30Sep
ワイルドサイドの中核を担う番手、WSC610M。
しかし“軽量・高感度”を追う、ある意味異端の存在だった!?
様々な矛盾を1本にまとめ上げた、バーサタイルロッドの本命を解剖します。
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使いやすい竿とは、良く釣れる竿
皆さんこんにちは、KenD(けんでぃ)です。
さて去年から使い始めて、最近では自分の中でメインロッドとなってきている“ワイルドサイド”シリーズ。
アラミドを採用した「粘り」のあるブランクは、これまで好きだった軽量・高弾性なロッドとは一線を画するテイストでした。
悪く言えばダルいとも言えるわけですが、そのトルクは魚を「獲る」という意味では確かな違いを感じられるものでした。
ウィードに潜られる、ラインを切られる、あるいはボート際でバレる・・・といったミスを、目に見えて減らしてくれたと感じています。
最近、設計者であるレジットデザインの鬼形さんが「使いやすい竿と言うのは、良く釣れる竿」と呟かれていましたが、なるほどなぁと実感している今日この頃です。
使いやすい竿ってのはたいていよく釣れる竿。竿に求めるのは釣れるようになること。スペックは大事だけどそれは最優先じゃない。
— 鬼形毅 (@oniranger) 2016年9月25日
(もちろん他にも、投げやすいとか動かしやすいといった意味合いも含まれているのでしょうが)
そんなワイルドサイドシリーズの中でも「ド真ん中」と言える一番人気?のバーサタイル・ロッド、“WSC610M”について今日は書いてみたいと思います。
実は異色?のボトム用ロッド
さて最も頻用する番手と言えるWSC610Mなのですが、メーカー公式の説明では以下のようになっています。
5g~10g程度のテキサスリグ、ヘビーダウンショットリグ、高比重ノーシンカーワーム、ライトウェイトカバージグ、バルキーワームのネコリグ・・・など、カバーに正確に、繊細に撃っていくためのロッド。
シャープな操作感と軽さはメインマテリアルに採用した46トンカーボンの賜物。
ブランクの性能を最大限引き出すオリジナルのガイドセッティングは、キャストだけではなく、シェイクやリフト&フォールなど小技を効かせる際の高い操作性と感度を実現しています。
「軽量」「高感度」「高弾性」・・・等、勝手ながらこれまで私がワイルドサイドに抱いていたイメージとは、真逆のキーワードがずらりと並びます。
上の動画中の解説にも出ていますが、バーサタイルロッドと言うより「撃つ釣り」のために設計されたボトム用モデル。
そのために感度やシャープな操作性など、ある意味普通の要素を重視して作られているのだそうです。
個人的には多少重かったりダルくても、絶大なトルクを発揮してくれる所に魅力を感じていたワイルドサイドシリーズ。
解説はごもっともだったのですが、感度を求めるなら他のロッドシリーズで良いのではないか?という気持ちは正直ありました。
そんなわけで、本当に自分にとって必要なのか?自問自答しながら、1シーズン使い込んでいったのです。
やっぱりワイルドサイドだった
しかし使ってみた感想としては、「やっぱりワイルドサイド」だったと感じました。
高弾性素材特有のキンキンとしたフィーリングはなく、むしろティップは「ぬっ」と入るイメージ。
ウィードやストラクチャーにテキサスを引っ掛けて、ティップで弾かずに「持たせて」おくのにも使いやすいと思います。
(ティップだけなら、たぶん66MLより柔らかいと思います)
メインブランクが46tの高弾性素材なのに、なぜ!?と不思議に感じましたが・・・答えはHPに書かれていました。
説明では「ソフトなティップとそれを支えるベリー部には24~30トンを適所に配置」との事。
あたかもソリッドティップのロッドのように、ティップ部のみダルめの素材を組み合わせた効果が感じられているのだろうと思いました。
またテーパーもマイルドで、レギュラーに近いと表現しても差し支えないのではと思います。
魚を掛けて負荷が強くなれば、よく曲がり込んでいくブランク設定はシリーズ共通のもよう。
心配したトルク面でも、しっかりとウィードからバスを引き出すリフティングパワーを発揮してくれました。
しかし説明されている通り、確かに感度は悪くない・・・というかむしろ良い、と感じたのも確かでした。
メインに巻かれた高弾性素材の特性はもちろんあると思います。
けれどもこのテーパーとティップで感度が良いというのは、率直に言って理解不能でした。
不思議に思いながら1年使い続けてきたわけですが、ある時ふと気づきました。
「このガイドセッティング、他と結構違う」なと・・・。
ワイルドサイドシリーズは一般にかなり小口径のガイドが使われているのですが、610Mは特に小口径なのです。
(左からWSC65MH,WSC66ML,WSC610Mの順))
そしてティップ部に集中して、多くのガイドが配置されています。
ティップ~ベリー部だけを見てもWSC65MHより完全に1つガイドが多く、全体では何と12個ものガイドが装着されているのです。
(上からWSC65MH,WSC66ML,WSC610Mの順)
最も感度に寄与しやすいティップ部に、ラインとの接点であるガイドの点数を増やせばより振動が伝わりやすくなるでしょう。
ガイド口径も小さくすれば、ラインスラックが出にくくなってさらに感度上有利になるはずです。
(そして、操作のシャープさも増す)
これによって、負荷を掛ければ「よく曲がるブランク」でトルクを発揮しながらも、ガイドセッティングの妙で感度とシャープさを確保している・・・。
これが矛盾する要素を高い次元で両立させるための、ロッドメイキングのキモなのではないかと最近感じています。
さらに言えばアラミドという素材どうこうよりも、この曲がるブランクと多点ガイドセッティングの組み合わせこそがワイルドサイドシリーズの核心ではないかと考え始めている今日この頃です。
名バーサタイルロッドを受け継ぐ1本
そんなわけで、様々な相反する要素がハイレベルでまとめられた610M。
では実際使ってみてどんなロッドかと言えば・・・やはり「バーサタイルな万能ロッド」という印象を受けました。
専門であるボトムの釣りにはもちろん高次元に適応し、1/8~1/4oz程度のテキサスリグ・パンチショットリグにはベストマッチと言う印象です。
それからセンコーなどのバルキーワームのノーシンカーも、「動かし過ぎずに」しっかりウィードやストラクチャーに絡められると思います。
ちなみにバックスライド系のノーシンカーにも使えますが、フッキングパワーはそこまで高くないのであまり太軸のフックは合わせない方が良さそうです。
キンクー7インチやレイヤースティックなど、バルキーワームのネコリグにも使いやすく感じます。
フロロ14lbと合わせて、「琵琶湖的ベイトフィネス」として使うのもアリなのではないでしょうか。
そしてテーパーが緩やかなので、ワンテンなどの1/2oz前後のジャークベイトやトップウォータープラグに使うのもOK。
少し長過ぎるきらいはありますが、シリーズの中では軽いのでさほど疲れずに操作し続ける事が出来ます。
また変わりどころとしては、冬~早春のメタルバイブにも良かったです。
軽いメタルバイブもしっかり投げられ、リフト&フォール時の操作性も良好。
非常にバレやすいこの手の釣りでも、ロッドがしっかり曲がる事で身切れしにくい印象を受けました。
それからシャッドテールのノーシンカーやスイミングテキサス(マキマキ)、そして3/16~1/4oz程度のスイムジグやチャター、1/4~3/8oz程度のスピナーベイトなど、軽めのシングルフック系の巻き物にもマッチする感じがします。
注意点としては、これもあまり太軸のフックだと貫通させ切れない恐れがあるくらいかと思います。
逆に言えば、一体何が使えないわけ?と言いたくなるくらいの万能性。
個人的には、クランクやバイブレーションなど「高速で巻き続けるルアー」にだけはあまり向かないように感じています。
ただし使って使えない事はありませんし、頻繁にコンタクトさせるカバークランキングにはむしろ良いかもしれません。
というわけでボトム用モデルと言いつつも、驚くほどのバーサタイリティを備えたWSC610M。
オカッパリで1本持っていくならまさにコレで、フロロ10~14lbと組み合わせればほとんどの状況に対応できるのではないでしょうか。
トルクとシャープな操作性、適度なしなやかさと感度。
いくつもの矛盾をセッティングの妙で克服し、多彩な異弾性素材をアラミドでまとめ上げたWSC610M。
「不思議系ロッド」の真骨頂が味わえる、ワイルドサイドの最初の1本としても非常にお勧めできる名竿だと思います。
ちなみに66Mよりも、この610Mの方が汎用性が高いと個人的には感じます。
琵琶湖で名竿と呼び声の高いテクナGP 69CMJの路線を引き継ぐ、バーサタイルロッドの本命と言っても過言ではないのではないでしょうか。
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ブリッツMRって、意外と潜らない気がするのは私だけ?? #osp #blitz #mr #フロロ14lbで1.5-1.8mくらい? #潜行角は深そうなんだけど…
マグビートって、正直ほとんどi字系ですよね… #megabass #magbeat #swimbait #マグネット固定式フック #バレにくい #東京湾の穴撃ちにも活躍しているとか…
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コメント
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2016年 9月 30日
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2016年 11月 01日
またまたとおりすがりのかすぱーです。今ちょうど610Mと610MH、どっちを買うかで悩んですんですよね。これまで琵琶湖メインでGP69CMJ(今ではバサルトの700MHと660Mに取って代わられてしまいましたが・・・)を使っていたのですがアラミドは安心感がありますよね。GP69CMJは引き続けるプラグの釣りはやや苦手(バスの吸い込みが弱いとはじく気がするんですよ。でもジャークベイトはテンションフリーのタイミングがあるのでわりと何とかなるんですよね。手首が持てばの話ですが。)だったので610Mが「後継」ならばどう変わったのかとても気になります。参考にさせていただきますね。
コメントありがとうございます(^^)
個人的には、かなり似通っているイメージでした(^^)
いつも楽しく拝見させていただいております。
レジットデザインに興味があり購入を検討しているのですが、持っていくなら610Mと書かれていますが、WSC62MLもおかっぱりに最適な1本とと書かれいました。実際のところどちらの方がバーサスタイルに使用できますでしょうか?当方、関東を拠点として野池でのオカッパリが中心ですが、時々相模湖や霞ヶ浦に行くような感じです。当然、フィールドの大きさ、リグによって違うかと思いますが・・・
また、3本揃えるとしたらどのスペックを選択されますか?
KenDさんが意見をお聞かせいただけたら幸いです。
いつもありがとうございます(^^♪
大まかに言って、飛距離重視なら610M、精度が必要なら62MLと言ったところではないでしょうか?
どんな釣りをするかによってタックルは全く変わってきてしまうので、なかなか難しいですね。。。
1/4〜5/16ozのスピナーベイトをWSC65M+で使ってみたのですが
少し強すぎる感じがして
6以上7フィート以下のML〜Mのファーストテーパーのロッドを探して610Mの存在を知りました。
610Mかメイン使用用途と少し違うかも知れませんが気になってます。
KenDさんは610Mでスピナーベイトを使用した事があれば
使用感など教えて頂きたいです。
よろしくお願いします。
確かに65M+だと強過ぎるかもしれませんね!
正直1/4ozクラスのスピナーベイト自体を使った経験がほとんどないので、何とも言えず・・・スミマセン( ;∀;)