18Jul
偏光レンズのカラーは、どのようにして選べばよいのか?
最も基本となるグレー系カラーの名作、“トゥルービュースポーツ”。
そのメリットはナチュラルな色彩と、偏光度の高いクリアな視界にありました。。。
偏光グラスのカラーセレクト
皆さんこんにちは、KenDです。
さて前回までで、偏光レンズを構成する3大要素、「偏光度」、「可視光線透過率」、「コントラスト」について書いてきました。
今回からはそれを踏まえて、具体的な偏光レンズのカラーセレクトを考えてみたいと思います。
尚、第1回で書いたように、本特集はTALEX製レンズを題材にして偏光グラスを勉強してみる、という企画です。
よってタレックスのレンズカラーを例示して話を勧めますが、カラーセレクトの基本的な考え方には共通する部分が少なくないと考えています。
というわけでまずは最も基本的な、「グレー系」レンズについて書いてみたいと思います。
ナチュラルにしてクリア。最も基本となる「グレー系」
さて、最も基本的な偏光レンズカラーとして有名なのが、グレー系の「トゥルービュー」と「トゥルービュースポーツ」ではないでしょうか。
この手のグレー系カラーの特徴は、まず第一に「色彩がナチュラル」だという事では無いでしょうか。
ブラウン系やグリーン系など色味の付いたレンズは、どうしても肉眼で見た時との色合いの違いが出てしまいます。
その点、グレー系は最も色調変化の少ないナチュラルな視界が得られるという事で、TOP50の市村直之プロはそのメリットを以下のように語っています。
色の再現力と偏光性能のバランスがとにかく凄い。
具体的には、地上にある岩盤が水中への伸びていくとします。
レンズを通して地上と水中の世界をガラッと変えるんじゃなく、リアルなまま水中に視野を移せる。
全国のフィールドで、まずグレー系のトゥルービュースポーツを使う理由はそこ。
そしてもう1つ重要なポイントとして、「偏光度・情報処理能力が高い」という点が挙げられると思います。
晴天時の強い日差しの中でも、眩しさを抑えながらも水中が良く見える。
偏光レンズとして当然と言えば当然の機能ですが、この基本性能を最も高く出しやすいカラーと言えるのではないでしょうか。
加えて第3回の時にも書いたように、TALEXのトゥルービュー系は偏光度が高いにも関わらず、可視光線透過率も高い。
この矛盾する要素を高いレベルでクリアする事で、乱反射を抑えながらも水中がハッキリ見えるのだそうです。
そのメリットを、クリアな北湖で活躍する琵琶湖プロガイドの長谷川耕司プロは、次のように語っています。
ディープでのワームの釣りでは想像以上にラインを見ることが重要です。
フォールだけじゃなくてアクションしているときも、バイトを取る時もずっとラインを見て判断します。
(中略)
この動作に、明るいからといって偏光機能が甘いと肝心なラインが見にくい。
日中、クリアな北湖でバスに対して距離をおいてアプローチするために。
水面反射を確実にカットできて、尚且つ深くまで水中視認できるカラーを追い求めた結果、長谷川プロのチョイスはトゥルービュースポーツに行き着いたのだそうです。
“トゥルービュー”と”トゥルービュースポーツ”の違い
ところで”トゥルービュー”と”トゥルービュースポーツ”は何が違うのでしょうか?
一言で言うとトゥルービューは純粋なグレー系、トゥルービュースポーツはそこに僅かにオレンジ系の色味を加えたカラーのようです。
そしてそれによって、ナチュラルな色彩バランスの中に、若干のコントラスト性能を加えてあるのだそうです。
これによってウィードや底質変化のエッジの立体感が強調された、メリハリの効いた視界を得られるとの事。
そしておそらく、このトゥルービュースポーツがTALEXの人気No.1カラーではないかと思います。
このカラーを愛用するカリスマ・ロクマルハンターの奥村和正プロは、「ギルネストパターン」において確実に釣果を左右するキー・アイテムと断言しています。
カナダ藻やセンニン藻を判別したり、エビ藻パッチを探すこともあれば、記憶の地形を辿りながら良質なウィード群からポケットを探すこともある。
この時、レンズに求めるのは情報処理能力の高さ。
暗すぎたり、鈍い偏光機能ではタイムロスが出てしまい、リズムを失う。特に、ブルーギルがネストをもつ6~7月は、このレンズ性能が確実に釣果を左右する。
多少の波間でも安定して得られる水中の様子は、ブルーギルのネストをピンポイントでおさえると同時に、周囲のウィードの高さを瞬時に把握できる。
つまり、手に取るルアーを絞り込める。
多くのトップアングラーが推奨する名カラー、“トゥルービュースポーツ”。
TALEXレンズを代表する、間違いのない最も基本的なチョイスと言えるのではないかと思います。
しかしこのレンズ、用途としてはどちらかと言うと光量の多い晴天時用。
と言うわけで次回は、雨~曇天のローライト時用のカラーセレクトを考えてみたいと思います。
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