アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[D] カバースキャットの”決定的弱点” – ’21BATNET第4戦レビュー(2)

今や完全に琵琶湖を席巻した、最強ワーム「カバースキャット」。
しかし流行メソッドにより、大切な基本を見失うことも?
見えないピンを”感じる、バス釣りのベーシックに立ち返ります。。。

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カバースキャットの決定的弱点

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さて先日のBATNET第4戦の戦略を振り返って、今「堅実にバスを触る」方法について書いておりますが・・・。
前回は場所を探す際に、モノにとらわれ過ぎないという注意点に触れました。

そんなわけで大会直前になって、ようやく「ハイテク魚探の呪縛」から逃れられたわけですが・・・。
もちろんただミオ筋を流すだけで5本も釣れたら、今の琵琶湖では奇跡的釣果だと思います。
というわけで今回はもう一つのキーとなった、カバースキャットを使わない事について書いてみたいと思います。

さて琵琶湖を始め全国のフィールドで猛威を振るうカバースキャットですが、ひとつ決定的な弱点があります。
それはあまりにも釣りのペースが遅いということで、ブレイクを流して釣っていくような広範囲を探る釣りが出来ません。
(だからこそ、躍起になって魚探でピンを探していたという理由もあります)
ですから地形変化を流して探るためにいったんカバースキャットをやめ、フットボールでチェックしていったのです。

そもそも私はミオ筋を線で探るような事を、ボトムの釣りでやる事がほとんどありません。
しかしモロにポストスポーンのこのタイミングでは、さすがに巻いて探ってバイトを得るのは難しいと判断。
正直ものすごく苦手なやり方なのですが、ひたすらゆっくり流しながらブレイクを探っていったのです。

(そもそもボトムのスローダウンゲームが嫌いなので、この時期は一年で最も苦手なのです。。。)

 

見えないピンを”感じる”

ところがそうして丹念にズル引きしていくと、何もないと思っていたブレイクに意外と「引っ掛かり」がある事に気付きます。
あれっ?と思ってリグを止め、引っかけたままシェイクしてしばらく“ステイ”しておくと・・・。
やがてラインがスーッと走っていくといった感じで、あれほど遠かったバイトが出るようになったのです。

(この時期は本当に、昨年教わった“放置”が効くなぁと・・・)

これは一体何なんだ?と釣れた場所で魚探を掛けてみるのですが、やっぱり大したものは映りません。
おそらく短いウィードの新芽ちょっとした小砂利のハードボトムだと思うのですが、サイドやライブスコープでは良く分からないのです。
真上に乗って2D&ダウンで見て、初めて「これ・・・なのか?」と分かるかどうかくらい。
しかしそれほど魚探上では分かりづらいのに、フットボールを入れれば明確に“カリッ”とした硬質な感触が返ってくるのです。

(鈴木祥選手の言うところの、「ボトムとの対話」ということなのかなと・・・)

そして驚くことに、そうして見つけた「ショボい引っ掛かり」で毎回高確率でバイトが得られたのでした。
カバーとしてはものすごく貧弱なのですが、地形的にズバリの位置にあり、周りに良いモノが無ければ一級ポイントになるという事なのでしょう。
例えて言えば交通量の多い大通りに立地していれば、多少マズいレストランでも大勢のお客さんが入るといった感じなのだと思います。
いずれにせよそのようにして見えないピンをあぶり出し、ポイントのストックを増やしていったのでした。

しかしフワッとした小さいものが効きやすいこの時期、フットボールではショートバイト等に悩まされることに。
そこで奥の手としてカバースキャットを投入してみたのですが・・・なんと意外にこれが釣れない!
ノーシンカーなのでショボいカバーだと引っ掛けることが出来ず、ピンに入ったかどうかが全く感じ取れなかったのがその理由だと思います。
ロックエリアなど引っ掛かりやすい場所では無敵ですが、逆にプアなところでは使いにくいという弱点があると言えるでしょう。
バスフィッシングに唯一絶対のルアーは無いと言われますが、カバースキャットも常に最強ではないということではないでしょうか。

(確かにコレ系は良く釣れるのですが、やはり適材適所かなと。。。)

さてそこで思い出したのは4年前の春の試合、4kgフィッシュを釣ったスモラバの釣り。
当時使っていたベイトフィネスジグ5gのストックがもう無かったので、代用でバウヘッドの1/8ozを使いました。
そして今はもう廃盤になったアバランチ3.1″というコンパクトな高比重ワームを合わせ、わずかな凹凸に確実に引っ掛けるようにしたのでした。

このようにして“見えないピンを感じる”ことで、一見何もない地形変化の中にホットスポットを見出していきました。
そうしたポイントのストックをランガンする事で、プラではコンスタントにバイトが得られるようになったのです。

(ちなみにスルスタシンカーダイレクトショットなど、引っ掛かりの強いシンカーを使ったフリーリグでもOKだと思います)

しかし見えないピンを感じるなどと書くとスゴそうな感じですが(苦笑)、考えてみればこんなことは基本中の基本です。
20年以上前のバスフィッシングの教科書を振り返ってみても、「ズル引きは常にボトムを感じながらゆっくりと動かすべし」と書いてあります。
ハイテク魚探や必殺カバースキャットに振り回されて、基本をおろそかにしていた己を本当に恥ずかしく感じました。

どんなに時代が進んでも、自分の手で感じて、魚に答えを訊くという作業が要らなくなることはありません。
やはり本当に大切なものは、目には見えないのだと反省させられた次第です。

 

“本番でプラより釣る”という異次元

さてこのように5本揃えるプランを詰めた上で本戦に臨んだのですが、結果としてリミットメイクには失敗しました(爆)。
格好悪いといったらないですが、実は試合前からそうなりそうな予感がしていました。
なぜならキャストしたルアーが戻ってくるレベルの超爆風で、手持ちのポイントの半分以上が潰れてしまったからです。
しかも風裏には他のアングラーが集結し、生きているポイントにもなかなか入れないという二重苦に悩まされました。

(困り果てて風表のポイントに行ってみたりもしましたが、やっぱり釣りになりませんでした。。。汗)

そんなわけで本番では3本しか釣れず、ウェイトは目標の5kgを下回る4740g4位
一本当たりのサイズがちょっと良かったので、何とか首の皮一枚つながったという感じでした。
とはいえプラ通りに釣れないというのは試合あるあるで、パワーダウンするパターンにすがりついて何とか絞り出したという苦しい展開でした。

しかしトーナメントは全員同じ条件下で競われるので、この風では誰しも苦しいハズ。
年間ポイントではだいぶリードがあったので、耐えていればライバルが脱落してくれるのではと期待したのですが・・・。
何と一番釣って欲しくないランキング2位と3位の選手が、ビッグウェイトで1-2フィニッシュを決めてきたのです!!

(©BATNET いやはやこれには参りました。。。汗)

しかも優勝した藤井成選手に至っては、どこに出しても恥ずかしくない5本・10kg超えのスーパーウェイト
釣りの動作すら難しいあの暴風の中で、もはや私には理解不能のミラクルスコアとしか言いようがありません。
さらには私と同じく西岸風裏での釣果となれば、もはやぐうの音も出ないくらいに完敗でした。


(これで藤井選手は2連勝!今、琵琶湖で最も強いトーナメンターの一人と言って間違いないでしょう。。。)

そしてビッグフィッシュを獲って3本・7810gで2位に入ったのは、大ベテランの國澤選手。
驚くことにあの爆風のさなかで、下物浚渫で釣ってきたというのですから脱帽です。
それもバイトだけなら10発以上(!)という、異次元としか言いようのないお話でした。


(今の琵琶湖でそんな釣れます???)

試合後お二方に少し話を伺ったのですが、興味深かったのは揃って「プラではあまり釣れていなかった」という事。
しかもやはり2人揃って、本番では「風が味方してくれた」と異口同音に語られていたことでした。
つまりあの爆風をマイナス要素ではなく、プラス要素に出来るよう本番でアジャストしたのだという事だと思います。

(©BATNET)

最近本当に痛感するのですが、強いトーナメンターは間違いなくこの“アジャスト力”がすごいと思います。
世の中に上手な釣り人はたくさんいますが、試合本番でキッチリ結果を残せる選手はほとんどいません。
それは良く言われる“fish the moment”、その日その瞬間を釣る力によるのではないでしょうか。
そして藤井選手は天才的なセンスで、また國澤選手は豊富な経験で、極めて高いアジャスト力を有しているのではないかと思うのです。

(©BASSMASTER 中でも藤井成選手のセンスはトップクラスだと思っており、勝手に琵琶湖のジョーダン・リーと呼んでおりますwww)

そんなわけで最低限のスコアは持ち帰ったものの、2選手のあまりの見事さに敗北感しか残らなかった本戦。
悔しいですが今回は自分のプランの限界だったので、次戦は全力でビッグウェイトを狙うしかありません。
3人のウェイト差が詰まった団子状態でのタイトル争い、勝負は6/6の最終戦で決まります。。。

▼暫定年間総合成績(※総重量制・敬称略)
1位 KenD 29,930g
2位 藤井成 27,540g
3位 國澤 26,260g

というわけでマニアックな話を長々書いてまいりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?
個人的にはこうして胃を痛めながらも(苦笑)パターンを詰めていくプロセスが、トーナメントの醍醐味だなぁと感じています。
試合の面白さはなかなか結果の数字だけでは伝わらないと思うので、私は浜名湖時代からなるべくプロセスや釣り方を公開する事にしています。
(本当は書きたくない面もあるのですがw)
競技の釣りが全てだとかエラいという気は全くありませんが、もっと多くの方に一度は経験してみて欲しいと思います。

ともあれ今回紹介した「手堅くバスを釣る方法」は、たぶんポストスポーンの時期を通して有効ではないかと思います。
今年は少し季節の進行が早めなので、琵琶湖だったら5月初旬くらいまでかな?と予想してはいますが・・・。
ハイテク魚探も入手困難ワームも要らないオーソドックスな釣りですので、ぜひ週末を楽しむ方にも参考にして頂ければ幸いです。

(聞くところによると、20年くらい前はこんなパターンがメジャーだったらしいですw)

※ちなみにシンカーの引っ掛かりさえあれば、ワームはアバランチじゃなくても、トラスター3″とかドライブビーバー3.5″とかで大丈夫だと思います!
リグは普通に1/4ozくらいのフリーリグで良いかなと・・・。

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