24May
革新的な新素材、そして高剛性ギア。
それにも関わらず、なぜか剛性感が感じられない!?
ダイワリールに感じてきた、疑問の正体を考えます。。。
“巻き剛性”が感じられない
皆さんこんにちは、KenDです。
昨日は、新しい時代を切り拓いてきたダイワリールのコンセプトを振り返ってみました。
しかしそこでも触れたように、私自身はシマノリールをメインに使用しています。
結構、ダイワにも何度かトライしてきたつもりなのですが、結局は手放す事に。
一体何が不満だったのか?と言われると、一言で言えば「巻き剛性」が物足りなく感じたという事だと思います。
ただ、新素材を採用するなどして、ダイワも剛性は向上しているハズ・・・なのだと思います。
実際、フィッシングショーでダイワの方にお話を伺った時も、(具体的な数字は忘れましたが)随分剛性UPしているとの事でした。
しかしそれにも関わらず、特にリトリーブ時の剛性感やトルクが体感できないと言うのが、申し訳ないのですが私の率直な感想でした。
フレームやギヤの剛性が上がっているはずなのに、それは一体どうしてなのか???
ずっと不思議に思って来た違和感の正体について、今回はお話してみたいと思います。
不安視される”部品精度”
ところでこうしたブログを運営しているおかげで、最近では様々な方と知り合う機会に恵まれています。
その中には、リールチューニング・マニアの方から、オーバーホールをするショップさん、果てはチューニングパーツメーカーの「中の人」まで、リールについて深い専門知識を持つアングラーの方々がいらっしゃいます。
その方たちから、異口同音にとても心配な話が聞こえてくるのを良く耳にします。
それは・・・「最近のダイワリールの部品精度は、本当に大丈夫なのか?」という、疑問の声です。
私もアマチュアとしてはそれなりにマニアックな方だとは思いますが、さすがに部品精度のバラツキなどについては自分では分かりません。
ですのでこの話は公開せずにいたのですが、何十台、何百台とリールを分解している方々の口から、揃って部品精度に対して懐疑的な意見が出てきているのを、以前から不安に思っていました。
(ちなみにその方たちは知り合いとかではなく、互いに全然関係ない立場にある人達です)
こうした内容は正直書きづらい面もあるのですが、、やはりこうしたユーザーサイドの不安は共有されるべきだと思うようになり、今回あえて書かせて頂きました。
(あくまで個人的な体験の範囲の話ですので、ダイワ関係者やファンの方には、気を悪くされないよう願います。。。)
正体は、部品の「クリアランス」か?
そしてこの記事を読ませて頂いて、ハッと思いついた事がありました。
部品単体の剛性は高い(はず)なのに、完成したリールに剛性感が感じられない・・・。
その“巻き剛性”不足の正体は、もしかして部品同士の「クリアランス」にあるのではないか?という事です。
単体部品の精度が低いと仮定した場合、それらを組み上げてリールを完成させるには、部品同士のクリアランスを広く取る必要があります。
つまり一つ一つの部品の大きさにバラつきがある場合、あまりキツキツに設計すると嵌め込め無くなる恐れがある・・・と思われるからです。
私がダイワリールに感じて来たカタつきの大きさと言うか、カッチリ感の無さの原因はこの「精度」の問題にあるのではないか・・・と思い至ったのです。
もちろん私は何の機械工学を学んだわけでもない素人ですので、これはとんだ勘違いかもしれません。
(全くの的外れでしたら、ダイワの方には本当に申し訳ありません)
しかしせっかく先進的なコンセプトをリリースして来たメーカーなのですから、ユーザーに不安を抱かせないようなクオリティのモノ作りをして欲しいと強く願う次第です。
ダイワの提唱するコンセプトは、釣り人目線からしてとても魅力的な提案が多いと感じています。
実を言うと、「4インチワームのネコリグから、ビッグベイトも楽に扱える」という“ジリオン SV TW“を買ってみようかと悩んでいました。
(こういう守備範囲の広いリールと言うのは、「釣りの道具」として大きなニーズがある様に思います)
しかし幾人かの詳しい方に相談した結果、今回は見送って別のリールを買う事にしました。
やはりその「部品精度」に不安があったからです。
(で、何を買ったのか?に関してはまたあらためて・・・)
私はアンチダイワではありませんし、その評価を貶めようとするつもりもありません。
むしろ素晴らしいコンセプトのリールを、満足して使いたいと考えている方です。
ですから精度への不安から、購入を諦める事になったのを非常に残念に感じています。
遠い少年の日、ショーケース越しに眺めたきらびやかなリールの数々。
ジャパニーズ・リールの双璧の一角として、ダイワさんにはユーザーに安心と満足を与えてくれるモノ作りを期待したいと思います。
そして、いつまでも憧れられる存在であり続けて欲しいと、願ってやみません。
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コメント
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2016年 6月 17日
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2017年 1月 02日
私はダイワを愛用してますがクリアランスの悪さを承知の上で使ってます。
シマノさんはある意味機械工学のプロの軍団と思って ます。
今まで積み上げてきた歴史がダイワさんとは桁が違いますから。
それでもダイワを使うのは使いやすいから。
後は最近までローギア比のベイトで廉価版がなかったから。
グラスロッドでフロロを使った時の相性がシマノさんは悪かった。
ギアの耐久性 などピカイチですが製造終了後7年でキッパリ 部品供給ストップされるのも
シマノから離れた理由です。
今のダイワの部品供給体制も問題ですので〜今後どうするかはわかりませんが
古いリールを使い続ける私 には今はダイワの方がいいというだけです。
>カッキーさん
コメントありがとうございました!
そうですよね、ローギアの廉価版モデルが無かったなど、シマノさんには使いにくさ(選びにくさ)があるなぁと私も感じています。
機械として優れているのはシマノだけれど、釣具としてニーズのド真ん中を付いているのはダイワと言うか・・・。
シマノさんにはユーザビリティを、ダイワさんには精度を改善して頂けたら嬉しいなぁと考えています(^^♪
突然のコメント、申し訳ございません。
内容を興味深く拝読しました。
まず当方、機構設計の会社(いわゆるギアを用いた製品)に在籍経験があります。
その経験の範疇にてお話をさせて下さい。
ただし私は営業畑だったので、技術職ではないことを前提に、
お聞きいただければ幸いです。
また、私の本分はKenDさんの不安が払拭できればというものです。
攻撃や荒らしでないことをご理解下さい。
まず機構設計のうち、ギアの噛み合わせ設計は簡単ではありません。
仰るようにギア同士の噛み合わせのクリアランスが絶妙でなければ、
ギア同士が動かなくなってしまいます。
なので歯車機構の設計は専門的に勉強しなければできません。
そして会社所有の経験(=知財)と製品単体ごとの専用設計/検証を
しなければ製品にはならないんです。
(ネットで調べるだけでも、多様な歯車理論が検索可能です)
次に、部品精度。
日本の製造業では、ギアは基本1/100㎜単位で設計/製造されています。
※無論、それ以上とそれ以下もあります
その基準で作らなければ、先に申し上げた設計が成立しなくなってしまうのです。
ダイワ社の精度が悪く感じるとおっしゃるのは、恐らく別の要素が原因かと思います。
で、巻き上げの剛性感は人間の感覚的なものであり、
巻き上げ力を数値化すれば明確になります。
簡単に申し上げると、何キロの重りを巻き上げるとき、
どのくらいの力でハンドルを回したか、
というものです。
恐らくダイワ社クラスの会社であれば当然実施している検証です。
無論、実用強度や巻き上げ力を達成していることでしょう。
感覚的なものは製品イメージやその他の要素(フレームのたわみ剛性)等、
様々な要素(物理的/心象的)にて左右されるので、
一概にギアの精度や巻き上げ力とは結びつかないと、
当方は思います。
日本の製造業の精度は、驚くほどの高さで作られています。
その点はご周知いただければ幸いです。
(下町ロケットの感覚とは、言いすぎかな)
ちなみに私も基本リールはシマノ派です。
シマノ社のリールデザインが好きという理由だけですが。
笑
>LWさん
貴重な専門的見地からのご意見、ありがとうございました(^^♪
巻き上げトルクに関しては、客観的に数値化できるのですね!
(マニア的には、ぜひ各モデルのスコアを知りたいところですw)
確かに私たちが釣り人として「感じて」いるのはあくまでトルク「感」であり、それは製品イメージなどにも左右されている可能性は充分にあると思います。
それから巻上げ力を左右する最も重要な要素が「フレーム剛性」というのは非常に納得で、私も常々そう感じておりました。
それを考えれば、部品精度に過剰な心配をし過ぎているのかもしれませんね。
最後にこんな事を言うのもなんですが、私はダイワのリールデザインの方が好きだったりします(爆)。
突然のコメント申し訳ありません。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
こちらの記事を読ませて戴き、リアルタイムで非常に共感出来る部分が多かったのでコメントさせて頂きました。
(何か問題がございましたら、こちらのコメントは公開されなくても構いません(^_^;))
私もシマノ信者です。
特に理由は有りませんでしたが、バス釣りを始めた時に初めて買ったリールがシマノだったというだけです。
ですが、段々とダイワも気になり始め、数年前初めて購入したダイワリールは「ジリオン Jドリーム」でした。
使用してみて驚きました。
「凄く良い!」
剛性感、カチッと感、巻き心地等、どれもシマノに全く劣らない素晴らしい完成度でした。
非常に使い易く、釣行には必ず持って行く様になりました。
そしてこの度ジリオンSVTWが発売され、私はすぐに飛び付きました。
購入し、早速使用してみました。
「ん・・・?」
Jドリームと同等か、それ以上の完成度を期待していたのですが、「漠然とした違和感」を感じたのです。
釈然としないまま暫く使用していた時にこちらのブログを拝見し、納得しました。
SVスプールとTWSの機構は非常に使い易く、自分のスタイルに合っていたのですが、売却しました。
管理人様のおっしゃる通りダイワリールのアイデアが素晴らしいだけに「非常に勿体無い」ですよね。。
http://castingnet.jp/sp/shop/detail.php?s=44&no=10608
先程こちらを見て決めました。
次はスティーズSVTWを買ってみます(笑)
それではこれからも更新楽しみにしてます!
>すみださん
コメントありがとうございました!
共感頂く事が出来、本当に嬉しく思っています。
私自身はJドリームを使った事が無いのですが、シマノ派の友人が高い評価をしていまして、その理由としてやはり「剛性感」を挙げていました。
ですからダイワさんも、その気になれば出来るはずだと思うのです。
ですから本当に、勿体なく感じるという次第です。
ご批判も色々と受けたこの記事ですが(苦笑)、偽らざる私の本音を書かせて頂きましたw
それを評価し、応援して下さる方がいらっしゃるおかげで、これからも更新していけます(^^♪
それではこれからもよろしくお願いします!
古い記事に申し訳ありません。非常に興味深い内容ですね。実際にジリオンを使っていてその『精度』について感じるものがありますね。おっしゃられた通り、部品単体ではそこそこ精度よく作られていると感じます。があくまで『単体』です。私は精密器機の組み付くけをしていた経験があります。また、計測器機のセールスエンジニアでもありました(今は違う)その経験からです。
さて、ジリオンを使って、さらにばらして見た私の感じた感想をお話します。各部品は非常にしっかり作ってありました。しかし、組み付けに必要なクリアランスが全く考えられていないように思えます。メインギアとピニオンは特にです。それゆえ新品状態ではスムーズに回り軽い巻き心地です。しかし、使用することで馴染んできます。いわゆる”ならし”ですね。ならしが終わった辺りからからシュルシュル、コトコトが発生しました。そのためばらしたのですがピニオンとメインギアに遊びが無さすぎです。また本体とハンドル側のカバーがガッチリはめ込む形のため組み付け時に”あたり出し”が出来ないです。私個人の意見ですが、組み付けに必要な遊びが考えられてないと感じます。部品精度は高いが商品としての完成度は低いです。消費者の私としては単体精度なんでどうでもよく、組み付け、完成した製品としての精度が重要です。ならしまで考えて作る事が重要です。その辺が一切考えられてないなと感じた次第です。
勘違いされる方も多いかもしれませんがリールにも『ならし』は必要と考えます。どんなに精度よく歯車を作ろうが必ず加工跡が出来てしまいます。この加工跡は非常小さいものですが組んで回すことで加工跡がつぶれます。そこからが本番です。皆さんが良く言う『あたりがついた』状態です。この状態は非常安定していて歯車の表面強度が上がります。加工跡が潰れる塑性変型がおき硬くなります。(針金をくの字に曲げると曲がったとこが硬くなりますよね)
プロフェッショナルな方からの、ディープなご意見ありがとうございました!
やはり「部品」ではなく完成した「機械」としての精度を考えると、クリアランスをどうコントロールするかは決定的に大切なのですね・・・。
私などは直感的にそう感じていただけなのですが、その道の方にこのように言って頂けることは本当に嬉しく思います(^^♪
今後ともよろしくお願いいたします!
今始めてこのサイトを拝見しました。仕事でブラジルに4年おりまして、2ヶ月に一度ピーコックを釣っているものです。昨年12月の帰国時に、ジリオンSVTWの各ギア比違いを4機購入しブラジルで使用始めたのですが、問題が二つ起きています。一つは、PEとショックリーダーの結びがリトリーブの最後でどうしてもTWSの枠に引っ掛ってしまい、リーダー無しのPE直結にするしかなく、ラインブレイク多発。もう一つバスの数倍取り込みを早くせねばならない関係からギアをマックスに締めて取り込む必要があり、それが原因からか4機のうち2機のドラグが既に効かなくなっています。ブラジルで使用しているという特殊事情があるとは思うのですが、ジリオンは耐久性が売りと聞いて4機購入したのですが、シマノ・ブラジルのスタッフからは、ほれみたことか、と先日言われてしまって、ちょっと悩んでおります。私はジリオンタイプRのUSAモデルをこちらで購入してピーコックにはまったので、ダイワ大好きなのですがダイワUSAとダイワ日本でかなり耐久性が違うと感じております。
ブラジルからのコメントありがとうございます!
個人的にピーコックはTVでしか見たことが無く、憧れの魚のひとつです(^^♪
さて結び目の枠の問題ですが、ベイトだと特に悩ましいですね。
ところで私は良く知らないのですが、USAモデルと日本モデルで、耐久性に差があるのでしょうか?
確かに耐久性が売りとして宣伝されてはいますが、私の周りではそもそもダイワのベイトは耐久性が低いという事で見解が一致しているところです。
(ジリオン含めて)
もちろん他に良い点もたくさんあるダイワ・ベイトですが、ピーコックなら大きめのコンクエスト等の方が良いのかも?と言う気もします。
(今年出たスティーズAには少しだけ期待していますが)
ジリオン TYPE R 100HSHR = MADE IN JAPAN これはブラジルで7万円くらいで買いました(輸入のタックス関係してます)一方、今のジリオンは全て MADE IN THAILAND でそこが違うと思います。日本ブランドだから高くても買いたいと海外で思ってくれてる間に、買ってよかったと思われる品質を海外の人に提供しないととと感じます。ただひっくりかえしてMADE IN CHINA と書いてあるとブラジル人はがっかりします。南米全てですが、1シマノ 2アブ 3ラパラ 4ダイワ と位置づけられています。サンパウロのフィッシングショーのブース位置もそうなってます。彼らは給料の一年分をはたいてジリオン買っている場合もあって、その人らを喜ばせる義務が MADE IN JAPAN にはあると考えます(固い意見すみません!)
いやはや仰る通りです!
非常に参考になる情報ありがとうございました。
海外生産になっている最近のダイワさんの品質には、私の周りでも疑問を感じている方が多く・・・。
MADE IN JAPANの名に恥じないモノづくりをして欲しいと切に感じています。
それではkれからもよろしくお願いします<(_ _)>