4May
グラスコンポジットロッドを比較するシリーズ、第2回目はポイズンアドレナ1610M-Gです。
【「しなやかなのに捻じれない」、シマノブランクスは夢のグラスコンポジットなのか?】
●バスマスター・エリートシリーズで大活躍中の、イヨケンさんプロデュースの巻き物ロッド。
(C)Bassmater
メーカー公式HPによれば、
入り組んだカバーに潜むビッグバスを攻略する為のカバークランキングを想定したグラスコンポジットロッド「1610M-G」。カバーをかわしながらも突然のバイトをフッキングに持ち込むしなやかで繊細なティップアクションと、ビッグバスに負けないバットパワーを併せ持つ設計。近~中距離でテンポよくキャストを繰り返す正確性、一瞬のショートバイトを弾かずノセるフッキング性能、不意の突っ込みにもロッドが追従してフックオフを防ぐ粘りなど、キャスト~ランディングの一連の動作において安定したパフォーマンスを発揮。1/4ozクラスのシャロークランクから3/4ozクラスのディープクランク、バイブレーションなどファーストムービングルアーをカバーします。・・・との事で、カバークランキングを想定したロッドのようです。
フィッシングショーで実際曲げてみたのですが、この手のロッドとしてはまあまあファストなテーパーかなと。
(動画もありましたのでリンク載せておきます↓)
【#061 夢を実現するために アメリカバストーナメントへの挑戦】
軽め(3/8ozくらいまで)・細軸のシングルフック系の巻き物(スピナーベイトやチャター・スイムジグなど)だったら、フッキングも決められるのでは?という印象。
シマノのロッド担当者の方からも、「伊豫部プロ好みの、掛け重視の巻き物ロッド」との事でした。
●グラスブランクス+スパイラルXに、横繊維の補強も加わる重層構造
製法的には、グラスのメインブランクス(縦繊維)にスパイラルX(斜め繊維)を巻き付けた上で、場所によって(バット部とか?)はさらに横方向のカーボン繊維で補強する、というだいぶ凝った作りのようです。
(ちなみにスパイラルXについては↓)
【中の人(シマノ)に聞いたら、ハイパワーXとスパイラルXが全然違った件】
ティップからバットまで、グラスのメインブランクスにスパイラルXを巻き上げてあるため、もっちりしたグラス感とカーボンのシャープさが同居する、不思議な感覚のブランクスになっています。
(結果としてグラス:カーボンの比率は40:60)
おそらく全身に渡ってだいぶネジレが抑制されているでしょうから、キャスティング・アキュラシーとフッキングパワーは相当期待出来そうです。
宮崎プロなど、アメリカで活躍するクランカーの方はファストテーパーのグラスコンポジットロッドを好む傾向があるようですが・・・クランキングにおいて、フッキングパワーの優先順位はそんなに高いのだろうか?という疑問を感じます。プラグにもしっかりとしたフッキングは必要、というのは理解できるのですが・・・それほど遠くで掛ける釣りでもないし、ピュアグラスでも無いのでトレブルフックを掛けるにはレギュラーテーパーのロッドで充分な気がしてしまいます。ただ、アメリカではナイロンラインで巻くのが主流らしいので、その伸びをカバーする目的があるのかもしれませんが。
(ちなみに自分はほとんどフロロを使用しています)
●バラシ防止に大切な、ロッドの「ストローク」
バレやすいプラグの釣りでは、ロッドのストロークが大切なのではと最近感じています。
言い換えれば「曲がりシロが大きい」、良く曲がるロッドほどバラシにくいという事です。
極端な例として、磯竿を使う事でシーバスのバラシを激減させているコアマンの泉さんの動画をご覧ください。
つまり、長~い磯竿を使う事で、魚が走れば走るほど、どこまでもロッドがしなやかに追従して曲がっていく。
これによって車高の高い柔らかなサスペンションの車に乗っているように、魚(フックポイント)に掛かる力をじわっと柔らかくする事が出来る・・・という事なのだと思います。
するとラインテンションを保ちやすい上、身切れもしにくいし、そもそも魚が暴れにくい・・・というメリットが生じると思うのです。
この「曲がりシロ」を多く確保するには、磯竿のように長~い竿を使えば良いわけですが、バスロッドでは長いと言っても限界があります。
そこで短くてもロッドのストロークを確保するには、テーパーをレギュラー~スローに設定する必要が出て来ます。
というわけでバラシ防止性能を重視する観点から、プラグの釣りにはレギュラー~スローテーパーのロッドが、最近の自分の好みなのです。。。
●魚を「乗せる」のはベリーの仕事
テーパーの話題ついでに・・・魚を「乗せる」には、ロッドのベリーが重要では、という話を以前書きました。
【クランキングに感度は必要か?グロリアスC7は感度を極めた巻き物ロッド】
ショートバイトを弾かず乗せる繊細なティップ・・・という表現をよく見かけると思うのですが、ことクランキングにおいては、その役割はティップでは無くベリーにあるのではと考えています。
というのは、クランクベイトのようにある程度引き抵抗があるルアーでは、リトリーブしている時点で既にある程度ティップが入ってしまっていると思うのです。
だから極端に言えば、ソリッドティップのようにティップだけ柔らかいロッドは、ボトムの釣りや止めるシャッドのショートバイト対策には向いても、巻き続ける釣りでは魚を乗せにくい。
ティップが曲がった状態から、さらにバイトに追従してしなやかに入るベリーの性能こそが、クランキンロッドに求められる「乗せ」性能のように思います。
(ストラクチャーにコンタクトした時にベリーがスッと入って、一瞬バイトなのかどうか分からない位のしなやかさを、自分の中で基準にしています)
で、もっと言えば、魚の重みが掛かってからさらに深くベリ~バットへと曲がり込んでいくのが、バラシ防止の要なのかな・・・と。
●「掛け」重視のクランキンロッド
天下のエリートプロの設計なので、もちろん「乗せ」を意識したベリーの設定はバッチリなのだろうと思います。
しかし「掛け」と「バラシ防止」の比率で言えば、アドレナ1610M-Gは掛け重視のロッドなのだろうなと想像するところです。
この辺りは全体のタックルセッティング(フックやラインの選択)や、あとは好みの問題になってくるのでしょうが・・・。
次回はエクスプライド1610M-Gについてコメントしてみたいと思います。
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