27Oct
秋に不可欠なシングルフック系巻き物、スピナベ・チャター・スイムジグ。
バイトを弾かないだけでなく、フッキングパワーのあるロッドが必要・・・。
多くの矛盾を解決する、“第3のグラスコンポジット“を紹介します。
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スピナベロッドに潜む矛盾
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
秋の巻き物シーズン真っ盛りということで、活躍するのがスピナーベイトやチャターベイト。
クランク等のプラグ系には無いスナッグレス性で、特にカバー周りでは重要なポジションを占めると思います。
さてそんなシングルフック系巻き物用のロッド選びですが、これが実はなかなか悩ましいように感じています。
クランクだと良く曲がるパラボリックなグラスロッドが好きな私ですが、この手のルアーにはフッキングパワーが不足してしまいます。
つまりスピナベロッドには太軸フックを貫通させられるパワーを持ちながらも、バイトを弾きにくい柔軟性を両立させるという矛盾した性能が求められると思うのです。
という訳で今回は色々悩み続けてきたスピナベ用ロッドの遍歴と、ついに見つけた究極の一本について書いてみたいと思います。
ファストテーパーとストップ感
さて数年前にスピナーベイト&スイムジグ用ロッドとして気に入っていたのが、ワイルドサイドのWSC72MHでした。
これはテキサス等にも使いやすい一般的なカーボンロッドで、フッキングパワーも十分。
それでいて最低限の柔軟性も持ち合わせた、まさに「これ一本で何でもこなせる」バーサタイル・ロッドだと思います。
個人的にはワイルドサイドシリーズを代表する名竿だと思いますし、琵琶湖に一本だけ持っていくなら今でもこれを選ぶでしょう。
しかし“チャターベイト”の登場により、このロッドに少しだけ不満を抱くようになってきました。
それは速めにリトリーブした時に、ショートバイトを弾きやすいと感じたからです。
(逆に言えば、スイムジグやスピナーベイトをスローリトリーブするには最適でした)
(非常に良く曲がる竿で、パンチショット等にも使いやすいと思いますが。。。)
そこでショートバイト対策として、グラスコンポジットロッドを試してみようと考えつきました。
しかしゾディアス170M-Gのようにパラボリックなグラスロッドでは、上述したようにフッキングが決まりません。
ですからファストテーパーなコンポジットを探して行きついたのが、ブラックレーベルFM 701MHFBという一本でした。
これはあの大森貴洋選手が以前使っていた番手で、2ozクラスまでいけるぜ!というタフな巻き物用バーサタイルロッド。
その懐の広さはハンパではなく、しなやかでバイトを弾かない上に超絶パワフルという凄い竿でした。
正直クランク等のプラグ系にはもう少しパラボリックな方が好みですが、ワイヤーベイト系には確かにマッチすると思ったのです。
しばらくはこれで満足していたのですが、しかし次第に大味さが気になるようになってきました。
パワー設定が物凄く強いので、ミニブロスやハイピッチャー3/8ozのようなコンパクト・スピナベだとあまりにも引き感が“ノー感じ“になってしまうのです。
巻き物用ロッドにあまり感度を求めない私ではありますが、やはり多少なりともブレードの振動は感じたいところ。
ウィードなどカバーへのタッチ感や、きちんとブレードが回っているかが分かるか否かはレンジコントロールに大きな影響を及ぼすと思うからです。
(その意味では、ロングキャストした時の感度はロングリーダーPEが有利かと。。。)
第3のコンポジット
そんなわけで理想のロッドを探しあぐねていたある日、知人から良さそうなロッドを教えてもらいました。
それが巻き物用ポイズンシリーズの最高峰、グロリアスXC”170M-G”というグラスコンポジットロッドだったのです。
このグロリアス170M-Gはコンポジットと言っても、実は非常に珍しい製法で作られています。
ここでちょっとだけグラスコンポジットの種類について復習してみますと、まず一つ目は「ほぼグラス」の”本格派コンポジット“。
基本的にはフルグラスのブランクに、バットのカーボン補強などを加えたタイプがこれに当たります。
(ゾディアス170M-Gなどがそうで、これは本当に名作クランキングロッドかと・・・)
二つ目は「ほとんどカーボン」の”なんちゃってコンポジット“で、基本的にはカーボンのブランクにちょっとだけグラスが混ぜてあるタイプになります。
使い勝手もほぼ低弾性カーボンで、グラスなのにこんなに軽い!とか宣伝してあるのは大体これ。
なんちゃってコンポジットなんて呼んでいますが(笑)決して悪い竿という訳ではなく、硬さとしなやかさが両立した非常に使いやすいロッドだと思います。
しかしグロリアスXC”170M-G”はどちらとも違い、「グラスティップ」という製法が採用された第三のコンポジットだそうです。
このタイプの先駆者と言えば、先代のグロリアスで話題をさらった名竿“C7”があまりにも有名。
しなやかなグラスティップでバイトを絡め獲りつつも、パリッとした高反発なカーボンのベリー~バットでしっかりと掛ける。
しかも感度はバツグンという、まさに究極のグラスコンポジットと言えるでしょう。
(ただしXC170M-Gのティップは完全にフルグラスではなく、意外と張りがあります)
※ちなみにコンポジットの種類については、下記の記事↓も参考になります。
けれどもクランキングロッドとしては、私は正直ゾディアス170M-Gの方が良いなと感じました。
クランクみたいにアクションの大きいルアーならフルグラスでも振動が感じ取れますし、トレブルフックだとさほどフッキングパワーも要らない気がするからです。
それよりはブランク全体でしなやかにファイトを受け止めてくれる”本格派コンポジット”の方が、バラシにくいという意味でメリットが大きいのではないでしょうか。
ですからこんなことを言うと怒られてしまいそうですが、私ならたとえ同じ値段でもゾディアスを選ぶと思います。
ですから実を言うと、最初はグロリアスXC”170M-G”についても懐疑的な印象を持っていました。
しかしスピナーベイト等のシングルフック系巻き物に使ってみると、これがもう滅茶苦茶素晴らしい!
私が求めていたノリの良さ・フッキングパワー・そして感度の全てが高次元で一本にまとめられていました。
しかもどういうわけか異常に軽く、7ftなのにまるで66感覚で使えてしまうというオマケつきだったのです。
(ウリの“カーボンモノコックグリップ”の効果もあるのでしょうか?)
具体的に言うとしなやかなグラスティップは、3/8ozクラスの軽量スピナーベイトもカバーできる適度なティップ感。
チャターベイトを早巻きしても、しっかりとバイトを絡め獲れる柔軟性を備えていると思います。
それでいてストップ感のある高反発なカーボンベリー~バットの影響か、M表記にも関わらずフッキングパワーはMHクラスな感じです。
遠投したスイムジグのフッキングも決められるのには本当に感心しましたし、いざ掛けると意外に良く曲がって、軽いのにトルクフルという理解不能なブランクでした(笑)。
ちなみにカタログ上はレギュラーテーパー表記ですが、リトリーブ時はファストテーパー、曲げこむとレギュラーに近くなっていく印象です。
(©SHIMANO 何やら色々複雑な先端技術が採用されているようで・・・もはや理解を超えていますw)
唯一の弱点は値段がめちゃくちゃ高い事ですが、他では決して代用できないスペシャルな一本だと思いました。
基本的にはゾディアスとかフルレンジあたりの価格帯で揃えたい私ですが(苦笑)、旧グロリアス1611H+同様に高くても必要と感じた次第。
なかなか勇気の要る価格だと思いますが、スピナベ・チャター用ロッド難民の方にはぜひ試してみて頂きたいロッドです。
最後に簡単な実釣動画ものせておきますので、ティップの入りやファイト中の曲がり具合などを参考にして頂ければ幸いです。
(M表記ですが意外にパワフルなので、3/8~3/4ozくらいの範囲なら使えてしまうと思います)
(蛇足ですが1611H+”ワイルドスティンガー”は、本当に最高のジグロッドかと。。。)
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コメント
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2020年 1月 04日
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