アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[USチャレンジ.10] バスボート選びのベーシック・エレメント

(©BASSMASTER)

ある意味最重要タックルとも言える、試合でのバスボート選び
様々な観点から見ると、パーフェクトなボートは存在しない!?
ベストな一艇に出会うための、基本的な要素をおさらいします。

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最も重要なタックル選び

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
米国バストーナメント出場を目指す“USチャレンジ”特集、前回までは車などの下準備編でしたが・・・。
今回からはいよいよ直接釣りに関係する、バスボートについて書いてみたいと思います。

(©BASSMASTER)

さてBASSMASTERオープンに出るためには、絶対に船が必要不可欠なわけですが・・・。
実は上限250馬力と言う以外には、これといってルール上の規制はほとんどありません。
(ライブウェルや安全装備など常識的なものはもちろん必要)
コアングラーと二人で釣りができるサイズのバスボートであれば、ひとまず出場自体は可能なようです。

2021 OPEN RULES

しかし競技で成績を残すためには、当然ながら船なら何でも良いというわけにはいきません。
フリッパーが巨大なボートに乗っていてはシャローに入れませんし、ランガンスタイルのアングラーが小舟に乗っていては燃料が足りなくなってしまうでしょう。
自分のフィッシング・スタイルに適したボートを選ぶ必要があるという点で、ボート選びは最も重要なタックル選びという事も出来るでしょう。

(©BASSMASTER)

というわけでまず今回は基礎の基礎として、ボート選びの基本的な要素について勉強していきたいと思います。
ただしバスボートを所有したことのない私が現時点で集めた情報に過ぎませんので、間違いがあればぜひアドバイス頂けると幸いです。

 

釣りのしやすさ≒静止安定性

さてまずフィッシング用ボートなのですから、釣りのしやすさはとても重要な要素です。
具体的に言うと「静止安定性」で、つまり止まっている時にどれだけ船が揺れないかという事。
オカッパリのようにビシっと足場が安定していれば、キャストからシェイクまであらゆる操作がやりやすいというわけです。

(©BASSMASTER)

さらに細かく見ていくと、船の揺れ方には縦揺れ横揺れの2種類が存在します。
そのうち縦揺れに関して言えば、船が水平浮きでしっかりと水に漬かっていることが重要。
この意味ではセンタータンクでドシリと重い船が、この点に関しては有利と言えるでしょう。

次に横揺れについて考えると、当然ながら船の幅が広いワイドビーム艇ほど揺れにくい事が想像できます。
またハル形状が平底に近く、サイドの浮力が高いほど横波に強くなると言えるでしょう。
以前乗った琵琶湖プロガイドのにっしぃ艇のスキーターは、素晴らしく横揺れしにくかったことを覚えています。

※ちなみに余談ですが、浜名湖に多いカロライナスキッフと言うフラットボートは桟橋かと思うくらい揺れにくいです。
逆にディープVハル艇は、旋回する力が働きやすいので横揺れしやすいかと。

eturi.jpさんより。パントの親玉みたいなまっ平らな船形で、横揺れに対してはベストかと・・)

(実際のハル形状はもっと複雑ですが、ごく単純化して書くとこういう原理なのかなと)

また風流れに対する強さも、特に風の強い日に沖を釣る場合には重要でしょう。
これについては喫水が深く、なるべくボートが水中に漬かっている部分が多い方が流されにくくなります。
こうした点を総合して考えてみると、ビシッと水平浮きする重力級のレンジャーが、最高のフィッシャビリティーと評価されているのが納得できます。

MLF)

静止安定性の高いボートの条件
・水平浮き
・センタータンクレイアウト
・重くて喫水が低い
・ワイドビーム
・なるべく平底

 

走りの良さ≒スピード&走破性

次に考えたいのはボートの「走行性能」で、こちらも釣果を左右する重要な要素と言えます。
なぜなら行きたいポイントにたどり着けるか否かが、ボートによって変わってきてしまうから。
場所選びは釣りにおける最重要ポイントですから、こちらも絶対に考慮しておかなければいけません。

(©BASSMASTER)

ところで走行性能と言っても色々ですが、まず考えておくべきはスピードでしょう。
アメリカのフィールドはとてつもなく広いので、船速が実釣時間を大きく左右する事になるからです。
例えば今年のエリート初戦ではゲーリー・クラウズが移動4時間・実釣1時間という驚きのロングラン戦略で活躍しましたが、これも俊足のフィーニックスだったからこそ採れた戦略だと言えるでしょう。

(©phoenixboat)

そしてスピードを求めるのであれば、全幅が狭く走行抵抗の少ないナロービーム艇の方が有利。
走りと言えばバスキャットが最も有名ですが、代表モデルであるプーマ&クーガーは頑なに94″のナロービームを守り続けています。
ちなみにバスボート界最速艇のアリソンは93″ビーム、バレットに至っては何と91″ビームが採用されています。

(©mercury racing アリソンは300Rで100マイル※160km/h以上 を超えるそうですが、さすがに狭いのか乗っているトーナメンターはほとんど見ません)

また船体が軽く&浮力が高く、なるべくボートが水の上に浮いている事も重要と言えます。
リヤタンクスタンヘビーな船の場合、全開走行中はほとんど船外機しか水についておらず、まるで空を飛んでいるのか?というほど浮いているのが見て取れます。
ちなみにバスキャットなどいくつかのボートでは、船底に空気を巻き込んで泡の上に乗るような工夫もされています。

(©BASSCAT 後部は船外機のパワーで浮かせられるので、スタンヘビーだと走行中は艇全体を浮かせられる)

またもう一つ走破性という要素もあり、こちらは爆風の激荒れ時にどれだけ走れるかと言う性能です。
大波を切り裂くための深いVハル構造が船体後方まで入っているチャンピオン系ボート(現行だとチャージャー等)は、乗り心地が非常にソフト
ここでもスタンヘビーな方が、波に突き刺さらずに済むという点で有利に働くようです。

走行性能の高いボートの条件
・スタンヘビー
・リヤタンクレイアウト
・軽くてよく浮く
・ナロービーム
・深いVハル

 

万能タイプの落としどころ

しかしこうしてポイントをまとめてみますと、静止安定性走行性能は完全には両立しないことに気付きます。
なぜなら求められる要素がほとんど真逆で、あちらを立てればこちらが立たず・・・という二律背反に陥るからです。
つまり乗り手のフィッシングスタイルによって、どちらの要素をどれくらい優先させるのかを判断する必要があるわけです。

ですから近年のバスボートはどちらかの性能に全振りするわけではなく、中間的な性格を持たせた「万能型」が増えているようです。
このジャンルの代表格がトライトンで、広くもなく狭くもない95インチビーム(20&21の場合)のためスピードもまずまず。
割と深いVハルで乗り心地は柔らかいものの、センタータンクレイアウトで極端なスタンヘビーにはなっていないと言った具合です。
悪く言えば中途半端とも言えますが、これと言った欠点の無いオールマイティなボートではないでしょうか。

(ハーツマリンHPより )

この両要素の落としどころは各社様々で、例えば元トライトンのゲーリー・クラウス選手が創業したフィーニックスは、リヤタンクの走り重視の設定となっています。
しかしビームは96インチとワイドで、同時に広大なデッキスペースとストレージ容量をも実現。
ですからスタンヘビーでも構わなければ、トライトンより広くて速いスピードボートという選択肢になると思います。

またトライトンボート創業者のアール・ベンツ氏が新たに立ち上げたボートメーカー、ケイマスはかなり静止安定性が重視されているようです。
デッキスペースも広い上、深いVハルで激荒れ時でも乗り心地は非常にソフトとのこと。
スピードこそそこまで速くないものの、宮崎選手いわく走破性の高いレンジャーといった性格が与えられているそうです。

(©CAYMASBOAT しかも意外とシャローまで入れるそうで・・・)

というわけでバスボートを考える上での二大要素、“フィッシャビリティー”“走行性能”の観点からボート選びを考えてみました。
釣りのしやすいレンジャーか、走りに優れたバスキャットか、それとも万能なトライトンか・・・。
全てが完璧なボートは存在しないので、フィッシングスタイルに合わせて何をどれだけ優先するかを考えるのが重要と言えそうです。
次回はさらに詳細な要素についてと、FRP艇に限らない第4の選択肢についても考えてみたいと思います。

(©MLF)

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関連記事

    • Biwako Basser
    • 2021年 9月 25日

    いつも読ませて頂いてます。

    バスボートの話、面白いですね。
    大きな買い物だけに後悔はしたくないですよね。

    比較検討しているときが一番楽しいですよね。
    一旦、所有してオーナーになると、今度は故障などに気を遣うようになりが、それも私は楽しんでいます。

    そういう意味では、オープンにサポートクルーが来るボートメーカーも大事な選択の要素かもしれませんね。
    (エリートと違ってオープンにサポートカーが来るかは分かりませんが。。。)

    また、トーナメント団体によって、ボートメーカーが現実的に限定される側面もあるかもしれませんね。
    その一例が、パラニュークのエリート復帰かもしれません。

    ちなみに、私は19ftのバスボートに琵琶湖で乗ってます。
    風速4m以上では釣りをしない、基本一人釣行、60~70キロの低燃費&安全走行という基準で今のボートにしました。要は静止安定性重視です。

    アメリカのトーナメントでは全然違う基準が必要になってくると思いますので、よりベターな選択をしてください。
    これからも応援しております。

    p.s.魚探とバッテリーシステムのお話も楽しみにしております。

    • いつもありがとうございます!
      サポートクルーの件、よくご存じで・・・。
      仰る通りサポートのあるメーカーというのが非常に重要になってくるため、その面も非常に悩ましい所です。
      ともあれ琵琶湖で釣りを楽しむ上で、非常に賢い選択をされておりますね!
      私もここで使うなら、60km巡行で最も燃費の良いエンジンを載せたいです(笑)。
      環境が違うのでどこまで皆様のお役に立てるか分かりませんが、魚探とバッテリーについてもおいおい書いていきますので楽しみにお待ちください!

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