1610M-Gについてレポートします。
●「なんちゃって」グラスコンポジット!?
さて、これまで様々なグラスコンポジットロッドの製法を見てきました。
例えば、カーボンロッドの先端だけグラスを継ぐという前衛的な手法。
【クランキングに感度は必要か?グロリアスC7は感度を極めた巻き物ロッド】
あるいはメインのグラスブランクスに、カーボンをスパイラルXで全体に締め上げた構造。
【バラシ防止の決め手は「磯竿」!? アドレナ1610M-Gは「掛け」命のクランキンロッド】
このように最近のシマノさんは、斬新な手法でグラスコンポジットロッドを作り上げています。
さて、それでは今回紹介するエクスプライド1610M-Gにはどのような最新技術が用いられているのか?期待を胸にフィッシングショーでロッド担当さんに話を伺うと・・・。
「メインブランクスの縦カーボンシートに、ちょっとグラスが混ざっています」
・・・
・・・
・・・えっ、それだけ( ゚Д゚)???
もちろん一般的なカーボンロッドのように横方向のカーボンも巻いてあるでしょうし、エクスプライドの他の機種のように、外側からハイパワーXでの補強も受けていますが、グラスと言う意味ではそれだけとの事です。何てシンプル!
確かにカタログスペックを見ると・・・
はい、93.4%がカーボンですね。
という事はグラスの割合は6.6%以下という事で・・・まあ、ほぼカーボンですよこれは。
そして振ってみた感じも、低弾性カーボンくらいな印象です。
グラス臭さはほとんど微塵も感じません。
いやぁ・・・一口にグラスコンポジットと言っても、製法や配合具合など全く違うという事が身に染みて分かりました。
●扱いやすさとバーサタイル性は良さそう
と言うわけで書きたい放題書きましたが(苦笑)、なんちゃってグラスコンポジット=なんちゃってロッド、では決してないと思います。
むしろこのフィーリングこそ求めていたものだった!という事もあり得るわけで、複雑な最新技術を採用したタックル=良い釣道具、では決して無い事を肝に命じておきたいところです。
エクスプライド1610M-Gに関して言えば、グラスっぽいダルさをほとんど感じさせないシャープさを持ちながらも、レギュラーテーパーでしなやかに曲がるというかなり自分好みな特性でした。
実を言うと、4本の中で一番期待していた1本だったりもします。。。
スピナーベイトやチャターなどのシングルフック系の巻き物や、アキュラシーの重視されるカバークランキング、あるいはバイブレーション・クランクをウィードに深めに掛けてハングオフ、距離を取りたい時のトップウォーターゲームなどに向きそうな感じがします。
張りもグラスコンポジットとしてはかなり強いので、ライトテキサスくらいだったらフッキングも決められるのではないかと思います。
巻き物中心に、1本だけ持っていくオカッパリ用バーサタイルロッドにも良いかもしれません。
良く曲がることでキャストもしやすくバラシにくい、初心者の方にもとても使いやすいロッドなのではないかと思います。
●クランキング専用には硬いかも
しかし今回自分の探し求めていた、クランキング専用のロッドと考えればやはり張りが強過ぎると感じました。
特に春の弾きやすい時期はノリも心配ですし、クランクによっては泳ぎが上手く出ない場合もありそうな感じがします。
(硬いロッドだと泳ぎにくくなるクランクベイトが存在します)
しかしこの辺りは好みの問題もあるので、一概には言えないところです。
例えば伸びのあるナイロンラインと組み合わせるから、これくらいで丁度良い・・・と言った意見もあるかもしれません。
けれども繰り返しますが、一般的なグラスコンポジットから想像されるようなダルさやしなやかさはほとんど無いと思います。
この特性を理解した上であれば、最高の右腕にする事も可能かもしれません。
しかし普通にクランキングロッドを探している方にとっては、予想外となる可能性が高いと思いますので、購入の際はご注意頂きたいと思います。
さてそれでは、いよいよ最終回のエクスプライド 170M-CR編へと続きます・・・
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