14Nov
ジグロッドをディープに考える特集、第4回。
上手く使いこなせなかった電撃系・棒ロッド。
しかしもし、「扱いやすい棒ロッド」があったなら?
ブランクの弾性と反発の「速さ」について考えます。
第1回記事:【対決!ジグロッドの2大流派】
第2回記事:【栄光の「電撃アワセ」と挫折の歴史】
第3回記事:【あなたはどっち?「即アワセ」vs「待ちアワセ」】
●「高弾性」が操作をピーキーにする
「ガニングシャフト」に始まった、ガチガチの棒タイプのジグロッド。
電撃アワセに憧れて試したものの、使いこなせず挫折した経緯を書いてきました。
クイックな操作性や感度、フッキングパワーなど、メリットがある事は理解できたのですが・・・
結局は自分の腕で使いこなせるロッドとして、ソフトティップ系をチョイスしてきました。
しかし、どうして棒ロッドはこんなにも使いにくいのか。
それはほんの少ししか「曲がらない」事、そして曲がった後の「戻りが速い」事、おそらくこの2点ではないかと思います。
ロッドが大きく曲がらないのは、ティップが硬い棒ロッドなのだから当たり前。
そして曲がった後の戻りが速いのは、反発力の強い高弾性ブランクスだからだと思います。
戻りが速いと何が難しいかと言うと、例えばキャストする時に素早くロッドが戻るので、キャスティングのミートポイントが非常に狭くなります。
良く曲がるパワー設定のロッドならまだしも、元々ほとんど曲がらない棒ロッドでは、リリースするタイミングがすごくシビアになるというわけです。
アクションについても同じ事が言えます。
ジグを動かす時、ラインを張るとカツンと素早く反発してしまうので、どうしてもルアーを大きく引っ張ってしまいがちになります。
ですからそれを見越してラインスラック(糸の弛み)を調節するという、高度な技術が必要になると思うのです。
●「しなやかな棒ロッド」はあり得るか???
ここまで考えて、ふと思ったのです。
棒ロッド=高弾性と思い込んできましたが、もっと低弾性な棒ロッドと言うのは、あり得ないのでしょうか?
棒ロッドである以上、どのみちティップの入り「幅」はほとんど無いのは仕方ありません。
しかし、そのわずかに曲がったブランクが戻る「速度」が遅ければ、もっと扱いやすくなるのではないか?と。
しかし果たして、「しなやかな棒ロッド」などというものが、本当に世の中に存在するのでしょうか?
関連記事:【「しなやかな高弾性ロッド」はあり得るか?】
●スパイラルXはダルくなる?
ところでここ最近、自分の中でシマノのロッドが流行っています。
(以前は「シマノはリールメーカーでしょ?」くらいに思っていたのですが)
シマノブランクスに採用されている基幹技術に、「スパイラルX」というものがあるのですが・・・
色々な竿を触ってみる中で、1つ気付いた事がありました。
それは、「たぶん、スパイラルXと言う製法はブランクがしなやかになる」という事でした。
関連記事:【中の人(シマノ)に聞いたら、ハイパワーXとスパイラルXが全然違った件】
似た名前の技術に「ハイパワーX」というものもあります。
しかし実はこれは全然違う技術で、「スパイラルX」はブランクのメイン構造であって、(たぶん)特性としてダルくなりやすい。
逆に「ハイパワーX」はブランクの補強であって、逆に硬いフィーリングになりやすいのではないか、と思います。
(詳しくは上記リンクをご覧ください。)
どうしてそう思うようになったかと言うと、3種類のロッドの感じ方の違いからでした。
●エクスプライドとポイズンシリーズの比較
まずはこちら、「ハイパワーX」のみを採用したエクスプライドシリーズ。
このシリーズのロッド、使ってみると結構硬く感じます。
高弾性素材なのかと思いきや、実はメインブランクスは中弾性ぐらいとの事。
つまりハイパワーXによる補強の影響で、フィーリングが硬くなっているのではないかと思うのです。
次に、逆に「スパイラルX」のみを採用したポイズンアドレナ。
このロッドシリーズ、総じて言うとブランクフィーリングが凄くしなやかに感じます。
同じメーカーの竿ですが、カチッとした感覚のエクスプライドとは180°真逆な感覚。
そしてスパイラルXとハイパワーXを両方採用したポイズン・グロリアスは・・・
アドレナシリーズに近いしなやかさですが、同じ番手で比べると、どれも若干硬いように感じます。
これはつまり、しなやかなスパイラルXのメインブランクが、ハイパワーXを加える事で少しだけ硬くなったのでは?と理解しています。
●172H・[RUSHBURN]
すみません、脱線が長くなりました。
結局何を考えたかと言うと、
「しなやかなブランク特性のアドレナorグロリアスシリーズに、ジグ用棒ロッドは無いものだろうか?」という事です。
グロリアスシリーズのジグロッドと言えば、たぶん一番有名なのはイヨケンさんプロデュースの172H[ラッシュバーン]。
しかしこのロッド、個人的にはすごくダルく感じてしまいました。
もともとブランク特性がしなやかな上に、フロッグの使用を想定してか?かなりマイルドなレギュラーファーストテーパー。
タイプとして「ソフトティップ系」なのは勿論ですが、その中でもかなり柔らかく感じました。
この辺りは多分に好みの問題ですが、個人的にはちょっとジグにはなぁ・・・というのが偽らざる印象だったのです。
まぁでも普通、「しなやかな棒ロッド」なんてオタッキーな竿はラインナップされ無いですよね。
そう思って諦めかけていたのですが・・・何と何と、それを発見してしまう事になるのです・・・。
※次回こそ、最終回です!
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コメント
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はじめまして(^^)
様々な記事を読ませて頂きかなり勉強になります。
自分もジグロッドをかなり深く考えている最中、ブログを拝見させていただいたときまったく同じ考えでかなり共感させていただきました(^^)
自分も似た経緯なので(笑)
今はやっとシマノのグロリアスワイルドスティンガーに落ち着きました(笑)
更新楽しみにしています(^^)
>dr.dさん
コメントありがとうございます!
共感頂き嬉しく思います、て、言うか・・・あああ(/ω\)
次回の最終回を楽しみにお待ちください<(_ _)>