7May
バスフィッシングの一大基本、テキサスリグ。
対カバー用のイメージに反し、宮崎選手はペグ止めしない!?
“スリップシンカー“という本質を、イチから考え直します。
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テキサスの本質は”スリップシンカー”にあり
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
皆さまから多くの期待の声を寄せて頂いております、宮崎友輔の“バス釣りレッスン101”。
宣伝・CM一切関係ナシ、現役エリートプロのテクニックをリアルに解説する新シリーズを始めていきたいと思います。
記念すべき第一回は、まさにバスフィッシングの初歩の初歩と言える「テキサスリグ」について。
全てのワームフィッシングの基本となるテキサスですが、正直言って個人的には出番がめっきり減っていました。
最近はウィード等の貫通力が高く、垂直に落下するパンチショット系のリグ(直リグ、リーダーレスダウンショット)の使用頻度が激増。
もはやテキサス要らなくない?くらいに思っていた私に、宮崎選手の一言がズシリと響きました。
「あのさぁ、“シンカーとワームが離れる“って事がどれだけ大事か分かってる???」
宮崎選手曰く、“スリップシンカー(=中通しオモリが遊動する)”はテキサスリグの最も重要な本質の一つであるとの事。
そしてこの利点を最大化するために、どうしても必要な時以外は基本的にペグ止めしないと言うのです。
帰国した際に日本のアングラーの釣りを見ると、シンカーストッパーを多用し過ぎではないかと感じる事が多いのだそうです。
2019年、唯一の日本人エリートプロとなった宮崎友輔選手から、ジャパニーズバサーへの質問が届きました。
皆さま、よろしければ回答頂けますと幸いです<(_ _)>[宮崎選手からの質問]
皆さんは、テキサスリグを使う時にシンカーストッパー(ペグ、ウキ止めゴム等)を使いますか?— DeeeP STREAM (@ken_d_s) 2019年5月3日
(アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました!)
フリーフォールによる”誘い”
それではワームとシンカーが離れる事には、一体どんな利点があるのでしょうか?
最も分かりやすいメリットは、シンカーが着底した後に「ワームだけがフリーフォール」する点。
フワっと漂うような動きに反応するバスが多いのはご存知の通りですが、こうしたノーシンカー的なアクションを出せるのがテキサスの強みというわけです。
それもノーシンカーでは不可能なスピーディなテンポで、カバーの中に入れることも自由自在。
とはいえシンカーを重くしないと濃いカバーに入らない・・・と思われるかもしれませんが、
「シンカーがフリーなら、むしろ重い方がワームから離れてフリーフォールの時間が長くなる」
との事で、“重くてもフィネス“なアプローチが出来るというのは個人的に目からウロコでした・・・。
スリップシンカーの”吸い込み”
それから遊動式のメリットは、「吸い込みの良さ」にも顕著にあらわれるそうです。
バスを始めとした多くの魚は、捕食時に周囲の水と一緒に餌を吸い込んで食べる事が知られていますが・・・。
そのバイト方法を考えれば、ルアーが重ければ重いほどミスバイトしやすいと言う事が出来ると思います。
ですから逆に言えば、ラインスラックをダルダルにしたノーシンカー状態が最も食い込ませやすいと言えるでしょう。
(余談ですが、”Bigmouth forever”は必見かと・・・)
つまりフリーテキサスであれば、たとえシンカーが重くてもワームだけが分離して吸い込まれることに。
特にプレッシャーが蓄積した時や、スポーニング前後など気難しいタイミングでは大きな差が出るとの事です。
これは結構多くのアングラーが軽視してしまっているポイントだそうですが、ショートバイトが多発する際は、竿の柔らかさをうんぬんする前に「リグが軽やかに吸われているか?」を考えるべきというのは私としても大いに反省が必要でした。
(ソリッドティップどうこうとかすぐに考えたくなってしまうのですが・・・汗)
ちなみにウキ止めゴムを使用して、シンカーストッパーをワームから少し離しておく方法では駄目なのか?と思う方も少なくないでしょう。
しかし着底時はシンカーがストッパーの部分まですでに動いてしまっているので、それ以上の「滑りシロ」が残されていないことになります。
もちろん完全に止めてしまうよりは吸い込まれやすいでしょうが、やはりこの点ではストッパー無しのフリーテキサスに軍配が上がると言えるでしょう。
喰った時だけワームが”掛かる”
さらにスリップシンカーの利点は、“掛かりの良さ”にもあると宮崎選手は断言します。
ウィードレスにセットしたワームというのは、フックから頭がズレることで初めて針先が露出してフッキングに持ち込むことが出来ます。
ですからシンカーがワームに密着していると頭部が保護されるためずれにくく、スッポ抜けが多発することになってしまうのです。
(先行するシンカーが、バスの口をこじ開ける感じになってしまう)
けれどもこれはテキサスのメリットでもあり、ワームがズレにくいのでカバーのスリ抜けが抜群。
あらゆるリグの中でも最も根掛かりの少ないリグと言え、ヘビーカバー攻略ではテキサスの独壇場と言っても過言ではないでしょう。
しかし障害物に引っ掛かりにくいという事は、同時にバイト時に魚にも掛かりにくいというジレンマを抱える事になります。
ところがペグなしのフリーテキサスであれば、バイト時はシンカーから分離してワーム単体で吸い込まれます。
つまりカバーをクリアするときはシンカーに守られ、喰われる時は最もフッキングしやすいシンカーフリー状態になる・・・。
一連の話を伺って、あらためてテキサスリグを考え出した人は天才だなと感銘を受けた次第です。
シンカーが離れるほど”バレにくい”
そして最後に、掛けた後に“バレにくい“のも重要なポイントだとの事。
ファイト時に重いシンカーがくっ付いていると、それが振り子のように働いてフックアウトしやすくなってしまいます。
フットボールジグなどがバレやすい原因が、まさにこれだと言えるでしょう。
しかしテキサスであれば、ファイト時はワームからシンカーが大きく離れます。
ここで重要なのは、「シンカーが遠くまで離れれば離れるほど、フックが外れにくくなる」という点。
ゴム式のストッパーでもシンカーが少し離れますが、より遠くまで分離するフリーテキサスが有利なのは間違いない事でしょう。
どうしても必要な時以外、基本的にペグは無し!
というわけでスリップシンカーが自由に遊動する事で、「誘って」「食い込ませて」、「掛けて」、「バレにくい」フリー・テキサスリグ。
その絶大なメリットをよく理解しないまま、中途半端にストッパーを付けていた私としてはもう大反省です(汗)。
ただし宮崎選手もいつでも100%ペグなしというわけではなく、次のような状況では必要に応じてペグ止めするとの事でした。
・ヘビーシンカーによるマットカバーのパンチング
(ペグ止めしないとカバーを貫通出来ない)
・濃いブッシュカバー
(ペグ止めしないと途中で引っ掛かってワームが落ちない)
・水深のあるレイダウン
(ペグ止めしないとワームが落ちるまで時間が掛かり過ぎる)
そして上記の場合はほとんど、ピッタリとシンカーを固定して使用しているそうです。
その上でどうしてもフッキングが気になる場合のみ、3~5cmほどストッパーを離してセットするとの事。
いずれにせよ、4ft(1.2m)以下の水深ならほぼ100%ペグ止めしない(パンチングは除く)のが宮崎流!だそうです。
というわけで第1回、「スリップシンカー」という本質が実現するテキサスリグのメリットのお話、いかがでしたでしょうか。
全部フツーというか当たり前だし・・・と思われた方は、しっかりとバスフィッシングの基本が出来ていると言えるでしょう。
逆に読んでいて冷や汗をかきまくったというKenDのような方は(苦笑)、第2回「“回収力”の本当の意味」もぜひご覧いただけると幸いです。
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コメント
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2019年 5月 17日
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2019年 9月 12日
いつも楽しく読まさせて頂いてます。私がバス釣りを始めた頃は(約30年前)テキサスリグと言えばフリーが当たり前でした。いつのまにやら、シンカーストッパーなるものが出てきて今ではそっちが当たり前になってますね。昔もシンカーストッパーの代わりに、爪楊枝をシンカーに刺してストッパーの代わりにしてはいましたがカバーの濃いとこ等限定で使ってましたね。まぁ、バス釣りはその時釣れたリグが正解だと思うので、その正解をさがしてパターンにはまった時が楽しいんですけどねぇ。
いつもありがとうございます!
そうした道具の進歩は大切なことだと思うのですが、アンタレスさんのように「元々の基本」を理解していないと振り回されてしまいかねませんよね!
結局は釣れたリグが正解、答えは魚だけが知っているというわけですね(^^♪
こんにちは。
GWどーでしたでしょうか?道路は混み混み。釣り場も混み混み。
お金の無いGWは苦痛でしたw
自分もオープンエリアや軽いストラクチャーではテキサスにはペグ止めしません。言われている様にシンカーとの距離が近すぎて動きが死ぬからです。フリーフォールもなくなりますし、バスが口に入れたときの違和感もありますしね。
ウィードの上にチョコンと乗せて放置とかできなくなりますもんね。
そー考えるとキャロでいいじゃないか?wってなっちゃいますがw
ただ、障害物の多いエリアとかフリッピングではシンカー止めます。
カチカチに止めてしまうとビーズの音無くなっちゃうんで、1cm位はあけてますけど。
人それぞれなのでしょうが、自分はそんな感じです。
どのリグでもそーでしょうが、突き詰めると小さな事で差が出てきますねー。
いつもありがとうございます!
GWはたまった仕事を片付けておりました(苦笑)。
ご指摘の通り、テキサスはある意味でキャロも兼ねる効果がありますよね(^^♪
小さな差が大きな違いにつながるのは、釣りの奥深さですね!