31Aug
高比重PEに、ロングリーダーを組み合わせる新システム。
少し面倒なセッティングに、果たしてそんなにメリットがあるのか?
圧倒的な使用感の違いがもたらす、アドバンテージをまとめます。
notice : Please select your language and translate by “Google Translator”on the sidebar(or selectbox below).Thank you!
ロングリーダーPEシステムのメリット
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて最近、個人的にハマっている“ロングリーダーPEシステム“。
前回は、その具体的なセッティング方法についてまとめてみました。
しかしそもそも、なぜそんなマイナーなラインシステムに拘っているのか?と疑問に思われる方も少なくないでしょう。
というわけで今回は、ロングリーダーPEのメリットと活かし所についてまとめてみたいと思います。
操作の”ダイレクト感”
ロングリーダーPEの最大の長所だと個人的に感じているのは、「操作の“ダイレクト感”」です。
ご存知の通り、PEラインはモノフィラメントラインに比べてはるかに伸びにくい性質を持っています。
これは様々なメリットをもたらしますが、操作時のロッドアクションがダイレクトにリグに伝わりやすい点は見逃せません。
青木大介プロも著書で「ルアーは強く動かせ」と説いていますが・・・。
ラインの伸びの影響はアングラーの予想以上に大きく、ロッドアクションはイメージするほど水中のルアーに伝わっていないと言われます。
ですからフットボールジグなどには、ティップの硬い“棒ロッド”と伸びの少ない“ハードタイプのフロロ”を愛用するアングラーが多いように思います。
しかしディスタンスが遠くなればなるほど、いくらロッドを硬くしてもカバーできない位ラインの伸びは大きくなります。
ハードなフロロに替える事でも対策出来ますが、それでもPEと比べれば伸びの多さは段違い・・・。
琵琶湖のようにフルキャストした先でリグを操作する場合などは、圧倒的なダイレクト感の違いが出ると思うのです。
一般的なフロロでは100動かしても40しか伝わらなくても、ロングリーダーPEなら80は動くと言ったイメージ。
すると「ピーキー過ぎてルアーが動き過ぎてしまうのでは?」と心配されるかもしれません。
しかし実際には全く逆で、小さいロッドワークで瞬発的にカバーをクリアできると感じています。
これによってロッドを大きく煽る事無くウィードやロック、ブッシュをかわせるため、かえってルアーの移動距離を抑えられると思うのです。
そしてルアーを引いてきて、距離が近くなっても伸びによるフィーリングの変化が少ないのも大きな特徴。
このラインシステムを使えば、ロッドを1ランク柔らかく、良く曲がるものにする事も可能だと思います。
選択できるロッドの幅も増えますので、バラシにくさなどの点でアドバンテージを得ることも出来るのではないでしょうか。
そしてこのラインが伸びにくいという特徴は、以前も書きましたが
・フッキングパワーの伝わりやすさ
・感度
という2点でも圧倒的にモノフィラを凌駕します。
高比重PEではラインがルアーまで直線的に入りやすいため、その意味でもパワーロスが断然少ないと考えられるからです。
これは特に「遠くて深い」、フッキングパワーの伝わりにくい状況で明らかな違いが出るように思います。
濃いウィード内に入れ込むパンチショットゲームなどでも、ラインの屈折に負けにくい見事なフッキング・レスポンス。
刺さりにくいストレートフックを合わせても、ガッチリとバーブまで貫通させやすいと感じたのです。
そして伸びないという事はもちろん、感度の向上にも繋がります。
特にディスタンスが遠くなればなるほど、その違いはもはや比べものにならない程大きいと言って良いでしょう。
正直言ってロッドの感度うんぬんより、ラインの伸びの方が遥かに明確な違いをもたらすと感じました。
(ただしそれはあくまで”ラインを張った状態”での話ですが・・・)
キャスタビリティの向上
それから次に使って明らかに分かる違いは、キャスタビリティの向上ではないでしょうか。
特に太糸のフロロを合わせる場合、軽めのリグが投げ辛くなるかと思います。
これはライン重量が重い上、コイル状の巻き癖がついて抵抗が大きくなるためと考えられます。
しかしオードラゴンの場合、重いとはいえフロロよりは軽くしなやかなため、スプールの回転レスポンスがだいぶ向上すると感じます。
これはノーシンカーやライトテキサス等軽いリグを投げる際に、大きな違いとなって現れる気がします。
特にピッチングでアプローチする場合は、スプールの総重量が極めて大切・・・。
低弾道のキャストを決めたい時には、かなり有利になると言えるのではないでしょうか。
速やかなフォール
そしてもう1つ小さくないメリットだと感じたのは、「ルアーを引っ張りにくい」という事でした。
特に太糸のフロロカーボンラインを使うと明らかなのですが、巻き癖がついてコイル状になりやすいと思います。
この巻き癖が厄介者で、伸ばしてもクルクルの状態に戻ろうとする力が働くことから、その分ルアーを手前に引っ張ってしまうというわけです。
(特に16lb以上の硬めのフロロで、バックスライド系ノーシンカーなんか使った日には明らかかと。。。)
しかしPEラインであれば、巻き癖はほぼ無いと言っても過言ではないでしょう。
これによって無駄にリグを手前に引っ張る事無く、真っ直ぐ速やかなフォールが期待できます。
パンチショットをウィードに入れ込む際も、余計な抵抗が無くなってスムーズにリグが入ると感じました。
(ちなみにしなやかなフロロを選ぶと、今度は伸びが大きくなってしまうというジレンマがあります)
またバックスライドをフォールさせるような時も、巻き癖によってリグを引っ張る力が弱いので綺麗にスライドしてくれる気がします。
比重の軽いPEだと、ラインが浮いて角度が付いてしまうのでスライド幅が狭くなるのでは?という意見もありますが・・・。
フロロリーダー前提のこのシステムなら、その意味でもスライドさせやすいように感じています。
そしておまけとして、フォール中のラインが非常に見やすいと言うことも見逃せないメリットのように思います。
実は長持ち
それから忘れずに挙げておきたいのは、劣化しにくいという”耐久性“での利点。
“世界のT.O”こと大森プロなどは、ブレイデッドラインのメリットとしてまず「巻き替えが少なくて済む」点を強調していたくらいです。
もちろん次第にケバ立ってきたりはしますが、モノフィラのような日光や吸水による劣化はほとんど無いと言っても良いのではないでしょうか。
ただしオードラゴンのように”混ぜ物”の入っているPEラインは、比重を上げるために混入したフッ素繊維(?)等が劣化するという話もありますが・・・。
いずれにせよフロロやナイロンと比べれば、かなり劣化は遅いと考えて良いでしょう。
このラインは単価も安く、結果としてラインにかかるトータルのコストはフロロよりも低くなるのではと考えています。
(150m巻きなのも使いやすいという印象です。75m×2回でも50m×3回でも使えますからね。。。)
それに加えて、リーダー部分のみを取り換えられるのでいつも新品リーダーで臨む事が可能です。
これならフロロリミテッドなどの高級フロロも、そこまで財布を傷めず毎回交換可能。
新品が前提なら、いつもより1番手細いラインを検討する事も可能になるのではないでしょうか。
(現場でパパッとリーダーの太さを変えられるのもメリットかと。。。)
スプールが痩せにくい
それからロングキャスト時に大きな影響が出るのが、「スプールの痩せにくさ」だと思います。
基本的にフロロよりも細番手を使う事が出来ますので、キャスト時にスプールに巻いたラインの外径の減少が少なくて済みます。
これによってキャスト直後の巻き始め時でも、ハンドル一回転当たりの巻取りスピードが下がりにくいのです。
ですからロングキャストした先で早巻きするような状況では、あたかもギヤ比が上がったかのような効果が・・・。
ボイル撃ちなどのシチュエーションでは、特に威力を発揮するのではないでしょうか。
未知のディープへのアプローチ
最後に細糸PEには、ルアーを「より深く潜らせる」というメリットが存在すると考えています。
PEラインは浮力が高いから、潜行深度が浅くなってしまうのでは?と思われるかもしれません。
しかしそれは比重の低い普通のPEで、しかもラインの太さが同じだと仮定した場合の話。
比重1.4のオードラゴンの細番手を使えば、むしろフロロよりもレンジを稼げる場合もある様に感じるのです。
具体的に言えば、オードラゴンの1.5号でフルキャストすればショットオーバー7で8m+αを叩けると思います。
もちろんロッドやキャスト距離にもよるわけですが、ニーリング無しでこの深度は驚異的と言って良いでしょう。
1.5号は扱いに難があるのも正直なところですが、ディープのマグナムクランカーなら見逃せない荒技ではないかと思います。
もちろんこれはディープクランクのみならず、スピナーベイトやスイムジグ、スピンテールと言った沈下系ルアーをリトリーブする場合にも言えます。
一段下のレンジを引ける事は、時として大きなアドバンテージに繋がり得るのではないでしょうか。
喰わず嫌いせず、一度お試しを!
というわけで、さまざまなメリット満載のロングリーダーPEシステム。
モノフィラに比べ、使用感が圧倒的に違う事はすぐに体感して頂けると思います。
ぜひ興味を持たれた方は、喰わず嫌いせず一度お試し頂ければ幸いです。
(このシステムがもっと一般化する事で、高比重PEにもっと進歩して欲しいのです!)
個人的にはかなり万能と言うか、意外なほどバーサタイルにどこでも使えると感じていますが・・・。
正直さほどメリットが無い場合や、かえって良くない事も確かにあると考えています。
というわけで次回は、このセッティングのデメリットについても書いてみたいと思います。
※ぜひFacebookページへのいいね!& twitter・Instagramのフォローをよろしくお願いします。
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
初めてコメントさせて頂きます。
いつもバスからソルトまで楽しく勉強になりつつ読ませて頂いています。
同じ地元フィールドで、バスからオフショアまで何でもアリの釣りをしているので、PEもフロロも使い色々試しているのですが、今回の記事の様にベイトタックルにロングリーダーを組んだ場合、ノット部分をベイトリールに巻き込むと思います。
FGノットなど抵抗の少ないノットで組むとしても、レベルワインドやガイド径など、スピニングタックルに比べて干渉が大きいと思うのですが、使用的に問題は無いですか?
個人的にPEのメリットは大好きなのですが、エクスセンスを使ったとしてもショートリーダーしか無いのかなぁ?と思って、購入に踏み切れずにいました。
長々とすみません。
いつもご覧頂きありがとうございます!
エクスセンスなど最近のシマノリールはレベルワインドがメガホン型になっているため、実釣での引っ掛かりを感じた事はありません。
ただ、ダイワのTWS等の狭いレベルワインドでは引っ掛かりが生じる事がありますのでご注意頂ければと思います!
この記事シリーズ見てきて思ったのが同じリグをライン以外を
同じロッドとリールで使うならフロロよりもPEの方が細くなることで
水中での抵抗が減るからよりダイレクトになる事に全く触れていない
PE2号2.5号の釣りならフロロだと16lb~20lbを使うと思われるので
かなり太さが違いますよね
リーダーに20lbクラスのリーダーを使ったとしてもメインラインが
細くなる事のメリットは大きいと思います
コメントありがとうございます、確かに書き忘れておりました!
特に深くなればなるほど、細糸のメリットは際立ってきますよね(^^♪
ノット部がスプールにある時はサミングめちゃくちゃ痛そうですね。ノーサミングのためのエクスセンスですかね??すごい完成されてるメリットだと思います!地元の釣り的には足元がメインなのでカラー付きフロロがベストだと思ってるので実践には組み込めないですが…
実際にはすぐにノットが出ていってしまうので、正直サミング時の痛さはさほど気になっておりません(^^♪
ただしディープもしくはロングディスタンスでもっとも生きるセッティングだと思いますので、足元メインですとメリットが少ないでしょうね!