26Dec
バスフィッシング界でも、ついにフロロ全盛時代は終焉へ!?
超高比重で衝撃のデビューを果たした「セフィアG5 PE」。
その革新的な使用感に、PEメイン時代の到来を予感しました・・・
●2015年、「革新的タックル」No.1は?
今年も様々なニュータックルに触れ、新鮮な刺激を頂く事が出来ました。
その中で最も衝撃的、かつ革新的だったものを1つ挙げるとすれば・・・それは、超高比重PEライン「セフィアG5 PE」でした。
関連記事:【PE革命来たる!?超高比重PEライン「セフィアG5 PE」登場!】
HOT最終戦で勝利をもたらしてくれた、アラミド採用のワイルドサイドじゃないの?と驚かれた方も多いかもしれません。
確かに、今年最も活躍してくれたNEWタックルはWILDSIDE WSC66MLだったと思います。
関連記事:【これ1本で中量級プラグをカバー!のワイルドサイドWSC66ML】
セフィアG5 PEは先日やっと入手出来、少しテストしてみただけに過ぎません。
しかし、それですら最も強いインパクトを与えるだけの革命的なラインだと感じました。
やがてバスフィッシングにも、PEが主流となる時代が到来する・・・。
そんな予感さえ抱かせてくれたこのラインと、そしてバスタックルの未来について考えてみたいと思います。
●ソルトでは既に主役。「ベイトPE」の障害は?
さて、まずそもそも一般的なPEラインについて。
フロロやナイロンといったモノフィラメントラインに比べ、圧倒的に強く、しなやかで、しかも伸びないという特性を持っています。
これは細糸が使え、飛距離が伸び、感度が良くフッキングパワーが上がるというメリットに直結します。
こうした点から、既にソルトシーンではメインラインの主流はほぼPEに置き換わったと言っても過言では無いと思います。
ではなぜ、バスフィッシングでは今なおフロロが主流なのでしょうか?
1つはまず、細糸PEとベイトリールの相性の悪さではないかと思います。
バスフィッシングではベイトキャスティングを多用しますが、細糸のPEは噛み込みなどのライントラブルが起こりやすく、非常に使いにくいと思います。
ブレーキ設定や投げ方次第で、意外とバックラッシュ自体は何とかなると感じています。
しかし根掛かりなど強く引っ張ったりした後、ラインが下糸に食い込んで投げ切れが頻発。
過去、ベイトPEに何度も挑戦しては挫折した理由がこれでした。。。
しかし普通のベイトリールでも、3号以上の太さがあれば快適に使えるという事が分かりました。
これに気付いたのがHOT第2戦の頃で、7gのポッパーをPE3号50lb+ナイロン20lbリーダーでカバーの中に撃ち込むという、かなりフィネス&ワイルドな釣りをする事が出来ました。
(ちなみにリールは13メタニウムで、夢屋ベイトフィネススプールを組み合わせます)
7gの軽量ルアーをキャストしつつ、20lb以上の太糸で強引にカバーから引き出す釣りは、モノフィラメントでは絶対に不可能な領域だったと思います。
関連記事:【浅溝スプールの活かし方 – 万能タックルとしての「ベイトフィネス+」】
●最後のハードル、「比重」
では3号以上のPEであれば、ベイトタックルでフロロに取って替わる事が出来るのでしょうか?
残念ながら、答えはNOだと思います。
その最大の理由は・・・「比重」です。
ナイロンラインの比重は1.14、フロロカーボンは1.78。
これに比べPEは(一般に)0.98と言われ、圧倒的に軽く水に浮いてしまいます。
このために風や流れで弛みやすく、またルアーを沈めにくいという欠点が出てきます。
(ピュアフィッシングHPより。スパイダーワイヤーのフロロブレイドも高比重)
PEがシャローのフリッピングやフロッグ、トップウォーターで比較的よく使われ、それ以外に広がりにくい最大の理由がここにあると思います。
●ライトリグがフロロ並みに沈む
その最後の難関に、セフィアG5PEは果敢に挑戦しています。
何とその比重は1.36(0.6号)と、ナイロンを遥かに上回る高比重を実現。
1/16ozのジグヘッドリグを使用してみたところ、いつもの7lbフロロと遜色ない使用感(沈み具合)と感じました。
(フロロよりは比重が軽いものの、径が細いため水の抵抗が少ないためかもしれません)
関連記事:【謎は全て解けた!「セフィアG5 PE」が拓くPE新時代】
米国ツアーで活躍中の深江プロのスピニングタックルは、全てPEセッティングという事で有名です。
しかしこのシステム、ルアーを沈みやすくするためにフロロリーダーを6mと長く取ります。
個人的にはライントラブルが頻発し、残念ながら挫折してしまいました。
ところで琵琶湖のウィードエリアでは、フィネスなライトリグと言えども相当な強さが求められます。
ですのでウィードが濃い時期はベイトフィネスで8lbという組み合わせでも太刀打ちできない事も多く、夏場はスピニング+PE0.6号14lb+フロロ12lbリーダー(1m)、他の季節はフロロ6~7lbと使い分けてきました。
関連記事:【ベイトフィネスやめました - 私がスピニングを復活させた理由】
しかしセフィアG5PEの比重なら、短いリーダーでも充分ライトリグを沈められると感じました。
という事で来期はシーズン問わず、ライトリグ用スピニングのメインラインはセフィアG5PE 0.6号一本で、状況ごとにリーダーを使い分けて対応してみたいと考えています。
●ジグも、ディープクランクも・・・PE主流時代到来の予感
そしてこのラインの驚異の沈み具合を目の当たりにして、将来のPE主流時代の到来を予感しました。
今はまだラインナップも少なく、比重もフロロには及びません。
しかし技術が進んで比重がフロロに追いつき、太さの自由度も充分に達した時には、一気にフロロ全盛時代が過去になる可能性を感じています。
関連記事:【ラインの「強度」には2種類ある – R18フロロリミテッドの強さの秘訣 –】
今はまだ、パワーフィネス以外に何に使うの?と言う感じかもしれません。
しかし例えばジグをディープで使うような場合、PEの絶対的な伸びの少なさは、圧倒的な感度とフッキングパワーのアドバンテージをもたらす可能性があります。
1~2号といった細糸PEを快適にフルキャストできるベイトリールが登場すれば、今までよりディープクランクを遥かに深く潜らせる事も可能でしょう。
ノリの悪さやバラシやすさはどうなのか?という疑問もあるでしょうが、テーパーの工夫やグラスを使うなど、ロッドセレクトで対応可能ではないかと思います。
ともかくフロロ同様の使用感のPEが充実すれば、ロッド、リール、ルアー、フック・・・バスフィッシングを構成する全ての要素が劇的に変わる。
セフィアG5PEに触れてみて、そんな風に感じずにはいられなくなりました。
何年先の事になるのかは分かりませんし、フロロが完全に無くなるという事も無いでしょう。しかし将来、PE化の波は確実にバスフィッシングにも訪れる・・・そんな思いを強くさせてくれたラインでした。
2015年もあと僅か。
あなたにとって、今年最も印象深かったタックルは、何だったでしょうか・・・。
※更新情報と時事ニュースをお届けしますので、ぜひFacebookページへのいいね!& twitterのフォローをよろしくお願いします。
関連記事
コメント
-
2016年 1月 06日トラックバック:だから失敗するベイトPE -2- ブレーキセッティングのキモ 編
-
2016年 3月 03日
-
2017年 7月 15日
-
2017年 8月 01日
この記事へのコメントはありません。