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:[特別寄稿2] MGLスプールの秘密とベイトフィネスの結論

MGLスプールの鍵は、特徴的な側壁ブランキングでは“無い”!?
そして重くのしかかるラインの重圧・・・。
ベイトフィネスに最も大切な、真の要素が明かされます!

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カリスマによる特別寄稿・後編!

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて、先日シェアするや否や、大きな衝撃が広がった「ベイトフィネススプールの不都合な真実」
軽量ルアーのキャスタビリティに関して、スプール総重量はほとんど当てにならないというショッキングなお話でした。

そして圧巻のデータで我々を驚かせたリールカスタム界のカリスマ”ふじ”氏は、さらにMGL技術の核心へと切り込んでいきます。
ついに明かされるMGLスプールの秘密・・・そして、ベイトフィネススプールに求められる結論
マニアック警報発令中の「特別寄稿・後編」、括目してご覧ください!!

 

特別寄稿その2. Newマグナムライトスプールの横穴の効果と、ラインを巻いた状態での慣性モーメントについて

皆様こんにちは、“ふじ”です。
前回はスプールに関する重量や慣性モーメントに関して一通り触れました。
今日はNewマグナムライトスプールのセールスポイントである横穴の効果と、ラインを巻いた状態での慣性モーメントついて話をしたいと思います。

今回New MGLスプールを3Dモデルでわざわざ手間暇かけて作成していますが、慣性モーメント測定のほかにもう一つ訳があります。
今回新しく取り入れられたスプール側面の穴あけがどれほどスプールの慣性モーメントに影響するかを確認したかったからです。
調べるのは簡単です。側面穴あけありとなしで比較するだけです。
それでは早速、側面穴あけなしの慣性モーメントを見てみましょう。

730g/mm^2です。
さて、前回確認したベアリングなしでの慣性モーメントは711g/mm^2
2.7%ほど慣性モーメントが増えました
アルミシャフトに変更したときは約1%しか変わらなかったので、シャフトをアルミにするよりスプール側面に穴あけを行う方が効果が大きいことが分かります。

じゃあ慣性モーメントが直径の2乗で影響するのであれば、同じように側面穴あけの径ももっと外側に持ってこればもっと慣性モーメントが減るんじゃないの?という話になりますよね。
試しにぎりぎりまで外側に開けてみましょう。物凄いインパクトのある絵ですね。

704g/mm^2に減りました。
穴あけなしの730g/mm^2と比べると3.7%の慣性モーメント減少になります。
では何故シマノはこの画像のように限界ギリギリ外側で穴あけを行わなかったのでしょうか。

予想で申し訳ないのですが、おそらくスプールの最外径付近に穴をあける事が出来なかったのでは、と考えます。
スプール側壁は薄く作られているので、馬鹿正直にど真ん中に穴をあけるとスプールが加工時の力に負けてひしゃげてしまいます。
その対策として糸巻き部のRをぎりぎり掠るように穴あけを行うことで肉の厚いスプール糸巻き部に穴あけ時の力をうまく逃がし、穴あけ時のスプールの変形を防いでいるのでは、と予想しています。
どういうことか見てみましょう。MGLスプールを持っている人は自分のスプールをまじまじと見て下さい。

ここです、スプール糸巻き部のRになっている部分を穴が掠めていますね。
なぜこの考えにいたったかというと理由があります。この二つの画像です。

(シマノ公式HPより引用)

それぞれ、夢屋の16メタニウムMGLの深溝スプール16アンタレスDC用のMGLスプールです。
画像を見る限り夢屋のスプールは純正スプールより内側に穴をあけていますよね。
アンタレスDCに関してはスプール径がメタニウムよりも大きいにもかかわらずこれも糸巻き部分をかすめています。

これらの画像を見て内径ぎりぎりをかすめないと穴あけできないほどシビアな加工なのではないかという結論に至りました。
New MGLスプールの糸巻き部が斜めになっているのも、糸巻き部が真っ直ぐだとドリルを掠めた跡が表面についてしまうから斜めにして逃がしているのでないかと考えます。
ということは同時に、夢屋深溝スプールは純正スプールに比べて側面穴あけの恩恵が少ないことを意味しています。

え、カタログには慣性モーメントが10%減少と書かれているのに側面穴あけでは2.6%しか減少していないだって?
そうです、その通りなのです。
最近のカタログでは、13メタニウム比で10%減少と書いてありましたが、果たしてそれがどの状態で比べての10%減少なのかは13メタニウムのモデルを作成して比べてみるしかわかりません。
ただ、側面に穴をあけると多少なりとも回転性能に影響するのは分かっていただけたと思います。

 

結局、「ラインの重さ」が全てを決める

さて、ここまでが序章です。
前回からここまで数%の減少、増加の話をしてきましたが今度はラインまで含めた状態の慣性モーメントを考えてみたいと思います。

まずは…ナイロンラインのモデルを作成します。
メタニウムMGLの糸巻き量は3号100mです。
ナイロンラインを巻くと仮定してナイロンラインの密度は1.14g/cm3なので3号ラインの直径を0.285mmとすると…
0.0285^2/4×3.14×100×100×1.14=7.2688g
3号100mのナイロンラインの自重は7.27gとなります。
NewMGLスプールいっぱいまで巻いた状態でそれを再現すると…。

こんな感じです。
ちなみに密度がおかしいという突っ込みをしたくなるかもしれませんが、スプールエッジぎりぎりまで巻いた時にライン同士の間にできる隙間を加味して7.268gになるように密度を調節したため、ナイロンラインそのものの密度と乖離してしまっているからです。

そして気になるNewMGLスプールに巻いたナイロンライン3号100mの慣性モーメントは…1479g・mm^2
前回計算したNewMGLスプールの慣性モーメントは712g・mm^2
スプールとラインを合わせるとこうなります。
(ただの足し算です)

2191g・mm^2です。
ここまでくるともうわかりますね。
スプールのレスポンスを重視してスプール軸の素材スプール本体の重量スプール横の横穴あけの数パーセントの違いを気にするぐらいならラインを巻く量をもっとシビアに管理しましょう、という事です。

ただし、糸巻き量を減らしてレスポンスを上げる方法はスプール糸巻き後の径が小さくなる為、リトリーブスピードが落ちたりキャスト時のスプール回転変動が大きくなる為ブレーキの効きが本来の想定と変わってきたりします。
特に遠心ブレーキのリールはいっぱいまで巻いた場合とほんのちょっと巻いた場合でかなりフィーリングが変わります。
メリットばかりではない事を覚えておきましょう。

(KenD注:ちなみにこのわざと少なめにラインを巻く方法、私もよく使っています・・・)

ちなみにフロロカーボンラインの場合は、先ほどの1479に1.56倍した数値がフロロカーボンラインの慣性モーメントです。
おおよそ2300mm/g^2ですね。
スプールとナイロンラインの合計よりもフロロライン単体の慣性モーメントの方が大きいという事になります。

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つまりは、ナイロンラインを巻くとフロロカーボンラインに比べて約1.5倍も慣性モーメントに差が出る=格段にレスポンスが良くなると言う事です。
ナイロンラインが投げやすいのはフロロカーボンラインに比べて固いという理由だけではないという事が数値として目に見える形でわかりましたね。
ずっとフロロカーボンラインを使用していて自分はキャストやサミングがあまり上手くないな~って思っている人はナイロンラインを巻いてみると違う世界が見えるかもしれません。

 

ベイトフィネススプールで本当に大切なこと

そして、糸の慣性モーメントが大きいという事は、糸巻き量が少ないスプールは糸巻き量が多いスプールに比べて格段に投げやすいという事です。
そもそも16メタニウムMGLは13メタニウムに比べて糸巻き量を減らした時点でNewMGLスプール云々に関係なく投げやすくなっているという事ですね(笑)。

糸巻き量が少ないと言えば、前回出てきたレボのスプールにもラインを巻いてみましょう。
カタログには2号ラインが50mと書いてありますので…こうですかね。

合計慣性モーメントは1244g・mm^2(ナイロンライン)。
NewMGLスプール一杯まで巻いた状態に比べてダブルスコアに近い形になっています。
ここまでくると圧倒的な差ですね。

ちなみに、ベイトフィネススプールはスプール外径までいっぱいいっぱい巻くものではありませんのでもっと慣性モーメントは下がります。
流石ベイトフィネススプールですね。
世の中の軽量浅溝スプールは、軽量云々よりも糸巻き量を適量に調節することでレスポンスを稼いで勝負しているという事です。

今日の内容を簡単に一言でまとめますと…
ある一定以上の性能を持ったリールで同じスプール径(これポイントです)であれば、スプール本体やブレーキの重さよりもラインの影響(糸巻き量)の方がはるかに大きいので、細かいことを考えず自分の好きなリールを使いましょう。
・・・ただし、自分の必要以上に糸巻き量が多いリールを使うのはもったいない事である、という事です。

いかがでしたでしょうか、これを言いたいが為に2回にわたって長々と説明させていただきました(笑)。
皆さん、普段リールの事をここまで考える事はほとんどないのではないかと思います。
書いている私も今回初めてここまで深く考えました。
工学の知識があってもそこまできちんと考えた事がなかったんですよね。
そして同時に今まで余計な買い物を沢山していたことにも気が付きました(笑)

皆様には私の様に同じ失敗をして欲しくないので今回このような内容を書かせていただきました。
今回の内容を理解して、皆さんがより自分のリールに愛着がわいたのであれば私もこの文章を書いた甲斐があったというものです。
これで私の第一回の寄稿を終わりたいと思います。

次回があれば、次は3大メーカーのベイトリールの構造の違い、特色等をお話ししたいと思います。

 

ちょっとだけ余談

よくお店で似たスプール径のベイトリールのスプールを指で弾いて、どちらが良く回るか判断しようとする事があるかと思いますが、今回の話を理解するとあまり意味がない行為だというのが分かったと思います。
ブレーキが効いてない状態で弾いても、ベアリング内のグリスの粘度の差やちょっとしたメーカーごとの構造の違いの少しの差が出てくるだけです。
あれはベアリングから異音が出てないか、スプールとフレームが干渉してないか等の異常を確かめる以外の役には立たないことを記しておきます。

さらに言うと同じスプール径の場合、ハイエンド機よりも中級機の方が止まるまで時間がかかる場合が多いです。
それは中級機方がスプール肉厚が厚く、慣性モーメントがハイエンド機より大きい場合が多い為、一度回りだすと止まりにくいからです。
このスプール全然止まらない=すごく回転が良いね、ではありませんのでご注意ください。

(以上、”ふじ”さんからの寄稿でした)

(KenD注:私これ、思いっきりやってました・・・!!)

 

KenD的感想

さて皆様、いかがでしたでしょうか?
軽量ルアーのレスポンスが飛躍的に向上したMGLスプール、私はてっきり側面ブランキングの恩恵だとばかり思っていました。
それが僅か2.6%しか影響していないというのは、はっきり言ってショックでした。

ラインの重量が大切と言うことも一応感じてはいましたが、まさかスプール本体重量より遥かに影響が大きいとは・・・。
0.1g単位でも軽い新製品が発売されると、買い替えの誘惑に駆られていましたが・・・これからはもう少し賢い消費者になれそうです(笑)。

そして12lb-100mというメタニウムMGLのラインキャパシティは、14lbで90m16lbでも80mいずれも75m以上は巻けるという意味で、まさに日本でのバーサタイル・ラインキャパシティという事が出来るのではないかと言う気がします。

というわけで、明確なデータでリールの真実を明らかにする”ふじ”さんの特別寄稿、お楽しみ頂けましたでしょうか?
ご本人さえ良ければ、さらにどんどんディープな記事を寄せて頂きたいと考えておりますので(笑)、皆様ご期待ください♪
(というわけでつまり、強固なステンシャフトの夢屋BFSスプールはやっぱり良い、ってことですね!)

 

※追記:昨日の特別寄稿、予想以上のアクセスを頂きありがたい限りです。
正直、内容があまりにもマニアックなので読んで下さる方が少ないかなと思ったのですが・・・。
ディープストリームの読者の皆様の、アングラーとしての突き抜け具合に感激です!!

 
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関連記事

  1. スプールに巻くラインの重さって、確かに無視できないですね!

    手持ちのリールでも、フロロをナイロンに買えるだけで、体感できるぐらいキャストフィールは変わりますね。

    そう考えると、「軽量で浅溝のスプールでハイギアのリール」というベイトフィネスコンセプトを最初に発表したKTFってすごいなあと改めて思うことでした!

    • いやぁもう、沢村プロは本当に凄いと思います!
      昔はナイロンはフロロよりしなやかだから飛ぶ、という説明が主流だったかと思うのですが・・・。
      たぶん、最初から全てを理解した上で発表した万全のコンセプトだったのだろうなと推察します。

  2. すみません、「買える」じゃなくて「変える」でしたw

    • 加速
    • 2017年 2月 28日

    糸巻き量を適正にコントロールすることについては今江克隆プロによるRevo LTZ解説動画でも触れてましたね。
    LTZのスーパーシャロースプールなら7ポンドではハンドル60回転以上巻かないことを強調されていました。

    • そうですよね、結局ラインの影響の方がスプールの本体より大きいのですから、そこをシビアにしないとどうにもなりませんよね。

    • Aji
    • 2017年 3月 24日

    結局の所、軽量なリグをキャストするには、限りなく軽く浅溝のスプールが有利と言う事になりますよね。
    それと、キャストした物がラインを引っ張り、スプールを回す。と言う大事な所が抜けている気がします…

    • そうですね、軽いルアーがラインを引っ張ってスプールを回すので、初期慣性の低さが重要になるのだと思います(^^♪

    • おっさん
    • 2017年 7月 19日

    つまりカシータスMGLにレボLTと同量の糸を巻けば慣性重量がより小さい最強のベイトフィネススプールが完成するということですね!
    ブレーキが強くなる分はブレーキ調整とSVSインフィニティでどうにでもなると……
    小径ベイトフィネススプールってひょっとして要らないのではないでしょうかねえ……

    なんて言ったら業界人に消されそうw

    • コメントありがとうございます!MGLスプールに少ない糸巻き量のセッティングは、非常に快適だと思います!!
      小径ベイトフィネススプールは要らないのでは・・・と思っていたのですが、16アルデバラン以降のFTBブレーキになったスプールを使ってみたら、これまた全然違うとビックリしました・・・(;^ω^)

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