20Oct
タフな霞で驚異の6,800g(5本)をメイクした、世界的名作“DT”。
ラパラの誇るシステムクランクは、なぜ国内外の試合で勝てるのか?
トーナメントの最前線で活躍し続ける、マスターピースを解剖します。。。
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世界一のシステムクランク
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて先日霞ヶ浦で開催された、WBSジャパンオープンにて2018TOP50チャンプの早野剛史選手が優勝したそうで・・・。
初日驚愕の6800gを叩き出したディープクランク、DT10&DT14、そしてビックCの話題が沸騰しているようです。
(「早野剛史オフィシャルブログ」より。なお早野選手のtweetにDT12とありましたが、誤植だったようです)
WBS JAPAN OPEN SDG Marien CUP 優勝
というわけで今回は、世界的な名作ディープクランクである「DT®(RAPALA)」について書いてみたいと思います。
そこでまずこのDTシリーズですが、かのディビッド・フリッツが監修して作られたラパラ製バルサクランクになります。
つまりDT4,6,10,14,16,20の全6モデルで構成され、1.2m~6mというシャローからディープまでをカバーするシステムクランクとなっているわけです。
(©rapala.com ちなみにDTは“Dives-to”の略で、各モデルに書かれている数字のフィート数まで潜るようです。例:DT10=0.3×10≒3mダイバー)
そして星の数ほどあるアメリカン・クランクベイトの中で、DTシリーズがなぜ支持されているかと言えば「多くのトーナメントを制しているから」に尽きるでしょう。
DT16を使い2012年のエリートで初優勝を遂げたブランドン・パラニューク、2014年のバスマスタークラシックをDT6で勝ったランディー・ハウエル、そして2019年のクラシックをDT4で制したオット・デフォー等々・・・。
正確に数えたことはありませんが、もしかしたら世界で一番ウィニングルアーになっているクランクベイトシリーズと言えるかもしれません。
(それかストライクキングのプロモデルクランクシリーズではないでしょうか。。。)
(©fantasyfishinginsider.com パラニューク弱冠24歳!若い!!)
ピンポイントを射抜く”フィネスクランク”
それでは次に、そんなDTシリーズはどこがそんなに優れているのか?について書いてみたいと思います。
アメクラ(正確にはラパラはフィンランドですが)というと、ブルンブルンと派手に動くデカくて豪快なラウンドクランクを想像するかもしれませんが・・・。
DTシリーズは意外や意外、シャッドのようにプルプルと小刻みに泳ぐタイトウィグルのフィネス・クランクとなっているのです。
(DTと言えばこの人!アイクのオリカラも広く支持されていますね。。。)
という事は、ファットペッパーやマッドペッパーマグナムに近い感じ?と思われるかもしれませんが少し動きが違います。
これらの名作ジャパニーズクランクはロールの強い「ぬるぬるした滑らかな動き」だと思うのですが、DTはさほどロールしません。
ウォブル主体でパタパタと明確にバイブレーションしつつも、タイトでハイピッチな細かい泳ぎとなっているのです。
さらにDTはフラットサイドクランクのような、体高のある薄いボディ形状を採用しています。
クリアウォーターでバスによく見られた際、ラウンドクランクよりも食わせ能力が高いとされるフォルムですが・・・。
アクションの細かさと言い、対クリアレイクやタフコンディションを強く意識したコンセプトとなっているようです。
そしてこのクランクの重要な特徴は“急速潜行型“というポイントで、着水後は急角度で潜ってすばやく最大潜行深度に到達します。
ですから短い助走距離でウィードパッチやオダ、岩やハンプといったピンを狙うのに非常に向いています。
大型の水平リップによって立ち気味の姿勢で泳ぐので、カバーに当てても根掛かりしづらいのも大きなメリットだと思います。
さらには浮力も高めなので、カバークランキングでも止めればしっかり浮いて障害物をかわせます。
止めた後の泳ぎだしのレスポンスも素早く、ストップ&ゴーでも「打てば響く」ように小気味よく反応してくれます。
結果としてクリア&タフコンディションのピン狙いや、急深なリザーバーバンク撃ちに最適なモデルになっているのではないでしょうか。
(ちなみにもちろん固定重心。でもバルサには珍しくラトルが入っています)
唯一無二の量産バルサクランク
しかしここまで読んできて、「そんなコンセプトのクランク、他にもありそうだけど?」と思われるかもしれません。
けれども私の知る限り、実際には代用できるルアーはなかなか無いと感じており・・・。
その理由はDTシリーズが、世にも珍しい“量産バルサシステムクランク”だからではないかと考えています。
今はプラスチック製のクランクも随分と進歩して、「バルサのようなハイピッチ&ハイレスポンス」を謳う商品も増えてきました。
しかしラウンド形状やワイドウォブルのモデルはあっても、DTのようにフラットサイド(風)&タイトアクションのモデルはなかなかありません。
個人的な想像でしかないのですが、その理由はたぶんインジェクションでは実現が難しいからではないでしょうか。
(強いて言えば国産で近いのはブリッツMAXかな?アクション大きいですが)
例えばボディに厚みがあるラウンド形状であれば、空気室を多く取れるためプラ製でも高浮力を実現できるでしょう。
また水噛みの大きいリップでしっかりとアクションさせれば、ボディシェルが重めでもハイレスポンスなクランクが作れるのではないでしょうか。
しかしフラットサイド&タイトアクションという不利な条件でこの動きを出すためには、もともとアクション面で有利なバルサを採用する以外に無かったのではないかと思うのです。
(クランクを作ったこともない素人の想像でしかありませんので、間違っていればぜひご指摘いただきたいですが・・・)
そしてDTが偉大である最後にして最大の理由は、このクランクが“いつでもどこでも手に入る安価な量産ルアー“だという点ではないでしょうか。
正直ハンドメイド・バルサクランクの世界に足を踏み入れれば、「もっと良いクランクを知ってるよ!」という方は結構いらっしゃるかと思います。
私もその素晴らしさには賛同するのですが、入手の難しさや単価の高さを考えるとどうしてもコレクターズアイテムになりがちで・・・。
あくまでも“魚を捕るためのツール”として使いつぶす事を考えると、DTというのは唯一無二のバルサ・システムクランクと言える気がするのです。
(©BassProShops 個人的にはDT-4,6のシャローダイバーはまだ使いこなせていませんが。。。)
ですから個人的にDTシリーズは、ピンポイント・クランキングに最適なフィネスクランクと位置付けています。
琵琶湖であればウィードフラットを線で探るファットペッパー&マッドペッパーに対し、浚渫のピンやウィードコンタクト・クランキングにはDT10or14,16という使い分け。
今回の早野選手も霞ケ浦の浚渫で使用したそうですが、そうした場面でDTが活躍するのはなるほど納得といった感じがします。
(出しどころとしてはブリッツMAX-DRや、ショットオーバー5とかぶりますかね。。。)
というわけでバルサなのに飛距離もまずまずで、特殊なギミックは無いものの「死角のない超優等生クランク」、ラパラ”DT®“。
このクランクが長年米国トーナメントの一戦で活躍し続けているのを見ると、やはり実用ルアーには”使いやすさ”が大切なのだなぁと感じます。
アメリカで効くのみならず、日本のフィールドでも使いどころが多い事が今回の勝利で証明されたと言えるでしょう。
ブラックフライデーSALEで大人買いするのもアリですし、国内のショップでも割と見かけるのでぜひ一度試してみて頂きたいと思います。
(ただしバルサなので製品ムラはどうしても避けられないかと・・・同時にいくつか買っておくことをお勧めします)
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