1Feb
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某雑誌の人気ロッド投票で2年連続優勝するなど、近年、ロッドメーカーとしても急速に評価を高めているシマノ。
同社が採用する「スパイラルX」と「ハイパワーX」について、何がどう違うのか?
ジャパンフィッシングショー2015(横浜)にて、シマノのロッド担当さんにしつこく聞いてきましたので(笑)報告します。
※ただし、あくまで「私が理解できた範囲の内容」になりますので、誤解や間違いが含まれている可能性がある事をご了承ください。
スパイラルX
→ 縦繊維のカーボンシート(中間層)の内層・外層を、逆斜め方向のカーボンテープを巻くことでサンドイッチした3層にわたるロッドの基本構造
(メーカーHPより)
・・・という事で、通常のロッドが縦繊維方向のカーボンシートと横方向のカーボンシートを組み合わせて作っているのに対し、ロッドの基本構造を縦方向のカーボンシート(中間層)+斜め方向のカーボンテープ(※シートでは無い)(内層)+逆斜め方向のカーボンテープという3層で構成し、横方向のカーボンシートを使用していないという特殊な構造のようです。
利点の一つ目は、継ぎ目による強度低下が無くなるとの事。
次に、ブランクの潰れとねじれに対する強度が上がるという点。
それも非常に面白いことに、カーボンテープの巻き角度が45度に近いほど捻じれ剛性が上がり、90度(真横ということですね)に近いほど、潰れ剛性が高まるという話でした。
ブランクの径が太いほど潰れに弱く、細いほどねじれに弱いため、バットからティップまで連続的に巻き角度を変化させる事で、それぞれの部位に適した補強を施しているのだそうです。
ハイパワーX
→ ロッドの基本構造の上からカーボン製のテープをX状に締め上げて捻じれを抑制する補強技術。
スパイラルXとハイパワーXの最大の違いは、スパイラルXがロッドの基本構造であるのに対し、ハイパワーXは補強である、という点にあるように思います。
(だからエクスプライドなどハイパワーXのみのロッドは、基本構造は通常の縦繊維シート+横繊維シート・・・のはず)
得られる効果としては、スパイラルXが潰れ+ネジレ剛性の向上・継ぎ目の除去だったのに対し、ハイパワーXでは捻じれ補強のみという事になるのだそうです。
(このため、エクスプライドでは潰れの弱さが出にくいよう、アドレナよりもブランクを細目に設定してあるとの事)
硬そうに見えて柔らかい
自分がエクスプライドやグロリアスなど、ハイパワーX・スパイラルXが採用されたロッドを使ってみる中で1つ感じていたのが、「ロッド単体で振ってみると硬そうなのに、実釣で曲げると意外にしなやか」という事でした。
このため、シマノのX構造はしなやかさに貢献しているのでは?と考えて質問してみたのですが、別にそういう効果は無いのだそうです。
しなやかさの理由に関しては、例えばエクスプライドでは24tという低弾性なカーボン素材をメインで使用している事や、テーパーデザインなどが総合的に関与しているのだろう、との事でした。
これは聞いて逆にビックリしたのですが、24tという結構な低弾性素材を使用しているにも関わらず、ハイパワーXで補強すればこんなにシャープに出来るのかと・・・。
(てっきり素材は高弾性なのだとばかり思っていました)
あともう一つ、トルクがかなりあるなという事も感じていたのですが、それもX巻き構造の特徴というわけでは無いようでした。
ハイパワーXとして基本構造に補強を追加しているため、その分ブランクの厚みが増すことでトルクが上がったとか、スパイラルXで潰れ補強する分ブランクデザインを太く出来たとか、そういった総合的な要因の恩恵だと考えた方が良いみたいです。
エクスプライド・ポイズンアドレナ・ポイズングロリアスの比較
ここで、シリーズ毎に使われている技術を比較してみます。
・エクスプライド → ハイパワーX
多くの人が1度は考えると思うのです。
「何故エクスプライドはリーズナブルなのに、ポイズンはあんなに高いのか。そんなに変わらないんじゃないの?」・・・と。
何を隠そう、自分もそう考えていました(苦笑)。
しかし今回両者の違いを詳しく教わったことで、少なくとも技術的にはかなりの差異がある事が理解出来ました。
もちろん実釣性能としてどういう要素を必要とするかは、使い手となるアングラー次第かと思いますが、確かに値段の差だけの事はあるのかなと。
・・・というわけで、多忙な中長話に付き合って下さったシマノスタッフの皆様、ありがとうございました。
次回はグラスコンポジット機種についてさらに掘り下げてみたいと思います。
マニアの方はお付き合いください(笑)。
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