アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[バス釣りレッスン101] 12.スピナーベイトが”絶対的ベーシック”である理由

NEWジャンルの登場で、出番が減ったと言われるスピナーベイト。
それでもエリートプロのBOXから、無くなる事は決して無い!?
ファストムービングルアー界の、絶対的ベーシックを学びます。。。

ムービングルアーの絶対的基本

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
今期もBassmasterエリートを戦う本場アメリカのトッププロ、宮崎友輔選手にバスフィッシングの基本をイチから解説して頂く「バス釣りレッスン101」
コアな読者の皆様からのリクエストにお答えして、シリーズ12回目はファストムービングルアーの代表格・スピナーベイトについて教えて頂きます。

前々回に解説したように、プラグの基本がバイブレーションなら、シングルフック系巻き物の基本は何と言ってもスピナーベイト
正直これほど奥が深いルアーもないから、細かいことまで言うと一冊本が出来ちゃうくらいなんだけど・・・。
ムービングルアーをマスターしたいなら、まずスピナーベイトを投げ込むのが一番良いと思うよ。

そう言えば大森貴洋選手も、「スピナーベイトを10年、フリッピングを5年。最後のピースを埋めてくれたのがシャロークランクだった」なんて語られていましたね。
ただ、最近はチャタースイムジグなど、色々な巻き物が増えて影が薄くなっているようにも感じられます。
アメリカの試合でも、スピナーベイトがウィニングルアーになる機会が減ったという記事を雑誌で見かけましたが・・・?

誰が何と言おうと、スピナーベイトは絶対にムービングルアーの基本中の基本
ウィニングルアーになる機会が減ったからと言って、現場で不要なルアーになったなんて事は一切ないよ。
例えばスイムジグで勝った試合があったとしても、プラではスピナーベイトで魚を見つけてたなんてケースはザラにある。
100人近くいるエリートプロの中で、船にスピナーベイトを積んでいない選手は誰もいないと断言できるね。

 

スピナーベイトは”万能”である

スピナーベイトがムービングルアーの基本だとのことですが、そのメリットはどこにあるのでしょうか?
連続した強いバイブレーションを求めるなら、チャターベイトの方が有利だと以前うかがいました。
またフラッシングを嫌うクリアアップ下などでは、スイムジグの方が効くような経験もしているのですが・・・。

スピナーベイトの最大のメリットは、何と言っても“オールマイティ”だという事。
スナッグレス性が高くてどこにでも投げられるし、レンジも超シャローからディープまで対応できる。
活性の高い魚を効率よく拾っていけるのはもちろん、実はワームを全く喰わないほどタフになった魚を獲ることも出来る
特に場所や状況がよく分かっていない時には、まず一番最初に投げるルアーだと考えて良いと思うよ。

確かに釣りを詰めていった際、最終的にチャターやスイムジグの方が食わせられるという事は十分に考えられる。
でもチャターベイトではブッシュやヘビーグラスをかわせないから、根掛かりしたりして時間をロスしてしまう
アピールの弱いスイムジグだと広い範囲から魚を呼べないから、サーチする際の効率が落ちてしまう
スピーディにエリアをカバーして魚を探すには、スピナーベイトが有利なシーンは多いんじゃないかな。

レンジが自在という話がありましたが、それは例えばクランクベイトではカバーできないのでしょうか?
クランクもサーフェスクランクから、ディープダイバーまで色々なモデルが作られていますが・・・。

スピナーベイトは完全な水面直下ギリギリを攻める事も出来るし、何なら時々ブレードを水面から飛び出させる(バジング)ことも出来る。
落ち葉や捨て網が沈んだスーパーシャローをストレスフリーで引いて来るのは、プラグには出来ない芸当だと思う。
かと思えばブレイクにカーブフォールで落とし込んだりとか、横だけじゃなく縦の要素も入れてレンジを探れるよね。
そして一番大切なことは、そうしたレンジコントロールを一投の中で、同じルアーで自由自在に操れる事じゃないかな。
その意味でクランクはオートマ車なんだけど、バイブレーションとスピナーベイトはマニュアル車で、だからこそ基本なんだと思う。

つまり使い手次第で、様々な状況に柔軟に対応できるという事ですね。
ただ、スピナーベイトはアピールが強いイメージがあって、クリアな状況では使いにくい気もしています。
またセレクティブな魚に対しては、見切られてしまいやすいような印象もあるのですが・・・?

確かにあまりにジンクリアな状況では使いにくいけれど、ブレードのタイプ等でかなり調整は効くと思うよ。
クリアなら波動の弱いウィローリーフにしたり、フラッシングの弱いブレードにすることでかなり対応できる。
もちろん濁れば波動の強いコロラドを選んだりとか、水質に対する対応の幅が広いのも特徴の一つかな。

後はバイブレーションの時にも言ったけど、本当に激タフな状況下ではハードルアーこそが最後の切り札になる。
寒冷前線通過後の冷え込みとか、ワームに口を使わなくなった魚でもスピナーベイトなら食わせられることもあるからね。
強いアピールは広範囲のバスをサーチする時だけでなく、鼻先でリアクションを誘発するのにも有効だと思うよ。
とにかく、タフになればなるほどパワーフィッシングが有効になるというのは覚えておいた方がいいね。

ちなみにリトリーブスピードをコントロールする際は、ヘッドのウェイトで調整すればよいのでしょうか?
ブレードタイプによっても、巻くスピードがだいぶ変わってくるように思いますが。。。

リトリーブスピードとレンジの調整は、主にブレードタイプヘッドウェイトの2つの要素の複合で決まってくる。
基本的にコロラドなどバイブレーションの強いブレードを使うと、引き抵抗が強くなるので浮き上がりやすく、スローに引きやすくなる
逆に波動の弱いウィローリーフなら、速巻きしても浮き上がりにくいからよりディープを攻められるよね。
それからシングルブレードの方が浮き上がりにくくて速巻き出来るし、ダブルは逆

さらに同じブレードタイプでも、ヘッドウェイトを上げればより深いレンジを引けるから組み合わせは無限にあるよね。
例えば濁っているから波動の強いビッグコロラドを使いたいんだけど、レンジも入れたいという時は1ozのヘッドを組み合わせたりする。
もじゃもじゃのウィードの上でも引っ掛からないようシングルウィローを使いたい時、浮かせるために軽めの3/8ozヘッドを選ぶとかね。
ちなみに最近日本ではシングルブレードを使う人が少ないようだけど、遠投性ウィードレス性・レンジキープ能力を考えたら絶対にレパートリーから外せないよ。

 

自分の中に”基準”を作る

なるほど・・・レンジやスピード、アクションすべてが自由自在で、どこでも探れるという事が良く分かりました。
しかしあまりにもオールマイティ過ぎて、逆に釣り場で具体的にどう使えば良いのか自信が持てなくなってきました(泣)。
それにブレードやウェイト・カラーの組み合わせも多過ぎて、どれを選んでよいのか頭がこんがらがりそうです。。。

(コロラドとウィローの中間の、インディアナブレードなんてのもありますしね・・・)

確かにスピナーベイトの世界はあまりにも深過ぎるから、正直101(基本)で説明し尽くすのは難しいよね。
名手と言われる大森でもマスターするのに10年かかったわけで、アマチュアレベルならたぶん一生かかっても追求し切れないと思う。
でも一番大切なのは、釣り名人とルアー博士は違う、という事。
バスを釣るために必要な事は、決して全てのタイプのスピナーベイトを使い分けるという事ではないよ。

1つ良いことを教えてあげるね。
例えば大森は全米レベルで言っても有数のスピナーベイト使いだけど、実はほとんど一種類のタイプばかり多投してる。
それがシルバー/ゴールドのタンデムウィロー(コロラドとウィローの組み合わせ)で、スカートのカラーはチャート/ホワイト
「ルアーで悩むのが嫌」だから、早い話が全ての要素を含んだ万能タイプで魚を探しているってわけ。

(©BASSMASTER)

そのお話は衝撃的です・・・!
我々アマチュアは、どうしても細かいルアーの違いに意識が行ってしまいがちだと思いますが・・・。
テキサスリグ編でもお話されていたように、まず「魚を探す」という事が決定的に大事なのですね。

もちろん細かな違いで喰う・喰わないは出てくるんだけど、それはあくまでも魚を見つけられてからの話。
根本的に魚がいないところで、細かなルアーの違いを考えてもナンセンスだからね。
ただしめちゃくちゃ濁っていればダブルコロラドにするだろうし、プロだから状況に応じて調整はしていくわけだけどね。
とにかく自分の中での基準が確立されていれば、そこから強くしたり弱くしたり、速くしたり遅くしたり、アジャストする事がだんだん出来るようになっていくと思うよ。

ではとりあえず基本編としては、「とにかく信じられる基準となるスピナーベイトを決めて投げまくれ!」ということでよろしいでしょうか(笑)。
ちなみに自分の基準として、信頼して投げ込めるようなおすすめスピナーベイトを教えて頂けますか?

まあ世界的な名作と言ったら、何と言ってもワーイーグル(war eagle)だよね。
全ての要素が絶妙にバランスしているし、カラーやバリエーションも豊富。
チープに見えるかもしれないけれど、実はラバーの巻き方とかまでだいぶこだわって作られてる。
フックの品質だけがちょっと残念だけど、間違いのない逸品だと思うよ。

(外側のラバーがフワっと綺麗に膨らむように、ワイヤーでハンドタイイングされてます。。。)

確かに、昔からずっと残っているロングセラーですよね。
国産でのおすすめはありますか?

国産で言うと、ハイピッチャーのブレードは確かに素晴らしい出来だと思う。
もう少しフックが大きいとさらに良いと思うけど、コンパクトスピナーベイトの傑作だよね。

後は弱さに特化しているという意味で、Bカスタムの存在は貴重かな。
ミドル~ディープ用スピナーベイトとして名作だと思うよ。
ところでKenDはどんなスピナーベイトが好きなの?

私はやっぱりホームが琵琶湖なので、オフショアのグラスフラットではBカスタムを愛用しています。
ただし春とかに濁ったシャローを釣る時は、最近ブーヤー(Booyah)のを気に入って使っています。

・・・う~ん、ブーヤーかぁ・・・。

え?何か問題でも・・・。

いや、昔大森が「俺のルアー(T.O.スピナーベイト)を真似してある」とかボヤいてたような記憶が・・・。

・・・Σ(゚Д゚)!!

「シャロー道」さんより。ちなみに今はもう廃盤のはず)

・・・それ、書いちゃって良い話でしょうか・・・。

分かんない、任せるわ・・・。

という事でスピナーベイトの基本編、いかがでしたでしょうか(笑)。
とにかくオールマイティな特性を活かして、魚を探すことを意識して使ってみて頂ければと思います。
そして次回はマニアックなフォロワーさん向けに、さらにディープなお話をシェアしていく予定です。。。

 

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