14Sep
フィネスにしてヘビーなフロッグロッド、“B67 Frog“
異端のフィーリングの秘密は、ブランクの「内側」にある!?
ロッドパワーの謎を解く、特殊構造を推理します。。。
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異端のフロッグロッドの謎
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて今週初め、異端のフロッグロッド“ブラッカートB67 Frog”について書きました。
よく曲がるライトフロッグロッドなのに、なぜかトルクは極太・・・。
フィネスなのにヘビー級!?という、異常なフィーリングに驚かされた1本でした。
以前も少し書きましたが、現代のフィッシング・ロッドの違いというのは基本的に「味付けの差」ではないかと思っています。
どのメーカーでも調達する素材にそんな違いがあるわけでもないでしょうし、実際に焼くのは中国の工場。
それもそんなに多くの選択肢があるわけではないようで、どことどこのメーカーは同じ工場で焼いてるよ・・・なんて話もよく耳にします。
ですから製造技術の差というのは案外小さくて、どういうフィーリングに仕上げるかというセッティングの面が大きいのではないかと感じるわけです。
しかしこのB67 Frogに限っては、何か製造方法から根本的に違うのではないかと疑わざるを得ませんでした。
それほどまでに変な・・・と言っては失礼ですがw、異質さを感じる使用感だったのです。
ところがゼナックの「中の人」に聞いても全く教えて頂けないので(苦笑)、今回は私の超・勝手な想像をシェアしてみたいと思いますwww
(ですからメーカーの公式見解とかでは全くなく、思い切り間違っている可能性も大である事をお断りしておきます)
細くて重くてダルいブランク
というわけでこのロッドの謎を解明しようと頭をひねってきたのですが、全く良いアイディアが浮かびませんでした。
しかし観察する中で一つ気付いたのは、「意外なほどバットが細い」ということ。
これは7ftクラスのヘビーフロッグロッドはもちろん、さらに短いWSC65MHよりも細かったのです。
(しまった、返却する前にバットの比較写真撮るの忘れました・・・汗)
だってそれはライトフロッグロッドなのだから、細め・弱めにデザインしてあるんでしょ?と思われるかもしれません。
ところが不思議なのはここからで、このロッド細くて短い割にかなり重い(苦笑)。
そしてこの手のロッドとしては、結構バットまでボヨンとしたダルい印象を受けたのです。
けれどもこの違和感、実は初めてというよりもどこかで経験したようなデジャブ(?)感を覚えました。
これ、何だっけ・・・?と考えながら過ごしていたある日、「あっ!」と思い出したのは記事を書いていた時の事。
オールソリッド・ロッドを触った瞬間、このフィーリングに似ている気がする!・・・と閃いたのです。
ソリッド”バット”なんてアリ???
しかしもちろん、B67 Frogがオールソリッドだと言う意味ではありません。
この長さ・硬さのロッドを本気で全部ソリッドにしたら、とんでもない重さになってしまうはずだからです。
ですからソリッドではないにせよ、限りなくそれに近いブランク・・・。
つまり内側のカーボンが極厚の、異常なまでに中身の詰まったチューブラーなのではないか?と考えたのです。
実はゼナックには、“イカリブランク”という特殊構造のジギングロッドがあります。
スロー系のジギングロッドは、ロッドの反発力でジグを跳ばすために高弾性素材がよく使われるのですが・・・。
これがまた大型の青物を相手にするものですから、ものの見事にバキバキ折れる(泣)!!
それを解決するため、ブランクの「潰れ」を防ぐ“カーボンコア“を詰めるという製法が採用されているのです。
(Zenaqホームページより。スロジギをやる人であれば、きっとポセイドンを折って泣いたことがあるはず。。。)
B67 Frogにもこのイカリブランク構造が採用されているのか?までは分かりませんが、少なくともゼナックがロッドの潰れに対して強いこだわりを持っていることが窺えます。
そしてこのロッドは、Blackartシリーズの中でも群を抜く破断強度を誇る事がアピールされています。
ロッドの折損についてブランクの潰れが大きな原因となることは以前もシェアしましたが、逆に言えば折れづらいロッドを作るためには「ブランクの空洞を極力少なくする」事が有効・・・。
だとしたらB67 frogのブランクには、限りなくソリッドに近い、内腔の狭いチューブラーが採用されていると考えるのが自然ではないでしょうか?
そうだとするならば良く曲がるロッド特性や重さ・ダルさ、さらにはチューブラーとしては考えづらいほどのリフティングパワーにも納得がいくように思うのです。
ただしティップ部分は全くソリッドっぽくなく、先が曲がらなくてベリーからベンドし出すような感覚。
ですから中身の詰まったバットとは逆に、ティップ部分はむしろブランクを薄くしてストレートティップのチューブラーのように味付けてあるのかもしれません。
世の中には先端だけソリッドを継いだ「ソリッドティップ」ロッドはたくさん存在しますが、その反対にソリッドブランクにチューブラーティップを継いだような、「ソリッドバット(!?)」のような構造になっているのではないかと推測しているというわけです。
(完全なソリッドではおそらくないでしょうが、限りなくそれに近い厚巻ブランクなのではと・・・)
というわけで異端のフロッグロッド、“B67 Frog”の構造について(勝手に)考えを巡らせてみました。
くどいようですがゼナックの方は全くヒントをくれませんので、完全に私の妄想かもしれません(苦笑)。
もしも財力と勇気のある方がいらっしゃれば、ぜひこのブランクの切断面を撮影して見せて頂きたいと思っています(爆)。
・・・で、買うの?
というわけで今回の推理が正解かどうかはさておき、B67 Frogのフィーリングには正直かなりビビっと来ました。
結構本気で欲しいのですが、問題はその圧倒的なプライス(泣)。
ゾディアスやフルレンジに馴らされてしまった身としては、5万のロッドというのは果てしなく高く感じます。。。
ステンレスSICガイドを採用して、せめてあと1万円プライスダウンしてもらえないものかと本気でお願いしたいです。
(しかもこれは単なるコストカットではなく、耐久性的にむしろその方が良いと思うのですが。。。)
あとは琵琶湖が主戦場の身としては、正直6フィート7インチはやや短いという印象はぬぐえません。
え、長いフロッグロッドは苦手って言ってなかった?と突っ込まれるかもしれませんが、それは7.2フィートとかのお話。
個人的には7フィート弱、6’10くらいのフルサイズ・フロッグロッドが出たら間違いなくリアクションバイトします(笑)。
というわけでたぶん私は買わないと思いますが、アシ際などを撃つバンクビーティング・フロッガーには非常に魅力的な一本だと思います。
特にダビートやブロンズアイJr.など、小型フロッグを愛用するなら欠かせない右腕となる事でしょう。
というわけで久々に、「作り方からして違う」と感じた非常に面白いロッドでした。
(ロッドをお貸し頂き、さらには好き勝手インプレを書かせて下さったZenaqさん、ありがとうございました!)
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コメント
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>ステンレスSICガイドを採用して、せめてあと1万円プライスダウンしてもらえないものかと
チタントルザイトからステンレスSiCにしても1万円は下がらないですね
ガイドの定価で比較しても前者と後者の差って5~6千円位じゃないですかね
あと質問なのですがKenDさんて良くロッドの記事でトルクと言う単語を使いますが
記事読んでるとリフティングパワー=トルクとおっしゃってるような気がしますが
KenDが認識しているロッドにおけるトルクとはどのようなものですか?
ぬぬぬ、そうなのですね~・・・(;´Д`)
基本的にリフティングパワーとトルクはほぼ同義で使っていますが、結局のところ「魚を浮かせる力」という風にとらえています。
それは単に反発力とかだけではない概念だと思うので、大変難しいかと思うのですが。。。
よろしければ下記の記事もご覧いただければ幸いです。
http://deeepstream.com/2018/08/06/liftingpower/
初めましてKenDさん。
いつも楽しく読ませていただいております♪
今回のロッドの話も奥が深くて参考になりました。
もしも機会がありましたら、KenDさんの書くデジーノロッド(レーベン、ステルス、バンテージ、ダンパー、レジューラ)のインプレ等も読んでみたいです!
私が感じている感覚とは違った、別の方向からの記事が楽しみです!(もしも実現すればですが、無理はしないでください)
ちなみにステルス:超高感度ソリッドティップ、レジューラ:高弾性クイック操作、バンテージ:高耐久ハイリフティングパワー、ダンパー:高耐久ハイトルクモデルとなってます。(レーベンはいろいろなモデルがあります)
私は今まで使ったロッドで、一番衝撃を受けたのがデジーノロッドで、特にステルスシリーズのPBFモデルとレーベントルクチューンのM/Hでした。
いつもありがとうございます(^^♪
実はデジーノのロッドもすごく気になっているのですが、なかなか試してみる機会が無く・・・(;^ω^)
何とかしてどこかで触ってみたいと思います!