13Apr
フック界の異端児、“外向き”トレブル。
一見特殊なセッティングは、ストレートフックと同じだった?
そのコンセプトに込められた、“深く刺す“意思を考えます。
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“外向き”トレブルという異端児
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
本日は、一部マニアの皆様に支持頂いておりますフックのお話。
その中でも今回は、ちょっと特殊な「外向きトレブルフック」について書いてみたいと思います。
さて軽くおさらいしておきますと、トレブルフックの基本はまず「平行スロート」でした。
これは針先が真っ直ぐ上を向いている形状で、3本の針が互いに平行になっています。
おそらく市場の7~8割くらいがこのタイプで、2本が同時に刺さっても抵抗になりにくいというメリットがあります。
それに対して、貫通力を上げる目的で針先を内側に向けたのが「内傾スロート」。
ベクトルがフックアイに近付くため、フッキングパワーのロスが少なくなるという形状です。
特にパワーロスの大きいショートシャンクフックなどで採用される事の多いタイプですが、2本以上のポイントが同時に刺さると抵抗になってしまうという弱点もあります。
しかし世の中にはこれ以外に、フックポイントが外を向いているという特殊トレブルも一部に存在します。
と言うわけで今回は、このスペシャル・トレブルのメリットとデメリットを考えてみます。
ポイントは深い「刺入角」
さてこの「外向きトレブル」ですが、私の知る限り現在市販されているのは3商品だけではないかと思います。
エバーグリーンの純正フック「トレブルマジック」、ノリーズ純正フック「ブラックパフォーマンス」、それからイチカワフィッシングの「RCカマキリ」シリーズです。
これらのフックを良く見てみると、フックポイントがほんのわずかながら外向きにカットされています。
近寄ってよ~く見てみないと分からないレベルなので、ぜひ現物を手に取ってマジマジと観察してみて下さい。
その効果として、メーカーのHPでは「初期掛かりの良さ」「ショートバイトに対応」等がアナウンスされていますが、正直最初は???という感じでした。
外向きになった分、ゲイプ幅が若干広がっているという事なのかな?とも思ったのですが・・・。
だったら単に平行スロートのままゲイプを広くすればいいはずと、イマイチその仕組みが良く分からなかったのです。
しかしノリーズのショットオーバーシリーズを愛用していて、ある刺さり方の傾向に気付く事になりました。
それは、「針先が深い角度で刺さりやすい」という事。
たとえ口の横に外掛かりしていても、薄皮をすくう様に浅掛かりするのではなく、しっかりと肉を厚くとらえるように刺さっていたのです。
これを見た時、これらのフックの狙いが納得できたように思いました。
そうか、つまり外向きトレブルと言うのは”ストレートフック“と同じなのか・・・と。
つまりその最大のポイントは、フックが刺さっていく「刺入角」が深いという点にあるのではないかと考えたのです。
ですからそのメリットは、ストレートフックと同じく「針先が滑りにくくすっぽ抜けにくい」事。
そして深い角度で刺さるので、「肉を厚くとらえて身切れしにくい」事にあると感じました。
つまりショートバイトが多発する春先のテキサスリグで、オフセットフックからストレートフックに替えるのと同じような効果があるのだろうと思ったわけです。
問題は貫通力
しかしその弱点もまた、ストレートフックと同様だと感じました。
フッキングパワーの方向と針先の角度のズレが大きいために、どうしてもロスが生じがち・・・。
結果として、貫通力の面では劣る事になってしまうのだと思います。
これは特に、太軸のブラックパフォーマンス使用時に気になりました。
大好きなショットオーバー5には、#2の大型フロントフックがついているのですが・・・。
ジャンプ一発で外されてしまう事が何度かあり、おそらく刺さり切っていないのだろうなぁと想像している次第です。
だからと言ってもちろん、これが駄目なフックだという事ではありません。
ショートキャストを多用するバンク撃ちなど、フッキングパワーの伝わりやすい近距離戦ではメリットが大きいのだと思います。
しかし琵琶湖でフルキャストするようなディープクランキングだと、どうしても貫通力が不足しがちだと感じるのです。
(あとはグラスロッドを使っているというセッティングの影響もあるかもしれません)
(一般的に、琵琶湖のアングラーはフックに貫通力を求める傾向が強い様な気がします。キャリラバとヘッドロックジグのコンセプトが真逆なのも同じような事なのかなと・・・)
そんなわけで、個人的にはあまり好きになれなかった「外向きトレブル」。
しかし最近になって、少し考え方が変わる出来事がありました。
というわけで次回は、フックの世界を大きく変える技術革新について考えてみたいと思います。
(なので、色々苦労してセッティングしていたのですけどね・・・)
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2018年 4月 24日
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