アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[NRC001M] “中溝”カスタムスプールであなたのキャストは上手くなる!?

満を持して登場した、ダイワ用カスタムスプール“NRC001M”
ベイトフィネスとは異なる、中溝“スプールのメリットとは?
13年ぶりの大復活を遂げた、話題の逸品をレポートします。

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スティーズAの足かせ

皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
だいぶ間が空いてしまいましたが、本日は“スティーズA”とダイワリールのカスタムについて。
ダイワが再発掘した、「ロープロ系フルアルミベイト」の続編をお届けしたいと思います。

さて、ロッドへの固定時にボディが多少歪むといった現象は見られましたが、実のところかなり気に入っています。
ボディ剛性が高いのかどうなのか、はたまたどこの剛性が高いのかといった本当のところはデータを持っている開発者以外分からないと思いますが・・・。
少なくとも釣り道具として使う側としては、明確に「巻き心地が良い」と感じました。
シマノファンの方に叱られそうですが(笑)、正直言って16メタニウムMGLよりも巻上げトルクが高いのではないかと思っている次第です。

実を言うとアメリカでの試合にも持っていき、実際に本番でもこのリールで魚を獲ったという事で・・・。
自分の中では、近年久々に信頼できるダイワリールに出会えたなと思っています。

しかし1つだけ、非常に惜しい点がありました。
それがキャスタビリティの問題で、特に10g以下の軽量ルアーは非常に投げ辛いと感じました。
ダイワにはSVスプールと言う素晴らしいアイテムがあるだけに、ぜひともそれを採用して欲しかったところです。

(ダイワHPより)

ではなぜ投げ辛く感じたかと言えば、それはおそらく16lb-100mという大容量のラインキャパシティが原因でしょう。
正直言って13.7gのスプール単体重量(ベアリング込み)は、非常に軽く仕上がっていると言えると思います。
しかし以前の記事でも書きましたが、ちょっとしたスプール重量の大小よりも、「ラインの重さ」は遥かにキャスタビリティを低下させると思うのです。

では、糸巻き量を50mとか75m程度に抑えておけばよいのでは?と思われるかもしれません。
そうすると確かに軽量ルアーの初速は上がるのですが、スプールの回転数が上がったりラインのコイル状の癖が強くなったりで、今度は飛距離が伸びなくなってしまいます。
せっかく34mm径スプールである意味が無くなってしまうので、それもちょっと残念な気がしてしまうところ。。。
というわけで太糸PEで下巻きをして、多少誤魔化しながら使っていたのでした。

ちなみにこの手の高剛性リールと言うと、一般に「大きなルアー用」だから軽量ルアーのキャスタビリティは不要という考え方もあるかもしれません。
しかしもっと正確に言うと、巻上げトルクの高いリールは「”引き抵抗の“大きなルアー用」だと言えるのではないでしょうか。
ですから例えばウィグルワートなど、小さくて投げにくいけれど巻くのは重い、といったルアーは実際に結構あると思うのです。

(アメリカンクランク好きの方などは、思い当たる節が多いのではないでしょうか。。。)

 

ダイワ用カスタムスプール、13年ぶりの大復活!

というわけで私が今回試したのは、NRC001Mという中溝カスタムスプールでした。
リールカスタムメーカーの老舗「オフィスZPI」さんがリリースした、実に13年ぶり(?)となるダイワ用社外スプールなのだとか。
そんな事聞いたら気になってしまうに決まっていますので(笑)、ヘッジホッグスタジオさんの繋がりでテスト用にお借りする事になったのです。

(・・・ベアリング込みでこれは軽い!!)

では実際のキャストフィールはどうだったのか?と言えば、結論から言って10g前後のルアーのキャストが「超快適」になりました。
ワイルドハンチ(エバーグリーン)やブリッツ(OSP)のような小粒クランクを、カバー際にサイドキャストするのがスパスパ決まります。
ノーマルでもラインの垂らしを長く取って、オーバーヘッドキャストで投げれば「投げられない事はない」のですが・・・。
その快適さやアキュラシーの高さは、お世辞では無く使えば誰でも分かるレベルで違うと感じた次第です。

これはもちろん、ピッチングなどのカバー撃ちでも明らかなメリットとなります。
実はBassmasterの試合で、4インチセンコーのノーシンカーを使う必要性に迫られたシチュエーションがあったのですが・・・。
軽めのリグを「正確に」「低弾道で」撃ちこむのが非常に楽で助かりました。
3インチワームを3.5gのライトテキサスでピッチングすると言った、ライトカバー撃ちには非常に重宝すると思います。

 

34mm径中溝スプールのアドバンテージ

しかしこのような用途を考えると、「ベイトフィネス用リールを使えば良いのでは?」という意見も当然出てくると思います。
確かに今ではカルカッタコンクエストBFSのように、巻き物に特化したベイトフィネスリールもラインアップされている時代・・・。
ところが実際に使ってみたところ、本格的なベイトフィネスリールは10g程度の“軽め”のルアーには逆に使い辛いと感じたのです。

それはなぜか?と考えてみますと、まずはスプール径の問題が大きいと思います。
ベイトフィネスリールに採用されている32mm程度の小径スプールは、径が小さいので回転数が上がって抵抗が大きくなりやすく、しかもちょっと太めのフロロ(14lb前後)だとコイル状の癖が強くなってしまいます。
ですから初速こそ高いものの、後半の伸びがてきめんに無くなって、結果的に飛距離が落ちてしまうと感じました。
つまり本格的なベイトフィネスリールと言うのは、あくまでも5g前後の真の軽量ルアー(?)に特化した存在だと思うのです。

しかし10g前後の“小さめ”の投げにくいプラグを、14lb前後の太めのラインでカバー際に入れる・・・といったシーンは特に日本では少なくないと思います。
むしろフルサイズクランクをガンガン投げるようなフィールドは、琵琶湖以外では逆に珍しいかもしれません。
その意味で14lb-70mという34mm径中溝スプールは、実は日本の多くの釣り場にベストマッチしたキャパシティと言えるのではないでしょうか。
(ただし個人的には、琵琶湖だったら16lbを75m巻ける”NRC001PG“の方を使いたいですが・・・)

 
そして先日紹介したログのように、「投げにくいけど釣れる」名作ルアーにも非常に使いやすいと感じました。
バルサクランクなどもキャストが難しい物が多いと思うのですが、かと言ってベイトフィネスリールでは距離が落ち過ぎる・・・。
そんな悩ましいルアーにこそ、NRC001Mのスイートスポットがあるのではないでしょうか。

というわけで10g程度の“軽め”のルアーが快適に使え、かつ重量級ルアーのロングキャストも出来る34mm径中溝スプール
私は以前から13メタニウム用BFSスプールを愛用していますが、この手の「ノーマル以下、本気のベイトフィネス以上」というキャパシティ感は、日本のバスフィッシングシーンにおいて絶妙に使いやすいと感じています。

(まあ、このスプールは中溝というよりはかなりベイトフィネス寄りですが・・・)

また加工が要らないポン付けですので、カスタムが初めての方にもお勧め。
しかもスティーズシリーズはもちろんジリオンSV TWT3リョウガ1016など多くのリールに装着できるそうですので、それらのリールをお持ちであればぜひ試してみてはいかがでしょうか。
(※注:ジリオンTWシリーズには装着できないという情報を頂きました。適合情報についてはメーカーさんにご確認ください)

(この汎用性の高さはダイワ機の魅力ですよね。。。)

ただし私はZPIさんからお金も物を貰っているわけではありませんのでハッキリ書かせて頂きますが、SVスプールと交換して使うか?と言われると正直微妙です。
ダイワ純正の14lb-70mキャパシティのSVスプールの使用経験を思い出してみると、確かにNRC001Mの方がさらに軽量ルアーのレスポンスに優れているような気がしますが、その差が絶対的かと言われると自信がありません。
逆に言えば、それだけSVスプールの完成度が高いとも言えるのではないかと思います。

ですから私がスティーズSV TWなどの浅溝SVスプール機(105タイプ)を使っていたとしたら、おそらく追加投資をしてまでカスタムスプールを入れる事は無いでしょう。
(ただし、どちらか無料で選べるならNRC001Mを選びますが)
しかしスティーズAやリョウガなどのユーザーだったなら、まず一番初めにスプール交換をすると思います。
それだけ「必要最低限のラインキャパシティで使用する」という事は決定的だと感じている次第。
本当にキャストが上手くなったように感じられると思いますので、未体験の方にはぜひ試してみて頂きたいと思います。

 

関連記事

    • ソル
    • 2018年 3月 26日

    ジリオンtwと、ジリオンtwsvには互換性がないので、twには無理ですね。
    私はtwを買って、一年後にsvtwが出て泣いた人です。
    割とそういう人多いと思いますよ。

    スティーズにはセミオーダーがあるので、やはりスプール径をはじめとしたちょっとした要望は多いんでしょうね。

    ダイワがユーザーの事を分かってるのか、分かってないのか迷ってしまう出来事でした。

    • 貴重な情報、ありがとうございました!
      セミオーダーシステムは非常に良いシステムだと思うので、もっと拡充して欲しいですね(^^♪

    • ぺい
    • 2018年 3月 26日

    この記事待ってました。
    当方はジリオンSVに導入し、純性の1016(深溝)スプール、別売の1012(浅溝)スプール、NRC001Mの3種を検討しましたが、結果として1012スプールを選ぶことになりました。
    用途として7g以上を610のMロッドでおかっぱりバーサタイル使用です。
    NRC001Mはピッチングやサイドハンドでのレスポンスは最高でしたがオーバーヘッドでは初速が上がりすぎてバックラッシュの嵐…ダイヤルを14程度まで上げる羽目に。当方がヘタクソなのは否定しませんが1012スプールでは全く発生しなかった症状でもあります。
    対策にはスプールを重くするデチューンしか考えられませんでしたが、それなら純正でいいじゃん…ってことで、1012スプールに14ポンド50mで運用しています。何か解決策があればいいんですが。
    それでもSVはピッチングの弾道がが浮くので困りもの。マシンガンキャストのように素早く振れば解決ですが技術が追い付かない。いつかThis is T.Nami…って言いたいもんです(良い道具が出ればもっと嬉しいですがw)。

    • お待たせいたしました(^^♪
      確かにNRC001Mは初速が上がりやすいので、オーバーヘッドで思い切り投げるにはブレーキ設定を強めにする必要があるように感じます。
      ただ、それでもまあ良いのかな?と思ったのですがいかがでしょうか・・・。
      (ブレーキ設定を弱く出来るSVスプールの方が飛距離出ますかね?)
      ともあれ、14lb-50mは非常に使いやすくて良いセッティングだと思います!

        • ぺい
        • 2018年 3月 27日

        ご返信頂きありがとうございます。熟練のKenD様と感想に差が少なくてホッとしてますw
        ボートなら全く問題無いでしょうけど、おかっぱりでサイドハンドキャストが出来ない状況ではつらかったですね。飛距離はNRC-001Mの圧勝だと思いますが、SVはとにかくトラブルレスで釣りに集中できるのが魅力ですね。
        ちなみに先月のバサー編集部特集にもありましたが、マグブレーキ使いはピッチングの際、ロッドエンドが外になります。軌道が浮くから鋭いキャストになるのかと思います。でも、これでピンを打つのが苦手で日々練習中です。

        14lb-50mに共感頂けたのは意外でした。メーカーのラインキャパから察するに少数派かと。ただ個人的にはバイブレーションを投げる場合でも40mで十分、余裕を持たせての50m設定です。ヘビキャロでも16lb-80mで十分と思っている次第です。

        • 意外でしたか?
          私、ジグ・テキサス等の撃ち物系は全て50mで、ディープクランク等遠投するものだけ75m巻いています。
          といっても、75mなんてとても飛ばせませんけどね・・・(笑)。

            • ぺい
            • 2018年 3月 28日

            貴重なご意見ありがとうございます。
            長くなっておりますので、そろそろ失礼したく思いますが、このご意見がスプールキャパや市販ラインのメートル数に反映される日を心待ちにしております。
            ご丁寧に返事頂き重ねてお礼申し上げます。

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