アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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ワンテンを活かすジャーク法と、水押しのメカニズム

これまで2回に渡って、ワンテンが釣れる秘訣について書いてきました。
最終回のお題は、「釣れる水押し」が発生するメカニズム。
そして、それを活かした動かし方について考えてみたいと思います。

関連記事①:【愛と憎しみのワンテン
関連記事②:【ワンテンの秘密に迫る、「2種類のダートアクション」

●「ウォブルしにくい」フラットなボディ側面

さて前回、ワンテンが釣れる秘訣は「水を押すダート」にあるのではないか、という私見を書きました。
今回は、その水押しはなぜ発生するのか?についてのメカニズムを考えてみたいと思います。

まずワンテンの特徴と言えば、フラットな面を持つボディサイドのデザイン。

IMG_20150827_101055

一般的には「強力なフラッシングを生むフラットサイドボディ」、といった感じで解説されている事が多いように感じます。

もちろんそういう要素もあると思います。
しかし水押しという観点から見ると、この平らな側面はウォブリング時の抵抗になるはずだと思うのです。
もっと直球で言えば、「ウォブルしにくい」はずではないかと。

このように、あえてサイドをフラット、というか凹にしたデザインのルアーと言えば・・・

bodyform

そう、デプスのスリザークです!!

関連記事:【綺麗にドッグウォークさせるための2つのコツと、スリザーク レビュー

上の記事でも書きましたが、スリザークは側面をヘコませて水を掴みやすいデザインとし、「敢えて首を振りにくく」設定してある・・・と思います。
それをロッドワークで無理やりドッグウォークさせる事で、強い水押しを発生させるというメカニズムです。

という事は、です。
抵抗の強いボディを、リップなど他の要素で力づくでウォブルさせる事で、強く水をかき混ぜる・・・
同様にフラットサイドボディを持つワンテンにも、同じ事が言えるのではないかと思うのです。

●「ロールしにくい」背中のボリューム

次に注目するのは、背中側のボリュームです。
通常、ミノーの断面は卵型に近い形をしたものが多いと思います。
しかしワンテンを真正面から見てみると・・・

IMG_20150827_101041

何と!背中側の方が幅広なデザインになっています!
(写真が分かり辛くてすみません)
断面で言うと台形、それも背中側の方が長い辺になる・・・という珍しいカタチです。

ところでルアーの重心というのは、当然ながら腹側(下側)に来ます。
その反対側である背中が厚く作られているという事は、物理的にボディが横方向に倒れ込みにくくなるはず。
つまり、これがどういう効果をもたらすか?と考えてみると、一言で言えば「ロールしにくくなる」のではないかと思います。

加えてテール部分が上反りの形状をしていますが、これも同様の理由でロールを抑える方向に働いているのではないでしょうか。

 

●強力な初速を生み出す、リップ形状と浮き姿勢

さてここまで、ワンテンのボディ形状は「ウォブルしにくく」、かつ「ロールし辛い」のではという仮説を書いてきました。
だったら全然泳がないルアーになるはずだろ!とお叱りを受けてしまいそうです。

しかし第一回で自分も書いたように、事実としてワンテンはしっかり泳ぎ、さらにウォブリングに関しては大きめと感じるぐらいだと思います。
なぜこんな事が起こり得るのか?といえば、それは「動きにくいものを動かすぐらい、強い力を生み出している」からではないでしょうか。

そこでもう一度ワンテンを見直してみると、ミノーとしては幅広で大きめのリップが付いています。
しかし、それでいて0.9mしか潜らない・・・という事を考えると、リップで受ける水流抵抗の多くが、潜らせるよりアクションを生む方に割かれている事が想像できます。

加えて、45°に近い変わった浮き姿勢。
最初、このルアーはどうしてこれほど頭下がりに浮くんだろう?と不思議でした。
水平にサスペンドするルアーの方が、ベイトライクでナチュラルな感じがするのに・・・と疑問に感じたのです。

images

しかしこれ、ジャークなどアクションの一発目に、素早いレスポンスと力強い泳ぎを得る狙いなのではないか?と今では考えています。

どういう事かというと、ワンテンのリップは45°(より少し浅いくらい)の角度で装着されています。
そこでさらに、45°近い浮き姿勢が加わると・・・45°+45°で90°(弱)、つまりラインの引っ張り方向に対して、リップが90°に近い向きで停止するわけです。

当然ながら、リップが水流に対して90°の直角方向に向いた時、最大の抵抗を受けるはず。
つまりラインの引っ張り始めから最大の水流をリップに当てる事で、強力な初速を生み出し、動きにくいボディを強引に躍らせているのではないかと思うのです。

●「控え目なダート」は強い水押しの結果?

ワンテンが釣れる要素を語る時、「やや控えめなダートがちょうど良いのだ」という説もよく聞かれるのではと思います。
実際ダート幅などは控え目だし、確かにそれがバスの目から見て魅力的に映るのかもしれません。

しかしその控えめなダートは、抵抗の大きいボディを動かす事の結果として生まれたものではないでしょうか。
(いくら強い力をかけても、水の抵抗が大きければ長い移動距離にはならないと思いますので・・・)

だから動きの大きさが丁度良いというよりは、「水を大きく動かす」事の方が、バスを魅了しているように思えてならないのです・・・。

アクションを活かすジャークのピッチ

というわけで私としては、ルアーをアクションさせる際、水押しを最大化するような動かし方を心掛けています。

具体的に言うと、まず着水後に強めにラインを張って、しっかりとルアーの頭をアングラー側に向けます。
イメージとしては着水と同時に少しルアーが手前に泳ぐくらいで、ここで確実に重心移動球を前側に戻します。
これで頭を前に向け、45°姿勢で浮いた「姿勢作り」が出来るはずです。

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(メガバスHPより)

次にジャークのテンポですが、「パン、パン」といった感じで、ジャークとジャークの間にしっかりと「間」を作ります。
これはポーズを入れるという意味では無く、2ジャーク1ポーズの「2ジャーク」部分の間隔を取るという事です。
(イメージ的には0.7秒くらいw)

これは何故かというと、ダート後にロールしたボディが起き上がり、さらに45°の浮き姿勢に復元するまでの時間をしっかり待つという意味があります。

クイックでピッチの短い「パンパン!」あるいは「パパン!」といった動かし方をすると、姿勢が戻る前に2ジャーク目の入力が加わります。
これによってリップに十分な水流が受けられず、2回目のアクションが弱く出てしまう事が危惧されます。
(ただし、狙ってイレギュラーな動きを出すという事ならアリだと思いますが)

しっかりと姿勢を作ってからジャークする事で、安定して、大きく水を動かすアクションを最大限に発揮できると思うのです。

※それからついでに言うと、このダート後に姿勢が復元する時に出る自発的なアクションも、バスを魅了しているような気がしています。

●フックセッティングはトレブルSP-M♯6×3

それから最後になりましたが、フックセッティングは3か所ともトレブルSP-M♯6(がまかつ)+♯2スプリットリングとしています。
アイの純正スプリットリングを外し、音速ラウンドスナップS(がまかつ)をつけると、これで大体サスペンド。
後はフィールドに出てから、水温や個体差による微調整をスプリットリングの変更で行う・・・といった感じです。

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尚、トレブルSP-Mを選ぶ理由は、自重の軽さと強さ、そしてゲイブの広さです。
(ミスバイトの多いジャークベイトなので、なるべく大型フックを装着したいのです)
カルティバのST-35MFも試しましたが、今のところ決定的なメリットは実感できていません。

関連記事:【カルティバの新作トレブルフック・STY-35MFに一目惚れ

ちなみに純正のカツアゲフックは酷評される事が多いようですが、実は刺さりの良さという面では悪くないと思います。
ただ、言うまでも無く伸びまくるので、特に琵琶湖では使い物にならないのですが・・・。
アウトバーブは理論的にはメリットがあるはずなので、個人的にはしっかりとしたワイヤーで作り直して欲しいですね。

▼異見大募集!・・・全ては想像に過ぎませんw

という事で、ワンテンが釣れる要素について個人的な妄想を書き連ねてきました。
この手の釣りの要素は科学的な検証が難しいので、全て想像の域を出ないわけでして・・・様々に異なる意見があるかと思います。
ディープな釣り談義は大歓迎!ですので、違う見方があれば、ぜひ教えて頂きたいと思います。
質問も大歓迎ですので、よろしければ気軽にコメント下さい。

ともあれ、全3回に渡る大長編・・・長々と読んで下さり、どうもありがとうございました。
少しでも皆様の参考になれば幸いです。

それでは、Good Fishing!

 

 

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関連記事

    • BASS LABO
    • 2016年 3月 23日

    今までワンテンは気にした事なかったですが、この記事を見て今度買って使ってみようと思います。

    • 私は一番好きなルアーです!ぜひ使ってみて下さい(^^♪

    • ジンバック
    • 2018年 5月 02日

    初めまして、kenD様
    私もワンテン愛用者です、釣り具屋に行くとついついワンテンシリーズを手に取ってしまいます。
    今回の記事の静止姿勢で気になったところがあります
    ジャッカルのミノー「スクワレル」の静止姿勢がワンテンと逆の発想でリップの角度がほぼ水平に近い感じで静止します
    これは、どのような効果があるとお考えでしょうか?

    • コメントありがとうございます!
      私はスクワレルの使用経験が無いので推測になってしまいますが、あえて水平に近い姿勢になっているのであれば、静止時の食わせ効果を考えているのかな?と思います。
      とはいえ実際に使ってみないと何とも言えませんので、軽く参考程度に考えて頂けると幸いです<(_ _)>

    • 村田啓
    • 2019年 2月 15日

    いつも記事を読ませていただきとても勉強になってます。
    私も琵琶湖をメイン釣りをしてます。なかなか行けませんが、KenDさんの文章を読んでるだけで、釣りが上手くなった気がします笑
    私はジャークベイトを使った事がないのですが、琵琶湖での出しどころとはどんなタイミングですか?
    季節 水温 風 水の色など
    あとワンテンは色々なタイプがありますが、どう使いわけてますか。
    オススメカラーはありますか?

    • いつもありがとうございます、そんな気持ちになって頂けると書き甲斐があります(^^♪
      ジャークベイトの出しどころは「バスが浮いている時」で、春にサーモクラインが出来て上層の水が暖かくなるような時が代表的だと思います。
      まさにこれからの季節ですので、ぜひ使ってみて下さい!
      タイプはノーマル(スローフロート)をフックとスプリットリングチューンでサスペンドにしたもの(春によく使う)と、ハイシーズンはハイフロートをよく使います!
      春はクリアレッドカラーなどが好きですが、良かったら下の記事等も読んでみて下さい!

      http://deeepstream.com/2017/02/15/4colors/

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