19May
巻き物用グラスコンポジットロッド4機種から、最も自分に合う中-大型シャロー~ミディアムクランク用の1本を探し求めるこのシリーズ。
引っ張りまくった最終回は、いよいよ「エクスプライド 170M-CR」についてです。
グラスのメインブランクスを、横繊維カーボンとハイパワーXで補強
まず製法についてですが、メインブランクスにグラス(縦繊維)を使用し、そこに横方向のカーボンを巻いてあるそうです。
ここまでは一般的なグラスコンポジットの作り方と言えます。そこにハイパワーXで外層に斜め方向の補強を入れる事で、ブランクスの捻じれを抑制している、という仕組みのようです。
ポイズングロリアス 170M C7 や ポイズンアドレナ 1610M-G のように凝った製法ではありませんが、エクスプライド 1610M-G よりも正統派というか、オーソドックスながらもしっかりとグラスを使用したモデルと言えそうです。
Kガイド採用も、トップガイドはFガイド?
ガイドセッティングはKガイド採用との事ですが、バットガイドは傾斜の無いダブルフットになっています。
また、トップガイドはFガイド(FST?)のようです。
背面の溶接が剥がれやすいので、個人的には苦手なトップガイドです。。。
せっかくKガイドを採用するのであれば、PEの絡みにくさを考えてMNSTにすれば良いのに・・・と、少し残念です。
意図を測りかねるところですが、軽量化を図ったのでしょうか?
グラスらしいダルさは残りつつも、振り抜きはシャープ
エクスプライド 1610M-G とは違い、まず振って明らかにグラスと分かるダルさを備えています。
しかし振り抜き後のボヨンボヨンとしたブランクのブレは、グラスとしては非常に素早く収束します。
これが「ネジレの抑制」の効果かどうかは分かりませんが、個人的には明らかなメリットを2点感じました。
優れたアキュラシーと操作性
1つ目は「アキュラシー」です。
私はダルダルのグラスロッドに苦手意識があるのですが、その一番の理由は正確なキャストが難しい点にあります。
もちろん腕の問題なのですが、一般的な7ftクラスのグラスクランキンロッドではどうしても上手く投げられず、これまでは短めの6.6ftを使用してきました。
しかしこの170M-CRは非常にキャストが決まりやすく、長さによるネガを感じずに済みました。
ロングロッドはラインメンディングやフッキングパワー、バラシ防止といったメリットがあるため、これなら7ftでも良いと思えました。
2つ目は操作性の向上です。
この170M-CR、驚くことにトップウォータープラグがかなり使いやすい。
普通、グラスクランキンロッドでロッドワークの釣りをすると、ダル過ぎて上手く動かせない事がほとんどだと思います。
しかしこのロッドの場合は、適度なしなやかさでロッドワークに追従し、ペンシルやポッパーを水に絡ませるように動かしやすいと感じました。
これはトップだけでなく、クランクをカバーに絡めたり、ウィードを切っていく際の操作性にもつながる要素ですので非常に大切だと思います。
ファースト→スローへ曲がるプログレッシブなテーパー
170M-CRはしなやかなロッドですが、ソフトティップというよりも、パラボリックなテーパーデザインです。まずリトリーブ時は、ティップより少し下のベリー上部からミディアムファースト気味に曲がります。
そこからバイトやストラクチャーコンタクトにコンタクトすると、また少し下のベリー下部がスッと入り、フッキングやファイト時はレギュラーからスローへと深く曲がり込んでいくイメージです。
以前も書きましたが、クランキングにおける「ノリの良いロッド」とは、ティップだけソフトなのでは無く、バイトに柔軟に追従するベリーが最も重要だと考えています。
そしてさらに「バラシにくいロッド」には、ロッドが深く曲がるストロークが必要では無いかとも思っています。
【バラシ防止の決め手は「磯竿」!? アドレナ1610M-Gは「掛け」命のクランキンロッド】
その意味で、このロッドのテーパーデザインは自分の理想に非常に近いと言えます。
まだ10本も掛けていませんが、実釣上きちんとバイトが深く入りますし、とりあえずまだバラシもありません。
また、ネジレの少ないブランクの恩恵か、このテーパーでも個人的にはフッキングパワーは充分と感じます。
1/2oz前後のクランクベイトにベストマッチ
使用感としては3/8oz~3/4ozぐらい、下はRC1.5や飛鳥60、バルサB1クラスから、大はイヴォーク2.0、バルサB2、コリガンマグナム位まで問題なく使える感触です。
最適なのはショットオメガビッグ62などの1/2ozクラスで、ファットペッパーやショットオーバー3などのミディアムダイバーも難なくこなせる印象です。
国際的なミディアムクラスのクランク全般に対応してくれる感じですが、日本の多くのフィールドでの標準サイズ(1/4~3/8ozくらい?)や、フラットサイドクランクなどには少し強過ぎるような気がします。
深江プロも大絶賛の名竿。個人的にもファイナルアンサー
理想のクランキンロッドの要素をまとめると、次のようになるかと思います。
・キャスタビリティ(遠投性能&アキュラシー)
・操作性
・ノリの良さ
・バラシにくさ
170M-CRは、以上を高次元でクリアし、クランクを正確にキャストしてトレースコースを調整し、カバー・ウィードをクリア、そしてしっかりノセてバラさないという、理想的なクランキンロッドと感じています。
米国トーナメントで活躍する深江プロも大絶賛(というか、深江プロがデザインしたのかな???)しており、名竿と呼ぶに相応しい完成度だと思います。
技術的にはグロリアスやアドレナほど先進的ではありませんが、「釣り道具」としての完成度はひけをとらないのではないでしょうか。
もし上記の4本が同じ値段だとしても、自分は170M-CRを選びます。
というわけで理想のコンポジットロッドを追い求める今回のシリーズ、私の最終回答は「エクスプライド170M-CR」という事で決定しました。
今時こうしたテーパーデザインのロッドにはなかなか巡り合えないと思います。
価格も手ごろですし(久しぶりに新品でロッドを買いましたw)、巻き物好きの方には是非ともお勧めしたい1本です。それでは皆様、良い釣りを。
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