5Apr
アメリカで目撃した、“真っ黒なクリアウォーター”。
摩訶不思議な水には、「濁り」の真実が秘められていた?
聖地フロリダが語りかける、“水色“と”濁り“の違いをシェアします。
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“水色”と”濁り”は違う?
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さてみなさま春本番という事で、赤が効くとかなんだとか、わいのわいの言いながらバスフィッシングを楽しまれている事かと思います(笑)。
(「アベログ」より。若人が赤のスピードトラップで楽しげにキャッチしておりました・・・)
こうしたカラーを考える時、重要になってくるのが「水の色」と「濁り」の2つではないでしょうか。
え、それって同じじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・。
今回はアメリカで体験した、摩訶不思議な“真っ黒なクリアウォーター“のお話をしてみたいと思います。
まっ黒なクリアウォーター
さて今年の1月、バスマスターオープンというアメリカのトーナメントに参加して来ました。
試合の舞台になったのは、ビッグバスの聖地・南部フロリダのキシミーチェーン。
どこまでも広がる広大なベジテーションカバーには、気が遠くなりそうなほど圧倒されたものです。
しかしそれよりもさらに衝撃的だったのは、“ブラック・ウォーター”と呼ばれる真っ黒な水の色でした。
画像で上手くお伝え出来ないのが歯がゆいですが、関東の醤油系の水色・・・ともまた違う、日本では全く目にした事の無い黒さ。
ところがさらに私を驚愕させたのは、「ここは水がクリアだね」という現地アングラーの言葉だったのです。
最初は何を言っているのか全く分からなかったので、色々なエリアで「ここはクリア?こっちはマッディ?」と聞きまくってみることに。
そのうちだんだんと私にも違いが分かってきたのですが、同じ黒でも大きく2種類に分けられるようでした。
まず1つは、“澄んだ紅茶のような透明感のある黒さ”(=クリア)。
そしてもう1つは、“赤だしの味噌汁のように粒子が浮遊した黒さ”(=マッディ)だったのです。
この時は風の強い日が続き、風表のエリアでは底荒れして湖底の泥がたくさん巻き上がっていました。
そうした場所は後者のようなマッディウォーターとなり、逆に風裏は前者のような”まっ黒なクリアウォーター”に。
つまり「ベースとなる水の色」と、そこに浮遊物が巻き上がる「濁り」とは別の概念なのではないかという事に気付いたのです。
しかし色がついている以上、クリアとは言え粒子が浮いているには違いないのでは?という気もします。
この違いはたぶん、「沈殿する粒子か否か」にあるのではないかと現時点では考えています。
例えば味噌汁を放置すると、底に味噌が沈んで上澄みは透明になると思います。
けれども紅茶はいつまでも色が分離しないという点が、水色と濁りの違いと言えるのではないでしょうか。
水色の正体
今回の話題、調子に乗ってさらにマニアックに突っ走ってもよろしいでしょうか(笑)?
次に気になるのは、どうして紅茶の色は沈殿しないのかという事ではないかと思います。
というわけで紅茶の成分を調べてみると、その色の正体は「タンニン」という物質なのだという事です。
(wikipediaより)
タンニン (tannin) とは植物に由来し、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物の総称であり、植物界に普遍的に存在している。
多数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ複雑な芳香族化合物で、タンパク質や他の巨大分子と強固に結合し、複合体を形成しているものもある。
分子量としては 500程度の低分子化合物から 20,000 に達する巨大な物まである。
あまり専門的な事は良く分かりませんが、とりあえず植物に含まれるある種の水溶性化合物の総称であるとの事。
ここで「そうか!」と気付いたのは、沈殿しないのは水溶性だからなのかという事でした。
つまり“水色“とは水溶性物質の色であり、“濁り“とは非水溶性粒子の色という風に整理できるのではないかと考えたのです。
(理科の得意な中学生あたりに、おじさん今頃気付いたの・・・とか言われそうですがwww)
そしてその時は、比較的クリアな場所にバイトが集中したという面白い現象がありました。
それはまたなぜ?と疑問は尽きませんが、本日はとりあえずここまでということで・・・。
というわけで「水色」と「濁り」、この2つを分けて考えることを強く意識させられたフロリダ釣行でした。
(ちなみにスピードトラップ↓は大小2種類ありますが、大きい方の1/4ozモデルは実際10gくらいあります。。。)
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コメント
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これは熱帯魚買ってる人からすれば、「そりゃそーだ」(ディスってるわけでなく)って内容なので、その辺の雑誌読めば意外と答えは出てくるかもしれないですね。
私には紐解く力がないです(笑)
ありがとうございます、他の方からもメッセージ頂いたのですが、そうなのですね!
熱帯魚雑誌、ちょっと買ってみたくなりました。
何かお勧めありますかね(笑)?
アクアリストでもあるフカです
いわゆる、ブラックウォーターと呼ばれる水の事でしょうか。ネグロ川がとびきり有名ですね
ご存知かもしれませんが、同ワードで検索すると面白い情報が集まるはずです
水槽でも擬似的なブラックウォーターを再現できますので、これを機にアクアリウムを始めてみるのも面白いかも知れません
フカさんもアクアリストだったのですねΣ(゚Д゚)!!
今回その道の方から色々コメント頂きまして、自分でもやってみたくなった次第です(笑)。
やはり実際に自分で水を作るようになると、だいぶ知識が深まるでしょうね!
水槽でマッディウォーターを作ったらそもそも魚が見えないし、
あっという間に魚が病気になって死んでしまうので、その効果の実験はできないですが、
一般的に南米の一部シクリッドなどにはマッディウォーターではなく
よくろ過されて清潔な、かつ、”こなれた””柔らかい”ブラックウォーターが必要だとされています。
(アクアリウムにありがちなわけのわからない伝わりにくい表現ですがw)
日本でも一部のダムでうっすら色がついている水があったりしますが、
ネグロ川のように濃くなるのは雨量なのか植生なのかはわかりません。
個人的にはこれが本当の意味での”ステイン”ウォーターだと思うのですが…。
アクアリウムでは下に溜まった泥を巻き上げるだけで病気になってしまう魚もいるので、
多分マッディウォーターは本当は中層の魚には良くないのだと思います。
単純にエラにつまって呼吸が苦しくなるだけでなく、細菌類も多いでしょうから
皮膚からの感染を防ぐためにぬらを多めに分泌しないといけないです。
バスも釣れる水系によってぬらの量とか匂いが違う気がします。
なるほど、エラに詰まるだけでなく細菌類の感染なども考えられますか・・・。
確かに水域によってぬめりに違いがあると感じますが、そうした観点で見るとまた面白そうですね!