17Nov
ジグロッドをディープに考える特集、ついに最終回。
辿り着いた結論は、「しなやかで扱いやすい棒ロッド」。
投げる、動かす、掛ける・・・全てにおいて「打てば響く」、まさに腕の延長となる1本をご紹介します。
第1回記事:【対決!ジグロッドの2大流派】
第2回記事:【栄光の「電撃アワセ」と挫折の歴史】
第3回記事:【あなたはどっち?「即アワセ」vs「待ちアワセ」】
第4回記事:【「しなやかな棒ロッド」は存在するか?】
●本当にあった「しなやかな棒ロッド」
これまで全4回に渡って、ジグロッドについて考えてきました。
その中で自分がたどり着いた結論。
それは「ティップまで強い棒ロッドでありながら、しなやかで扱いやすい竿」・・・というものでした。
そんな矛盾した物があるか!と突っ込みが入りそうですが・・・
こんな都合の良いロッドが、本当に存在したのです。
それが、ポイズングロリアス1611H+[ワイルドスティンガー]です。。。
●「硬い」より「強い」
このワイルドスティンガー、タイプとしてはティップまでガチガチの棒ロッドです。
しかし棒ロッド=キンキンの高弾性、といった常識(?)を覆し、ブランクは意外なほどしなやか。
素材が低弾性なのか、それともスパイラルXの特徴なのかは分かりませんが、「硬い」より「強い」、そんなトルクのある鈍い力強さに溢れたロッドだと思います。
関連記事:【中の人(シマノ)に聞いたら、ハイパワーXとスパイラルXが全然違った件】
というわけで、その使用感についてレポートしていきたいと思います。
●操作性
まずは操作性。
ティップが入り過ぎてもたれる事も無く、1/2ozクラスのジグもカチッと動かしやすいと思います。
しかも反発力が強過ぎず、上手くブランク全体で少しだけ衝撃を吸収してくれるフィーリング。
モヤシっ子のKenDでも、手首が痛くなりにくいのでとてもありがたいです。
最近は7ftオーバーの長いジグロッドが多いですが、やや短めの6’11”で操作性は快適。
(本当は6’9″でも良いくらいですが)
ウィードや障害物に掛けて、短いストロークでパシッとクイックに外せるのが何とも快感です。
パツパツの高弾性ロッド程ではないかもしれませんが、感度も充分に良好。
浚渫などのハードボトムが良く分かるので、コツコツやっているだけで幸せな気分になってきます。
(ほぼ変態ですねw)
ただ、キンキンの高弾性電撃ロッドが好きな方は、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。
このあたりの好みは個人差でしょうが、私には硬さとしなやかさのちょうど良いバランスが取れているように思えました。
●キャスタビリティ
そしてこのロッドの最も秀逸な点は、キャストのしやすさにある様に思います。
高弾性系棒ロッドはとにかく投げにくい。
それはほとんど曲がらない事と、曲がったブランクの戻りが速過ぎるからだと思います。
しかし絶妙に鈍いこのロッドは、振りかぶった時に「タメ」が効かせられる最低限のしなやかさがあります。
ブランクの曲がりが戻るまでのタイムラグがある事で、テイクバック時にロッドにルアーの重みを乗せやすい。
その結果、この手の棒ロッドとしては驚くほどキャストが綺麗に決まると思います。
ロングキャストはもちろんですが、特筆すべきはそのアキュラシーの高さ。
スパイラルXやハイパワーXでブランクの捻じれを抑えている影響もあるかもしれませんが、とにかく厳しいスポットに正確に入れやすい。
サイドキャストやピッチングなど、テクニカルなキャストが気持ち良いくらいバシバシ決まります。
ジグロッド=投げにくい、という私の固定概念を打ち壊してくれた、投げるだけで楽しいロッドだと思います。
(魚も釣れよ、というツッコミはご遠慮くださいw)
●フッキングパワーとバラしにくさ
曲がらない棒ロッドと言えど、さすがに全力フッキングすればそれなりに曲がります。
テーパー的にはレギュラーなのですが、全体のブランク設定が強いため、フッキングパワーは強烈。
浚渫のディープなど遠くで掛ける場合にも、しっかりとブラシガードを突き抜けてフックが貫通してくれます。
しかもそこからが嬉しいのですが、魚の重みが掛かれば意外としっかり曲がります。
その結果として、この手のジグロッドとしては異例なほどバレにくいのではないかと感じています。
(ただし、竿がしっかり曲がる位の大きさの魚が相手の場合ですが)
●何とフロッグにも!?
このワイルドスティンガー、基本的にはジグロッドです。
しかし1シーズン使ってきて気付いてしまったのですが・・・意外にも、フロッグの使い心地が良いのです。
棒系ジグロッドでフロッグなんてあり得ないでしょ!?とお叱りを受けるかもしれません。
ソフトティップ系フロッグロッドに比べれば、フロッグを水に絡ませるターンは少しやり辛いのは確かだと思います。
しかし動かし方に気を付ければ(下記リンク参照)、充分にドッグウォークさせられるとも感じます。
高弾性系棒ロッドでは、確かに想像もつかない事でしょう。
が、このロッドの持つ「棒系ジグロッドとして異例のしなやかさ」を、よく表す一面のように思います。
関連記事:【スリザークを綺麗にドッグウォークさせる2つのコツ】
折れるのを心配する向きもあるかと思いますが、1シーズン使用してみた限りでは結構大丈夫そうです。
50~65lbのPEで50UPを何本か鬼アワセして抜いていますが、今のところ全く平気。
パラボリックに曲がるテーパーと、スパイラルX効果かな・・・?と期待しています。
(もし折れたら報告します)
ちなみにグロリアスでフロッグと言えば、普通は172H「ラッシュバーン」が王道かと思います。
しかし琵琶湖に良くある強烈なマットカバーでは、アシ際のフロッグよりかなり強いフッキングパワーと寄せのトルクが必要。
その意味で、濃い植物系カバーでのフロッグには、むしろこのワイルドスティンガーの方が向いているような気さえしています。
キャスタビリティも良好ですし、少し短めで軽い事もあって、フロッグロッドとしても手放せない1本になっています。
▼固定概念を打ち破る、扱いやすい棒ロッド
そんなわけでポイズングロリアス1611H+「ワイルドスティンガー」は、棒ロッドの固定概念を打ち破る、非常にしなやかな1本だと思います。
その絶妙なバランスがもたらす「扱いやすさ」は、これまで棒ロッドに挫折してきた私にとって、救世主のような存在でした。
投げる、動かす、掛ける。
その全ての動作が快適で、まさに「打てば響く」が相応しいテクニカルロッド。
その操作性の高さには、もう病みつきです。
値段が極めて高い事だけが難点ですが、他に代わるものの無い個性的な1本だと思います。
大抵の釣りはエクスプライドで充分だし、トルクならアラミドが最高と思っているKenDですが、このバランスのラインナップは無い。
あらためて開発者の川島さんの、絶妙な味付けに感服しています。
というわけで全5回に渡って特集してきた、スーパーマニアックなジグロッド選び。
KenD的結論は、グロリアス1611H+「ワイルドスティンガー」で決まり!でした。
ソフトティップ系のタルさが嫌だけれど、棒ロッドは扱い切れない・・・ジグロッドにそんな不満を抱いている方には、是非とも試して頂きたいお気に入りの1本です。
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