19Dec
TCコートを採用し、貫通力No.1の座に輝く”ピアストレブル”
しかしその切れ味の本当の理由は、実は他にも存在した?
フック性能を見抜くための、「形状」の理論を考えます。
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ハイシーズンの主役?”ピアストレブル”
皆さんこんにちは、KenD(けんでぃ)です。
トレブルフック・マニアはプラグオタクの始まり・・・と言いますが(?)前回は低水温期に活躍するトレブルSP-Mについて書きました。
ここ数年、淡水ではトレブル21とSP-Mをメインにしてきたのですが、今年は少し変化がありました。
ニューフェイス“ピアストレブル“(RYUGI)が、この2つに割って入ってきたのです。
冬場にSP-Mのシェアが高いのは変わらずですが、ハイシーズンはむしろピアストレブルを頻用するまでになってきています。
このトレブルフックは一体何が良いのか?
今回はその理由についてお話したいと思います。
貫通力No.1フック
さてピアストレブル最大のウリと言えば、その「貫通力」ではないでしょうか。
“TCコート”という、摩擦抵抗を低減する特殊コーティングを採用。
このため従来のフックと比べて、圧倒的に刺さりやすいとアナウンスされています。
しかし素直でない私は、「何だかテレビショッピング的だけどホントなのかなぁ・・・」と思いっきり勘繰っていましたw
(その時は、リューギさんというフックメーカーにもあまり馴染みがありませんでしたので・・・汗)
そこでyoutubeで公開されていた方法で、自分でも比較実験してみる事にしたのです。
その結果は・・・もう見事なくらい、ピアストレブル圧勝。
トレブル21やSP-Mはもちろん、RB-M、SP-MH、速掛、ST-36、ST-46、トリニティ、トレブルマジックと試してみましたが、どれ一つとして敵うフックはありませんでした。
がまかつで言えばMHワイヤーぐらいの中太軸フックなので、21やRB-Mには負けるかも?と思っていたので、かなり衝撃的な結果でした。
しかし実験ではトップでも、実釣では少し違うかも?と思い、今年1シーズン徹底的に使い込んでみる事に。
ところがやはり実際にバスを相手にしても、まぁ~刺さるわ刺さるわ・・・。
普通あり得ないような口の硬い部分にフックが貫通していたりして、本当に驚かされました。
というわけで現時点で私の知る限り、ピアストレブルが「貫通力ナンバーワン」トレブルフックではないかと思っています。
バレやすい?バレにくい?
しかし「滑りの良いTCコートの副作用で、刺さっても抜けやすくバレやすい」・・・という話を聞いていました。
ところが実際に使ってみると、私は逆に「バレにくい」と感じました。
なぜだろうと考えて気付いたのは、ほとんどの場合「フックがバーブまで貫通している」という事。
トレブルSP-Mでよくあった、針先が引っ掛かっているだけで、ネットインと同時にポロリと外れる・・・といった事がまず無かったのです。
ですからバーブまでしっかり貫通した場合で比べれば、TCコートが無い方がバレにくいのかもしれませんが・・・。
そもそもそこまで刺さらないというケースが減るので、結果としてバラシが減ったのではないかと推測しています。
しかしこれにはタックルセッティングも大きく関わってくると思うので、一概には言えないのが難しい所です。
私はどちらかというと良く曲がる、柔らかめのロッドを使う事が多いです。
ですからフッキングパワーが小さくてフックが貫通し辛いため、そのように感じるという事は充分に考えられます。
(あとは私の場合琵琶湖が多いため、遠くで掛ける=パワーロスが大きい事も影響しているかも)
逆に硬くてファストテーパー寄りのロッドでガツンと掛けるタイプの人は、SP-Mでも充分貫通する事が多いので逆に「バレやすい」と感じるのかもしれません。
さらに「折れやすい」という評価も良く耳にするのですが、私はまだ折ってバラした経験がないです。
(変な風にねじれて関係ない部分が折れたりした事はありますが)
これもまた、私が柔らかくて曲がるロッドを多用しているからではないかと考えています。
(と言う事は、柔らかめのタックルセッティングに向いたフックと言えるかもしれません)
本当にTCコートの効果だけなのか?
しかしこの貫通力は、果たしてTCコートだけの効果によるものなのでしょうか?
確たる実験結果があるわけでは無いですが、私は違うと考えています。
その理由は、フックの「形状」にあります。
まず理論上、フックポイントが真っ直ぐアイを向いている形が最もフッキングパワーのロスが少なくなります。
(黄の矢印:理論上もっとも貫通力が高くなるフックポイントの方向 緑:実際のフックポイントの向き)
ですからフッキングパワーを高くしようとすると、まずトレブル21のように針先を内側に傾けるという方法が考えられます。
しかしポイントを内側に傾け過ぎるとゲイプ幅が狭くなってしまいます。
そこで内傾させずにフッキングパワーを上げようとすると、今度は「シャンクを長くする」事が効いてきます。
理論上、どんどんシャンクを伸ばしていけばフックポイントの延長線上にアイが来る事になるからです。
(赤線の先端までシャンクを伸ばせば、最もパワーロスが少なくなる)
もちろんどちらも、現実にはあり得ないフックの形になってしまいます。
しかし「フックポイントを内側に傾け」、「シャンクを長くする」ほど、フックの貫通力は高くなっていくという法則がある事が分かります。
最後にこうした目でもう一度ピアストレブルを見てみると・・・。
ピアストレブル(左の赤矢印)の方がトレブルSP-Mよりも内傾がキツく、
しかもシャンクが長い!
(右の赤矢印。すいません左右が逆になってます)
つまりTCコートを抜きにしても、ピアストレブルの方がそもそもパワーロスの少ない形状をしているというわけです。
そこまでやってさらに滑りの良いコーティングを施すわけですから・・・
これはもう「意地でも刺す」という執念すら感じるぐらい、貫通力に特化した究極のカミソリ系トレブルフックと言って良いでしょう。
大袈裟でなくビビるくらいの刺さりっぷりですので、未体験の方にはぜひ試してみて頂きたいと思います。
(ちなみにもっと言えば焼き入れが硬そうなのも貢献していると思いますが、それはまた別の機会に・・・)
ただし貫通力ナンバーワン = ベストフック、とは簡単にいかないのが釣りの奥深さ。
というわけで次回は、ピアストレブルの弱点と使い分けについて書いてみたいと思います。
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