2Oct
高剛性でしかも軽い、“ほぼ完璧”な20メタニウム。
あまりに高い完成度は、ベイトリールの今後を変える程ですが・・・
私が20メタを選ばない、たった1つの理由をシェアします。
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20メタニウムの弱点
皆さんこんにちは、ディープストリームのKenD(けんでぃ)です。
7年ぶりのフルモデルチェンジを受けて、バーサタイル・ベイトの新基準となったシマノ“20メタニウム”。
軽量モデルと高剛性モデルのメリットを兼ね備え、もはやこれ以外何も要らないのでは?とさえ思わせる完成度でした。
しかしどんな製品にも「100%完璧」はあり得ないもので、20メタにもいくつか懸念される点があります。
それはまずバンタムとさほど変わっていないように見えるクラッチで、相変わらず耐久性の不安があります。
もちろんまだ壊れてはいませんが、シングルビスの樹脂クラッチはまた割れるのではと心配で・・・。
もしかしたら何か対策されているのかもしれませんが、本音で言えばすぐにでもKDWクラッチに替えてしまいたいところです。
※注:20メタのクラッチは相変わらず樹脂製ですが、樹脂の組み合わせ方とビス穴周辺の構造を見直して、破損のリスクはかなり軽減されているそうです・・・これは期待大!!
(「NANABUNNONI BLOG」さんより。これ↓は神記事です!)
※ちなみに18バンタム用のKDWクラッチは一応装着出来ましたが、ビス1本になるので公式に推奨?されているかは分かりません・・・
後はシマノの伝統となる遠心ブレーキについてですが、このあたりはもう個人の「好み」の問題な気がします。
キャスト後半の伸びを重視するなら遠心ですし、トラブルフリーを求めるならマグネットの方が良いでしょう。
両立を目指すならもはやDC化以外ないでしょうから、派生モデルとして新型メタニウムDCの登場にも期待したいところです。
(ただしボディがコンパクト過ぎるために、DCユニットが入らないという噂も耳にしましたが・・・)
ブラスギヤの耐久性は?
それから次に“ギヤの耐久性”についてなのですが、20メタニウムには18バンタムと共用のブラスギヤが採用されています。
まだ20メタでの長期テストは出来ていないのですが、バンタムでは「すぐに巻き心地がゴリゴリになる」という悪評も散見されています。
さすがにバンタムよりはボディ剛性的に劣るであろうメタニウムのギヤが、果たしてどれくらいもつのかは気になるところです。
帰ってきて、メタmglとバンタム をメンテしたけど🔩🔧
メタmglは、だいぶヤバい、、、😑
バンタムは、相変わらず絶好調😇メンテしてたら、ゴリタムとかなった事無いわ⚙️ pic.twitter.com/YfQ2nZ9X51
— タイニーべっちゃ (@tinybeccha61) October 2, 2019
(バンタムは”ゴリタム”なんていう愛称?もつけられちゃいましたねw)
これに関しての個人的な感想としては、「アンタレスほど良くはないが、16メタよりは遥かにマシ」。
確かにアンタレス系に採用されている高級な?MMギアよりは劣る気がしますが、ジュラルミン素材の13,16メタのギヤよりはだいぶ丈夫だと思います。
というか年中狂ったように巻いている人間としては、ギアなんてどれでも1年でガタガタになる消耗品という認識なので、部品の単価が安いこのギアはさほど嫌いではないです。
(©SHIMANO メイン&ピニオン両方替えても3000円台って、かなりコスパ高いかと・・・)
ただし少しでも長く巻き心地を保とうとするのであれば、メイン&ピニオンギヤの「グリスアップ」が最大のキモ。
特に雨の日に使ったりソルト使用後にシャワー洗いしたりすると、ギヤに塗ったグリスが流失してしまいます。
そしてグリスレス状態でハードに巻き続けると、たった1日でも簡単にギヤが逝ってしまうという実感。
これを防ぐには数か月おきにこまめにグリスアップするか、面倒くさければ“プレミアムグリス”(旧デュラエース)などの固いグリスを「あらかじめ」塗っておくと大きく寿命が変わるのでお試しください。
※追記:なのでシマノ機にも、ABUにあるようなサービスホール(メンテナンスホール)を設けてほしいです。
その上でメーカー推奨のグリスアップ頻度・箇所・指定オイル/グリス等をアナウンスしてもらえると親切かなと・・・。
“進化”が終わり、”分化”が始まる
というわけで20メタニウムの弱点についても挙げてみましたが、もはやネガを指摘する方が難しかったのが正直なところ。
バス用ベイトの中量級オールラウンダーとして、お世辞抜きに完成の域に達したと言って良いと思います。
ナイロン12lb-100mのラインキャパがちょうど良ければ、買って後悔する事は無いのではないでしょうか。
ところがここで大きな問題となるのが、「ラインキャパシティが必要に合っていれば」というこの条件。
実は第一回の記事をシェアした直後にも、「ラインキャパが多過ぎる/少な過ぎる」というフォロワーさんたちからのコメントが・・・。
良いリールなのは間違いないのだけれど、自分の用途に合っていないという声はSNS上にも溢れています。
ラインキャパの問題さえクリアすれば買いなんだけどなぁ〜🤔 https://t.co/rFRYGcQUjb
— 島崎敏行♊️☠️DSK (@ZIP_BAITS_DSK) September 29, 2020
そしてまさにこの点こそが、現代のベイトリールが抱える最大の課題だと考えています。
近年、バスフィッシングは著しい進化を遂げ、数々の先鋭的なスタイルに特化してきており・・・。
今では同じバスという一つの魚を釣るために、1インチのワームからジャイアントベイトまでが駆使されるようになっています。
スタイルも浜のオカッパリから至近距離のバンクカバー撃ちまで、アングラーによってスタイルは様々。
遠投派なら16lb-100mが必要かもしれませんし、房総レンタルボーターには8lb-100mでも多いかもしれません。
今や「最適なラインキャパシティ」の最大公約数を取る事は、意味をなさない時代になってきていると思うのです。
このリール(夢屋BFSスプール)の代わりがなかなか見つからない。スプールもう一個買おうか悩みます☹️ pic.twitter.com/8LrlR9qsRH
— Mr.Nobite (@MrNoBite) March 22, 2019
(房総リザーバー等では、今も13メタ&夢屋BFSスプールの愛用者が多いそうで・・・)
※ちなみにラインキャパが多い分には良いのでは?と思われるかもしれませんが、無駄にラインを多く巻いているとキャスタビリティが大幅に低下することが明らかになっています。
私は1.5号のPEを50~75mほど巻くことが多いので“Avail浅溝スプール(14lb-50m)”を使っているのですが、ハッキリ言ってこのスプールを入れたバンタムのレスポンスは(フロロを巻いた)19アンタレスよりも20メタニウムよりもずっと上。
天下のシマノスプールより凄いなんて!?と信じられないかもしれませんが、それだけライン重量の悪影響は決定的なのだという事だと思います。
結論としてベイトリールのキャスタビリティを上げるには、「必要最小限のラインキャパシティに抑える」事が最も重要だとまとめておきましょう。
(ちなみに細糸PEの場合、ライン量が多いほど“糸噛み”しやすくなります。。。)
しかし20メタニウムには8lb-100mの夢屋シャロースプールもオプション設定されているので、これで問題ないと思われるかもしれません。
けれども本体と夢屋スプールを合わせた定価は55100円と、アンタレスやコンクエストレベルの高額商品になってしまいます。
これをボートデッキに10台並べるとか非現実的な話で、本体の安いバンタムにAvailスプールの方がまだ手が出しやすいと思うのです。
ですからどうして欲しいかと言えば、メーカー純正で最初から30番(8lb-100m)/70番(12lb-100m)/150番(16lb-100m)スプールをラインナップして頂きたいというわけです。
スピニングの場合は用途別に2000~5000番くらいまでが用意されているわけで、同じ事をベイトでもぜひお願いしたいと。
ベイトは数が売れないから難しいというのであれば、モデル数を絞った上で同径モデル間でスプールの共有化を計れば良い気がするのですがいかがでしょうかシマノさん・・・。
20メタニウムのノーマルスプールと夢屋スプール比較 pic.twitter.com/RaKCT7pBh4
— もち (@ochamatotanno) January 19, 2020
(34mm径はメタニウム/バンタム/スコーピオンの3モデルくらいに絞って部品共通化、とか)
いずれにせよ20メタニウムの驚異的な完成度から感じたのは、バス・ベイトにおける「進化の終わり」が始まったという事でした。
物理的にこれより2倍飛ぶリールはもう出来ないでしょうし、これ以上頑丈なボディはもはや必要ない気がします。
もちろん少しづつアップデートは続くでしょうが、13→16→20メタのような飛躍的な正常進化はもうあり得ないのではないでしょうか。
(ですから逆に言えば、ここが買い時という考え方も成立するかと思います)
ではこれからのリールがどこに向かうべきかと言えば、それは用途別の「分化」だと思います。
上にも書いたようにテクニックは細分化の一途をたどり、ビッグベイターとフィネスフリッパーでは必要なリールが根本的に違ってきます。
ですからボディ本体やパーツは極力共用化しつつも、ラインキャパやギヤ比・ハンドル長などのバリエーションを多様化させていくべきではないでしょうか。
(ギヤ比やハンドル長についても、もはや万人にとっての最適解を出すのは不可能かと・・・)
というわけで20メタニウムは、ベイトリールの今後を変えてしまうくらい画期的な完成度の1台だと思います。
もしフロロ14~16lbを75mくらい巻きたいと考えているならば、迷わず購入して間違いない事でしょう。
しかしベイトPEをメインとする私のように、用途の合わないアングラーはシマノに英断を期待して待ちたいですね。
(ソルトを含めてPE需要は今後も増える気がします。その場合ブレーキはマグの方が向いているかなと・・・)
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コメント
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いつも楽しく拝見させていただいています。とても勉強になります。
いつもありがとうございます!
そう言ってもらえると嬉しいです(^^♪