30Apr
ジャパニーズルアーの代表格として、独自の進化を遂げた“シャッド“プラグ。
ワームで釣れないバスを釣る、まさにタフコンディションの切り札ですが。。。
エリートプロの視点で、イチから徹底解説して頂きます。
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シャッドプラグの”出しどころ”
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
コロナ騒動で遠出できず、ストレスが溜まっている方も多いかと思いますが・・・。
そんな皆様のために、今回はエリートプロ・宮崎友輔選手にレクチャーをお願いいたしました。
というわけでシリーズとしてはちょっと異色(?)となる、日本的な”シャッドプラグ“について教えて頂きます。
さてシャッドと言えば、ジャパニーズ・ルアーの代名詞と言っても過言では無いかもしれません。
あまりにも有名な“シャッドラップ(ラパラ)”や“CCシャッド(コットンコーデル)”等に源を発し、名作“ベビーシャッド(ラッキークラフト)”が誕生した時からジャパニーズ・シャッドの歴史が始まったわけですが・・・。
その過程を紐解いていくと、アメリカンなシャッド(=シャッドというベイトフィッシュを模したクランクベイト)とはまた別な、日本独自のオリジナリティに溢れたジャンルだと言えると思います。
その詳細については、シャッドの生みの親とも言える加藤誠司さん出演の動画↑を観て頂くのが一番だと思いますが・・・。
共通項を挙げるなら「小型」・「タイトアクション」・「ロングビル」・「サスペンド(orスローフローティング)」といったあたりで、シャッドラップとスプーンビルミノーとジャークベイトを掛け合わせたような性格を持ったプラグと言えると思います。
これによりタフコンディションにめっぽう強く、先日のバサーオールスタークラシックでも多くのキッカーフィッシュを獲ったキー・ベイトだったと言えるでしょう。
(site Bより。初日トップの江口選手のキーベイトはレベルシャッドでしたね。。。)
シャッドには明確な出しどころがあって、それは“ソフトベイトが全く効かないほどのタフコンディション“の時。
そういうタイミングでシャッドラップのような、ハイピッチ・タイトアクションの小型プラグだけがバイトを出せる事が多々あるわけ。
だから元々は寒い時期のロックバンクのマウンテンリザーバーや、プアーなクレーバンクの岬周辺でよく使われるようになったのが最初だと思う。
(得意なのは岩系カバーで、ウィードレイクならバイブレーションの方が効くことが多い)
ただし低水温期だけでなく、秋のターンオーバーなどでタフった時にも効くのは意外と知られていないかもしれないね。
そんな対タフコンディションの切り札ともいえるシャッドですが、一体なぜそんなに効くのでしょうか。
リアクションだとかトレブルフックで掛けやすいとか、巷説色々言われていますが・・・。
正直言って理解に苦しむところで、どうして釣れるのかと言う理由の部分はいまいち良く分からないんだよね。
小さければ良いわけでもないらしく、例えば同じ状況でスモールスピナーベイトが釣れるかと言うとシャッドには敵わない。
世の中には色んな説があるけど、あまり理由をこじつけると逆にリアルから離れてしまうような気がする。
だからそういうタフな状況で小型プラグのタイトアクションが効く、っていう膨大な経験則をそのまま事実として受けとめるのが大事なんじゃないかな。
基本は”タイト”なスローリトリーブ
次にシャッドの有効な使い方についてですが、シャッドには大きく分けて“トゥイッチ”と“ただ巻き”の2種類の動かし方があります。
ルアーもスーパースレッジに代表される“ダート系シャッド”と、近年流行りの“巻きシャッド”に2分されると思うのですが・・・。
こうしたルアーやアクションを、シチュエーションに応じてどういう風に使い分ければ良いのでしょうか。
もちろん早巻きやダートで使っても釣れるけど、その手の使い方はまだバスの活性が残っている時に有効だと思う。
タフコンディション下であれば“タイトなスローリトリーブ“が基本で、カバーに軽くタッチさせながらボトム付近を舐めるようなストップ&ゴーが効果的。
バスのストライクゾーンが狭くて追わない時に、目の前を通して口を使わせるイメージかな。
早く泳ぎ去ると駄目だからゆっくり巻くし、喰い上げもしないからカバーに当たった時に浮かずにステイするのも重要なポイントだと思う。
タフなほど大ぶりなダートは効きにくいけれど、要所で細かくトゥイッチを組み合わせるのはアリだね。
確かに近年はカバー周りでの巻きシャッドが一般化してきたように、タフなほどストレートリトリーブが有効になってくるという事のようです。
そんな状況でベイトフィネスを使う機会も多くなってきたように思いますが、アプローチはどのような事に気を付ければ良いのでしょうか。
もちろん8~10lbフロロのベイトフィネスタックルは、カバー周りで切られないためには非常に有効だと思う。
ただし時に“飛距離“も大事な要素で、飛ばさないとボトムが取りずらい状況ではスピニングも絶対必要。
ボトム付近のレンジが勝負だから、潜らせる助走が必要な時はプロダクティブゾーンがすごく狭くなってしまうからね。
逆に岸から徐々に深くなっていく斜め護岸などでは、斜めに引けばショートキャストでもボトムを舐めながら引いて来られる。
いずれにせよいかに「ボトムに触るか触らないかのレンジ」を長く通すかが重要で、タッチし過ぎも良くないから注意して。
ところでそのようにボトム付近を狙う必要があるとすると、狙えるレンジには限りがあるような気がします。
現在市販されているシャッドでは、せいぜい3m台までしか潜らせられないと思うのですが・・・。
トーナメントでは制限があるけれど、ドラッギングすればかなりのディープまで潜らせられるよ。
あとは日本でやっている人は少ないと思うけど、アメリカではシンカー付けてテキサスリグにするのも一般的。
それでトローリングしているアングラーも多いから、フィールド環境が許せば試してみると良いかもね。
ルアーセレクトとタックルチョイス
これらのことを考え合わせると、まずしっかり潜ってボトムを取れることや、カバーに対して根がかりにくい事がルアーに要求されるのではないかと思います。
そのためには小型でもしっかり飛距離が出ること、そしてアクションのレスポンスも大切になってくるのではないでしょうか。
その上でトゥイッチでしっかり動くことも必要・・・となってくると、シャッドプラグに必要な要素は膨大なものになってくる気がします。
そもそもルアーは小さいほど作るのが難しいんだけど、その上要素が多過ぎて同じことが出来るアメリカンルアーは無いと思う。
だからシャッドプラグはジャパニーズ・ルアーのオリジナルジャンルで、まさに日本の高い製造技術の結晶なんじゃないかな。
正直今評価されているシャッドはどのメーカーの物も非常に優秀で、20年以上前に出来たベビーシャッドでさえまだまだ現役の実力を持っていると思うよ。
そんな優秀なシャッドプラグの中で、あえてお勧めするとしたらどんなルアーが挙げられるのでしょうか。
日本的なシャッドからは外れてしまうけれど、まずはシャッドラップの5,7,8あたりはどうしても外せない不動の定番だよね。
飛距離は出ないし板オモリ貼ったりする場合もあるけど、やっぱり真似の出来ない独特のアクションがある。
ツアープロレベルなら今でも現役のマストアイテムで、BOXに入れてない選手は居ないんじゃないかな。
(kohoku-fishingさんより。こちらの記事↓もぜひ参照してみて下さい!)
シャッドラップ(ラパラ)インプレ。何処でもどんな魚でも良く釣れる
それから日本的なシャッドで言うと、しっかりボトムを掴むという意味では飛距離が出て深度別のバリエーションがあるソウルシャッドは貴重だと思う。
浮き姿勢と言う意味では、レベルシャッドなんかも良く考えられてるなぁと感心したよ。
色んなシャッドを研究し尽くして作られたスティーズシャッドも、非常に高い総合力を備えてる。
(レベルシャッドには、”スプリンター”というちょい大きめモデルもあるようです。。。)
ただ個人的に一番好きなのは、もう廃盤になっちゃったけど“Dシャッド“だね。
ちょっと大きめの60mmサイズで、固定重心だけどベイトで十分投げられるのが気に入ってる。
やっぱりカバー周りでは、8~10lbフロロのベイトタックル+固定重心のアドバンテージは確かにあると思うよ。
状況に応じてベイトとスピニングを使い分ける必要があるとの事ですが、タックルセレクトはどのような点に気を付けるべきでしょうか。
巻き物でかつ低水温期であれば、ショートバイト対策にグラスロッドが有効な気もしますが・・・。
グラスも一つの選択肢だけど、ボトムを舐め過ぎても根掛かりが増えて使いづらい。
ボトムタッチさせることを考えると、少しティップが入る、張りの強過ぎないカーボンロッドが良いと思う。
スピニングはロングキャストする必要性から7ft前後、ベイトだと6’6″くらいのL~MLが基準になるかな。
他にルアーの調整として、ジャストサスペンドにするために板オモリを貼ったりという事はあるのでしょうか。
シャッドはルアー自体が小さすぎるので、オモリではなくフックやスプリットリング、スナップで微調整してる。
ただし大切な事は実用領域でサスペンド~ごくわずかなスローフローティングにする事で、これによってカバーの回避能力が格段に違ってくる。
良くある間違いは足元で見てジャストサスペンドにしちゃうことなんだけど、これだとフロロラインの重さのせいで、フルキャストした先ではシンキングになっちゃってるんだよね。
それからフックの鋭さは決定的に重要なので、こまめな針先チェックはマストだよ。
確かにこの手の釣りは根掛かりがつきものだと思いますが、「足元でジャストサスペンドに調整しない」と言うのは意外に盲点かもしれません。
わずかにスローフローティングにしておくことで、スタック率は劇的に変わるのではないでしょうか。
というわけで低水温期に限らない切り札ルアーとして、ぜひ“タフった時のシャッド”を試してみて頂きたいと思います。
宮崎選手、今回も詳しくありがとうございました!!
(ちなみにKenD的には、一つだけ選ぶならまずソウルシャッドの58SPが良いかなぁと思ってます。。。)
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コメント
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いつも拝見しています。もしよろしければ教えていただきたいことがあります。今回の記事に少し登場していたカルカッタコンクエストbfsについてです。
最近、フィッシュマンのビームスローワー86lという番手を購入しました。このロッドに合わせるリールを探していて、第一候補が、カルカッタコンクエストbfsなのです。
私はトラウトメインの釣りです。湖やダムでウェーディング、基本的にできるだけ遠投するというスタイルです。5gから15gのルアーを使っています。スプーン、ミノー、ジグミノー 、クランク、バイブレーション などです。これらのウェイト、ルアーをバーサタイルに扱えるリールを探していて、カルコンbfsかな?と思ったしだいです。
しかし、気になることがあります。それは、ルアーウェイトの上限です。
以前の記事で、カルコンbfsは重たいルアーはバックラッシュして使い辛いという記述がございました。ここで質問なのですが、私が使うルアーの中で重たい部類となる10gから15gのルアーを遠投しようとすると、バックラッシュする可能性はありますか?
この点につき、ご教示、アドバイスをいただけるとうれしいです。
ちなみに、カルカッタコンクエスト100hgをアベイルのマイクロキャストスプール付きで保有しています。こちらの方が汎用性があるのでしょうか?
いろいろ試したいのですが、コロナ的に何もできない状態です。
長い文章ですみません。コメントいただけると、うれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます!
私はトラウトの経験が無いので想像になってしまいますが、そのルアーウェイトの範囲では問題なくカルコンBFSで使えると思います。
(もちろん絶対にバックラッシュしないという事ではありませんが)
バスフィッシングですと1/2oz(14g)は中量級になりますので、重いルアーと言うと1~2oz(28~56g)くらいをイメージすることになると思いますので・・・。
アベイルマイクロキャストスプールの選択肢もありますが、5gを投げるのがきついのでその用途ならカルコンBFSが良いのではないかと(^^♪
いつも拝見しています。もしよろしければ、教えていただきたいことがあります。
カルコンbfsについてです。「つぶしがきかない」という記述がありました。これは適合ルアーウェイトの幅が狭い、重たいルアーは苦手、、ということかと思います。10gから15gのルアーを遠投しようとすると、バックラッシュする可能性はありますか?私はトラウトメインで5gから15gのルアーをできるだけ遠投するスタイルです。
ご教示頂けるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。
記事投稿お疲れ様です!
自分も基本事項を正確に、忠実にこなしてくれるのでソウルシャッドは大好きなシャッドですね〜
自分も、基本的にはシャットはスロー巻きで使うのですが、晩冬〜梅雨前くらいには逆にガンガンに早巻きで使うことが多いですね!晩冬〜プリスポーンまではそのままリアクションでの喰わせとして有効ですし、今頃〜梅雨くらいまではスポーニング疲れが抜けてやる気のある個体の有無がはっきりと出るのでスローに行くべきかハイテンポに攻めるかのリトマス紙に使ってます
いつもありがとうございます!
やはり低水温期のスロー巻きは鉄板ですよね(^^♪
私もシーバスをやっていた時の経験から早巻きで使うのも大好きで、その意味でもソウルシャッドは泳ぎが破綻せず安定しているので気に入っています!