アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[D] ’22バスマスターOPENサムレイバン参戦記-4- Day2・”勝負”

ストロングパターンの崩壊に、必死のアジャストで食い下がった試合初日。
奇跡の逆転を信じて、Day2はハイリスク・ハイリターンの勝負を敢行!
荒れ狂う湖を縦断し、信じるルアーを握りしめます。。。

勝負

皆さんこんにちは、ディープストリームのKen-D(けんでぃ)です。
直前プラでストロングパターンを見つけるも、180°変わった風向きによって完全崩壊
試合初日は一度も釣った事の無かった南岸で、何とか4本を絞り出しての16位スタートでした。


スコア的にはまだまだ逆転のチャンスはあるものの、単日20lbに届く可能性のある持ちパターンは2つのみ。
すなわち

1.ディープ・ブラッシュパイルのフリーリグ
2.ボディウォーターラインのディープクランキング

の2択のみでした。

しかし2日目も南寄りの爆風のため、機能する風裏のブラッシュパイルを1つしか見つけていないのが致命的。
新しい群れが入ってこなければ、自分でスポットを釣り切ってしまう危険性が高いと考えられたのです。
後は試合中に新しいブラッシュパイルを探す手もありますが、直前プラの半日で1つしか見つけられなかったことを考えると、リスクは極めて高いと言わざるを得ません。

それに対してディープクランキングについては、おそらく誰とも被らないエリアを少なくとも3か所は持っています。
問題は広いエリアで回遊する群れを当てる釣りのため、かなり時間を掛けてやり切らないとタイミングをとらえられない点。
大型のスクールを当てれば爆釣もあり得る半面、空振りでゼロも紙一重のパターンだったのです。

つまりはどちらも確実性の低いパターンだったのですが、「それでも、リスクを取らなければ逆転の芽は無い」と判断。
一か八かの勝負をやり切るしか無いと心に決めて、荒れる湖面にアクセルを踏み出して行きました。



枯渇

そしてプレーニングを解いたファーストポイントは、中下流域南岸のブラッシュパイル。
昨日3本のバスを抜いたスポットが、果たして機能するのか否か。
しかしそんな心配をよそに、一投目からコツっと明確なバイトがティップを叩きます。

ファーストキャストでの1尾目に、一瞬ホッと胸をなでおろしますが・・・。
サイズはこれまでのこの場所で最小の、目測2lb半(約1kgアップ)。
もしやこれはという嫌な予感で、背中にスッと冷たい感覚が走ります。

その後は反応が続かなかったため、周囲のB級スポットでキーパー取りをしながら場所を休ませます。
ライトリグ等を駆使してバイトを取るも、釣れてくるのは14インチ(約35cm)をわずかに下回るノンキーばかり。
分かってはいましたがこれでは埒があかないと、再び狙いのブラッシュパイルに入り直します。

しかし期待通りバイトは得られたものの、コツという小さな当たりで乗せられません。
セカンドキャストはかなり待って持って行かせたものの、抜きあげたのはノンキーサイズ・・・。
いよいよ自分でスポットを釣り切ってしまい、魚が枯渇したことを示すサインでした。

岐路

想定内の事態ではあったものの、しかし次の展開をどうするか私は非常に戸惑いました。
あるか無いか分からないブラッシュパイルを探しに行くよりは、クランキンに勝負を賭けたいと思っていたのですが・・・。
上流域のクランキン場までは距離がある上、湖上は爆風大荒れ
琵琶湖で例えるなら、風速6m(Yahoo!天気で)の風の中を彦根まで走るような大移動になるからです。

(©B.A.S.S.)

実はフルサイズバスボートに乗って間もない私には、ここまでのラフウォーターでのロングラン経験がありませんでした。
しかもこの日のコアングラーは、片足が悪いため杖をついている初老の男性
極めつけは湖のあちこちに顔をのぞかせているティンバー(立ち木)で、大波で見つけ損なえば沖でクラッシュの危険性もあったのです。

しかしためらう私の背中を押してくれたのは、他ならぬそのコアングラーの老人でした。
行くか否か迷っていると打ち明けた私に、その方は静かにこう言ってくれたのです。
「私は北の出身だから、若い頃から五大湖の荒波に揉まれて来た。どこへでも、自分が釣れると信じるところに行きなさい

それで私は固く締め上げたセーブフェイスの下で一つうなずいてから、フルスロットルで上流へとバウを向けました。
文字通り何度か宙を舞いながらポイントにたどり着き、濡れた手で握りしめたのは絶対の信頼を寄せるマグナムクランク。
南寄りの風に乗せてフルキャストすると、10XDは迷いなく青い空へと吸い込まれていきました。



戦い終わって

そうして激荒れのボディウォーターをクランキングでランガンし、10XDを巻き切った末の釣果は“ゼロ”
最後に南のブラッシュパイルに入り直しましたが、ノンキーがヒットしたのみで1尾:2lb-7ozでDay2をフィニッシュ。
総合順位を70位に落として、私のサムレイバン戦は幕を閉じる事となりました。

 

 

そしてこの日のトップウェイトは、ディープクランキングで驚異の31lb-4oz(約14.2kg)を叩き出したLogan Latuso選手。
初日の5lb台から大マクリして、一気に暫定トップに立ってみせました。
まさに当てたいと願っていた群れを、私はまぶしい物を見るように眺めていたと思います。

(©B.A.S.S. )

こうして一勝を願って臨んだ最終戦は、あえなく玉砕する結果に終わりました。
ただ、自分の中にはやり切ったという思いが強くて、不思議と晴れやかな気持ちすらしていました。
エリートプロ初め世界のビッグネームが集うオープンに、アマチュアの一般アングラーが体当たりしても当たって砕けるに決まっています。
むしろ自分の持つ精一杯をぶつけられたという意味では、よくやった方かなと思えたのです。

(©B.A.S.S. バスプロツアープロのキース・ポシェは、見事AOY獲得でエリート復帰!)

正直このOPENは参戦するまでの道のりが本当にキツくて、想定外のインフレや円安など「釣り以外」の戦いが過酷でした。
2年くらいはシーズン通して出場してみたかったのが本音ですが、やれるだけの挑戦は出来たのかな・・・といった考えも脳裏をかすめました。
ところが翌日に観た決勝Day3のLIVEで、私はガツンと頭を殴られるような衝撃を受ける事になるのです。。。

(続く)

 

 

 

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