27Jul
遥か太平洋を超え、この目で見たBassmasterの舞台。
遠い異国で見つけたのは、自らの心の底に眠る思い・・・
2度の渡米の末に辿り着いた、ひとつの小さな決意のお話です。
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遥かな旅路の末に
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
さてさて、何と20回(!)もの長きに渡ってお伝えして参りました「アメリカ釣戦記」。
普通のアマチュアアングラーから見た、本場アメリカ・トーナメントの様子はお楽しみ頂けましたでしょうか。
1月のフロリダ州・キシミーチェーン、そして今回のルイジアナ州・レッドリバー。
当初予定した通り、今年は2回のBassmaster OPEN戦をコアングラーとして経験してくることが出来ました。
「憧れの舞台を見ずには死ねない」と、一念発起して飛び込んで来た事に後悔はありません。
しかしこの遠征を通して得られたものは、予想していたような満足感とは程遠いものでした。
米国トーナメントの華やかさや壮大なスケール感は、想像を超えるほど素晴らしかったのですが・・・。
その夢の舞台を後にして、現実の元へ帰らねばならない事がたまらなく切なかったのです。
アメリカのトーナメントは、もしかしたら劇的過ぎる麻薬のような存在だったのかもしれない・・・。
フロリダからの帰路では、「あの舞台を知らない方が良かったのではないか」という考えすら頭をよぎりました。
そんなモヤモヤを抱えながら、自分の胸の内にあるはずの答えを探しに行った今回のレッドリバー。
今回は長い旅路の末に出会った、ひとつの思いについてお話したいと思います。
形になった思い
さて今年のバスマスターOPENには、コアングラーという形で参加してきました。
プロアングラー(ボーター)のバックシートで釣りをさせてもらうのですが、計量は別々。
つまり同じ船に2人が一緒に乗っていながら、チーム戦ではなく完全にそれぞれの戦いになるわけです。
もちろんボーターは自分が釣るためのプランを組むわけで、ノンボーターには戦略の選択肢がありません。
そしてもしフロントシートでバンクを撃たれたら、バックシーターに出来る事は極めて限られてしまいます。
(通常、前に投げられないようにバンクにボートをピタリと平行につけて流します)
率直に言って、自分の釣りをすると言った事は全く考えられないと言って良いでしょう。
しかしこれは決してボーターが意地悪なわけでは無く、ルール上こうならざるを得ないシステムになっているのです。
なぜならノンボーターと言うのは、元々ボーターの不正をチェックする目的で設置された制度だから。
単なるオフィシャルでは人が集められなかったので、「釣りもできる監視員」として募集したのがノンボーター・システムの起源なのだそうです。
(優勝したらボートがもらえるよ!だから来ない?というわけです)
ですからここでハッキリ書いておきますと、「私はまだ、アメリカでバスフィッシングをしていない」というのが正直な今の気持ちです。
考え方は人それぞれでしょうが、私は自分でポイントを開拓し、決断していく事こそがバスフィッシングの醍醐味であると考えています。
その意味で言えば、誰かのボートに乗せてもらってキャッチしたバスは、どうしても”釣らせてもらった魚”としか思えてこない・・・。
だから自分がやりたいのは、広大なフィールドから自らの力で魚を探し出す事なのだと明確に分かってきたのです。
ボーターとして、この舞台に挑戦したい。
それはずっと自分の内にあったはずなのに、どうせ叶えられない夢だからと、まるで無かったかのように心の奥底に閉じ込めてきた思いでした。
しかし異国の地でそれぞれに奮闘し、苦しみ、活躍し続ける日本人選手たちを見つめ続けているうちに、胸の内からとどめようも無く溢れてきたのは、その思いひとつでした。
そしてそれこそが、本当に心から自分がやりたい事なのだと、今はっきりと自覚したのです。
たとえ宝くじが当たっても
しかしそうは言っても、米国トーナメントにボーターとして出場するには果てしなく高いハードルがそびえ立ちます。
強い情熱はもちろんのこと、気が遠くなりそうな資金に、膨大な時間・・・。
多くのアングラーがアメリカに憧れながらも、それを本当に果たせたのはごく一握りに過ぎません。
他でもないその現実が、いかに厳しいかを物語っていると思います。
かつて仲間内で「宝くじが当たればなぁ」などと冗談めかして言い合った事もありますが、現実はそんなに甘いものではありませんでした。
情熱や資金、時間などというものは試合にエントリーする上での最低限の「前提条件」に過ぎません。
実際のトーナメントを戦うには、原野に近いワイルドなフィールドで生き残るための知識や仲間、語学、そしてアメリカ社会の理解が必要不可欠である事を痛感しました。
(誰もいないフィールドの奥地で遭難したら、本当に生死に関わりますからね・・・)
たとえ宝くじが当たっても、今の自分の力ではBASSMASTERを戦えない。
それは資金や時間の確保の難しさだけでほとんど諦めかけていた私を、半ば絶望させるに十分な事実でした。
異国でのトラブルシューティング能力、ボートのメカニカルな知識、ドライビングテクニック、そして何よりも釣りの上手さ・・・。
自分は本当に何ひとつ、この場に挑戦する資格を持ち合わせていないのだという哀しい現実を嫌と言うほど思い知らされたのです。
加藤誠司プロの背中
ところで今回の旅でも、多くのアングラーの皆様にお世話になりました。
元エリートプロの宮崎選手をはじめ、佐藤選手、木村選手等々、恐れ多いくらいビッグな方々・・・。
中でも大物プロと言えば、ジャッカル会長の加藤誠司選手に同船させて頂いたのは本当に得難い経験でした。
(フロリダでは、体調不良で同船は叶いませんでしたので・・・)
初めて一緒に釣りをさせて頂いて、強く印象に残った出来事がありました。
それは超人的なサイトのスキルでも無ければ、シークレット・テクニックでもありません。
レッドリバーの攻略法を質問した私に、何と加藤プロは「全然分かんない」、と。
そして、「だからさぁ、面白くて仕方ないよね」・・・と続けたのです。
念のために断っておきますが、これは加藤プロの釣りのスキルが高くない、という事では決してありません。
(むしろ、この次元のプロが「分からない」と言える事が逆に凄いと私は思います)
トッププロの実力と経験をもってしても、まだまだ分からない事が山ほど眠っているアメリカの広大なフィールド。
大企業の総帥でも、日本のトップアングラーでも無く、1人の釣り人に戻って未知の大自然に挑戦する加藤プロの後ろ姿。
国内ではなかなか見られないであろう、“釣り”そのものを心から純粋に楽しむ姿に、ハッと気付かされるものを感じたのです。
(おそらく加藤プロは、エリートを目指してどうこうと言った事は考えていらっしゃらないのではないでしょうか)
私は米国トーナメントに真剣に取り組みたいと考えていますが、しかしプロになりたいと思っているわけではありません。
だからエリートに上がって賞金を稼ごうとか、スターになってスポンサーを集めようと考えているわけではないのです。
まだ見ぬ大自然の中で、フィッシャーマンとしてただ無心にバスを追い求める事こそが究極の目標・・・。
そうだと考えれば、自分にはまだまだ時間が残されているのではないかと思えてきたのです。
(bassmaster.comより。伊藤巧プロが「僕には時間が無い」と語られていましたが、プロとしてエリートに上がって活躍する事を考えると、確かに30代はもう若くないでしょう・・・)
※ちなみに、だったらトーナメントに出ずに普通に釣りをすれば良いのでは?と思われるかもしれませんが、競技と言うのはより深く釣りを理解するために非常に有効だと考えています。
試合は勝つ事だけが目標と思われがちでしょうが、私自身は「より深く釣りを愉しむ」ためにトーナメントに出ている次第です。
かつて加藤プロはコアングラーとして米国トーナメントに参戦、2007年(だったかな?)には優勝もされていたように記憶しています。
そしてきっとその頃から、いつかはボーターとして思い切り戦ってみたいと思われていたのではないでしょうか。
しかし最も日本で成功したバサーと言っても過言ではないであろう加藤プロをもってしても、その実現には10年近い歳月を必要とした・・・。
それを考えれば、私のようなアマチュアがすぐに参戦体制を整えるなど土台無理に決まっています。
けれどもさらに長い年月と努力を続ければ、いつか叶えられる日が来るかもしれないと思えてきたのです。
もちろん今はまだ遥かに遠過ぎて、それがいつ実現できるのか、はたまた本当に叶えられるのかさえ分かりません。
少なくとも現状のライフスタイル – 仕事、家庭、釣行日数では、到底実現できない事だけは確かでしょう。
しかし夢として憧れるだけではなく、そこを目標に据えて一つ一つ行動していけば、いつか手が届くかもしれない。
そしてそのための努力を、具体的な取り組みを、出来る所から始めていこうと考えました。
もちろん、やっぱり無理だった・・・という事になる可能性は十二分にあると思います。
(というか、普通に考えたらそうなりますw)
いつかその日が来るとしても、それは子供たちが巣立っていった後になるかもしれません。
けれどもかなり無理めなのは覚悟の上で、一体自分にどこまでできるのか?
ものすごく長いスパンでのライフワークとして、このテーマに挑戦しようと決めたのです。
(子供の成長なんて、長いようでアッという間でしょうしね・・・)
ですからこれからはボーターとして本当の意味での参戦を果たすために、体当たりで臨んでいきたいと思います。
私の今年のバスマスター「見学」は終わりましたが、真の“Road to Bassmaster“はこれから始まる・・・。
そしてその中でぶつかった壁や体験を、読者の方々とシェアしていけたらと願っています。
というわけでますます人生狂わせていく予感しかしないディープストリームを、皆様これからもどうぞよろしくお願い致します(笑)!!
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:[D] たかがパンツとあなどるなかれ!夏を快適にする”下着”の話
パンチショット2018ver.色々試行錯誤中です… #バスフィッシング#琵琶湖#バス釣り#パンチショット #直リグ#TOKYOリグ風w#オープンスイベル#ダイレクトスティック#バレットシンカー#PK2
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コメント
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2018年 9月 05日
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2019年 1月 06日
こんにちわ 初めまして
おそらくこのブログの開設当初から読んでいると思います。
今回のブログは感動しました。
熱さと哀しみの狭間が描かれていて、たまりませんですわ。
40代後半の私には忘れかけていた思いを思い出させられるようなブログでしたねー。
いつかお話しできるといいですね。
ちなみに釣りは素人です。
明日は亀山湖です!
古くから本当にありがとうございます!
大変私的なお話でお恥ずかしい限りですが・・・(;^ω^)
いつかお話出来る日を心待ちにしております。
亀山釣行、暑そうですのでお気をつけて!!
Ken dさま
いつもブログを楽しませてもらっています
普通の会社員アングラーのますおと申します。
サイバーエージェントで働く友人(非釣り人)から
りんくがおくられてきました。
https://w-challenge.abema.tv/
ご存知かもしれませんがシェアいたします。
私は家庭内(勝てない)オーディション中ですw
情報ありがとうございます!
またとないビッグ企画で、私もまずは家庭内オーディションに全力を挙げたいと思います(笑)!