10Dec
小森選手の完勝で幕を閉じた、2018オールスターの激戦。
しかしその内幕は、胸アツのドラマでいっぱいだった!?
アングラーの志が作り上げた、祭典のリアルをプレイバックします。。。
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いざ、オールスターの内幕へ!
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて皆さん、もう今月号(2019年1月号)のBasser誌はご覧になられましたか?
今年も盛大な盛り上がりを見せた、バサーオールスタークラシックの特集が組まれています。
私自身は今年のオールスターに、初めてプレスアングラーとして参加いたしました。
あの大舞台で繰り広げられる真剣勝負を、同船というゼロ距離で見られる貴重な機会・・・。
以前からチャンスがあればぜひ、その現場に立ち会いたいと思っていたのでした。
そしてついに今年念願叶い、菊元俊文選手に同船する機会を得ました。
詳しくは誌面を参照して頂きたいのですが、プロの本気の釣りを見るのは色々な意味で勉強になりました。
同時に霞ヶ浦水系という広大なトーナメントウォーターの、高いゲーム性をヒシヒシと感じさせられた次第です。
(めちゃくちゃ自分でも釣り込んでみたくなっちゃいました・・・!)
小野選手の釣りは”生き様”そのものだった?
さて、結果としては小森嗣彦選手の完勝で幕を閉じた今年のバサクラではありますが・・・。
個人的に非常に印象深かったのが、3位の小野俊郎選手の活躍。
あえて霞ヶ浦本湖というハイリスクな戦略を採る事で、“勝てる釣り“にコミットし続ける執念を感じました。
abema TVのライブをご覧になった方はご存知でしょうが、優勝だけを目指すストイックな姿勢が、随所で名言となって溢れて出ていたように思います。
「制限時間の中で何かを判断するという事は、時間を賭けて自分が望む未来を選択するということ。
寿命の中で何をするかが人生で、競技時間の中でいかに釣るかがトーナメント。
だから選択肢が多いビッグレイクほど俺は面白いと感じるし、燃えるんだ」
(写真・台詞ともBasser2019年1月号より。これカッコ良過ぎでしょう・・・!)
限られたトーナメント・タイムの中で勝利だけを狙うために、魚の濃いエリアで「とりあえずキーパーを揃える」といった選択肢をざっくり切り捨てた小野選手。
浚渫跡をメインとしたブレないビッグフィッシュ戦略で、キロフィッシュを一本、また一本と追加していく展開には見ていてドキドキさせられました。
結果として最終日は大型2本のみでリミットメイク出来なかったわけですが、もしも”あと一本“が出ていれば逆転勝利に最も近い位置にいたのではないでしょうか。
ちなみに初日大活躍した“チャブル“ですが、これは掛け値なしにクランキンミノーの新名作ではないかと思っています。
詳しくはまたあらためて書きたいのですが、X-80やビーフリーズといった「巻きミノー」が好きな方ならきっとハマるのではないでしょうか。
加えてバスフィッシングはもちろん、シーバスゲームでも非常に活躍するルアーではないかと思います。
それから2日目にキロアップをキャッチした“ナカタジグ“もまた、数あるジャッカルルアーの中でも特に素晴らしい作品だと思います。
これはチラっと前に触れましたが、ディープ・スイミングでの水平姿勢は明らかに他のフットボールと一線を画すると感じています。
琵琶湖で使うにはフックが細い気がするのが残念でならないのですが、これも機会があれば記事にしてみたいルアーです。
小森選手の凄味は2日目にある
次に少し触れておきたいのが、本大会で完全勝利を果たした小森嗣彦選手の釣りについて。
今回は初日に叩き出した、3尾/4505gという破壊的なビッグウェイトの印象が強いかと思いますが・・・。
個人的に小森選手の凄味を感じたのは、むしろキッチリと3140gを持ち帰った2日目の戦いの方でした。
釣りというのはどこまで行っても絶対に「運」の要素がつきものですが、誤解を恐れずに言うならば、初日の小森選手のウェイトには少なからずラッキーが含まれていたと思います。
これは小森選手の運が良かっただけという意味では決してないのですが、4505gというのはトッププロをもってしても狙って出せる限界値を超えた規格外のメガ・ウェイトと言えるのではないでしょうか。
その意味で初日のスコアには、実力のみならず時の運が味方していたのだと思うのです。
ところでこの初日の大量リードを目の当たりにして、「勝負はすでに決まった」と思ったアングラーは少なくなかったことでしょう。
何を隠そう私自身もその一人でして、この水系のしかも3尾リミットで、800g近くという大差はセイフティー・リードと考えても不自然ではないと思います。
「4kgを釣って他の選手に絶望感を与える」という小森選手の目論見は、ボディブローのようにライバルのメンタルを蝕んだに違いありません。
しかし驚くことに、フタを開けてみれば優勝争いは僅差のデッド・ヒートへともつれ込んだのでした。
2日目4335gのスーパーウェイトを持ち込んだ沖田護選手が、小森選手まであ195gという僅差まで肉迫!
大量リードから一転、まさかの逆転負けの悪夢に背筋を凍らせることになったわけです。
けれども結果として辛うじて沖田選手を振り切れたのは、小森選手の2日目3140gというウェイトあってこそでした。
初日、2日目ともに4kオーバーというトップウェイトが出たので地味に見えてしまいますが、実はこのスコアは単日2位に当たります。
しかもタフさを増す状況の中で、怒涛の入れ替えを繰り返しての唯一の3kg台は十分過ぎるハイウェイトと言えるでしょう。
決して初日のミラクルスコアにあぐらをかかず、きっちりと設定した目標ウェイトを持って帰る。
その全く危なげない盤石の試合運びに、“TOP50最多チャンプ“の凄味を見せつけられた思いでした。
唯一人、”狙って4kgを獲った”帝王
そして最後にどうしても触れておきたいのが、“利根川の帝王”こと沖田護選手の活躍です。
初日9位のためLIVEにも映らず、ある意味ダークホース的な存在だったことと思いますが・・・。
上でも触れたように2日目4335gのスーパーウェイトを持ち込んで、あわや大逆転のドラマを演出した「もう一人の主役」だったと言っても過言ではないでしょう。
そしてそのパターンがまた、利根川最上流でのフロッグゲームというのですからもう胸アツです。
これはぜひBasserの誌面で、記事を隅から隅まで読み尽くす事をお勧めいたしますが・・・。
トーナメントでも状況をきっちりと読み切れば、こうしたストロングな釣りがビッグパターンとして機能することが見事に証明されたかと思います。
(ワームのフォローでフロッグが効くとか、なかなか辿り着けないかと・・・)
しかし帝王の本当の凄さは、トップで釣るといった使用ルアーにあるのではないように感じます。
個人的な考えでは、たぶん沖田選手は「唯一狙って4kgオーバーを獲った選手」だったのではないかと思うのです。
確かにこれは小森選手の4505gには及びませんが、たぶん、小森選手は試合前から初日の目標ウェイトをここに置いていたとはちょっと考えにくい気がします。
試合中は自らを鼓舞する意図もあって(?)「1500g×3尾で4500g!」といったコメントにもつながったのでしょうが、優勝ラインを6500~7000g前後と読んでいたという話から逆算すれば、初日の現実的な目標ウェイトは3kg後半に設定していたのではないでしょうか。
そしてこの初日4505gの衝撃を受けて、ライバルは否応なしに2日目4kg台を目指さざるを得ない状況に追い込まれたわけですが・・・。
自分の引き出しの中に、狙って4kg台が出せるパターンを持っていた選手はほとんどいなかったのではないでしょうか。
しかし利根川上流域というポイント、そしてフロッグをメインとしたトップウォーターパターンに強いコンフィデンスを持って臨んだ沖田選手には、4kgが獲れるイメージが出来上がっていたのではないかと思うのです。
もちろんそれが、ギリギリの綱渡りのようなハイリスク・ハイリターン戦略だったとしても。。。
(そうでなければ、その釣りを迷いなく貫徹できないように思えます・・・)
皆の”志”が作るオールスター
というわけで今年も見どころ満載の、激しい戦いが繰り広げられた2018オールスタークラシック。
最後に舞台の内側から見た感想を付け加えておきますと、この一大イベントはバスフィッシング、そしてバストーナメントを愛する方々の“志“で出来上がっているのだという事を強く実感しました。
まず大会に出場する選手の立場として、経済的にはかなりの持ち出しがあると思われます。
優勝者のみ賞金が用意されているそうですが、それもプラクティス等の経費に充当する程度とのこと。
ですからほとんどの参加者にとっては、サポートメーカーから資金が出ない限りは赤字になる事でしょう。
また大勢の大会運営スタッフやプレスアングラーも、大勢の方がボランティアで参加されていることを知りました。
未明の早朝から激しい雨に打たれながら、交通費や宿泊費を持ち出して手弁当で馳せ参じた多くのアングラーたち。
彼らを突き動かしているのは、ただひたすらにバスフィッシングを愛する熱い想いひとつなのではないでしょうか。
そんな幾多の志の結晶がバサクラなのだと知り、このイベントがこれほど盛り上がりを見せている理由が分かったような気がしました。
今年もパブリックビューイングや、上位選手への同船LIVE実現など様々な点で進歩を見せたオールスタークラシック。
日本バスフィッシング界の祭典として、さらなる発展を遂げる事を祈念しています。
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コメント
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2018年 12月 31日
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2019年 4月 10日
BASSER買わなきゃ!と思わざるを得ない!
ところで、選手はメーカーサポート有りでしょうから(と言っても、今年の小林明人選手はほぼサポート無しだったでしょうが…)
良いとして、かなりの部分で様々な方が身銭をきって参加している。という状況は、プロスポーツとしてはまだまだ未成熟と言わざるを得ないでしょう。
ここまでバサクラが継続出来たのは素晴らしい事だとは思いますが、あえて言わせて頂くと、皆んなが「儲かる」ようでなくてはならないと感じます。
長文失礼いたしました。
非常に鋭いご意見ありがとうございました。
これは確かに本当に重要なポイントだと思うのですが、皆のボランティア精神に頼っているという現状には危うさも感じます。
その意味でバサクラはやはり「お祭り」であり、プロトーナメントでは無いのだなと…。
ですからやはりオールスターとは別に、しっかりとしたプロトーナメントの必要性を感じる次第です。