アメリカBASSトーナメント参戦を目指すアマチュアバサー、KenD(けんでぃ)の奮戦記をお送りします。。。

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:[’21BATNET最終戦 ウェイイン編] 終章・”大きなチカラ”

失意の帰着と裏腹に、タイトル争いは未曽有の大接戦
全5戦の激闘の末、たった200gが勝負を分ける!?
大きなチカラを噛みしめながら、新たなステージへと旅立ちます。。。

運命の時

(※前回の続き)
さてMAX10kgのパターンを引っさげ、必勝を期して臨んだ最終戦だったのですが・・・。
なぜか試合当日に狙いのスクールは消え失せ、必死のランガンでキーパーをかき集める展開に。
何とか4本だけ絞り出したもののリミットメイクには失敗し、失意の帰着となったのでした。。。

そして帰着後すぐに目に入ってきたのは、ライブウェルからバスを取り出す藤井選手の姿でした。
一目見て北湖の魚と分かるビッグフィッシュは、少なく見積もっても3kgクラス
もう駄目だろうと考えつつも、最後の奇跡にわずかな期待を残していたのですが・・・。
これでもう本当に終わったのだと思ったその瞬間、体の力が全て抜け、ステアリングに突っ伏したまま起き上がれなくなってしまいました。

そのまま呆然とうつむいたまま、周りの選手が「デカい!」とか「良い魚!」とか盛り上がる声を遠くに聞いていたのですが・・・。
次に飛び込んできた一言で、はたと我に返りました。

「でも、3本か」

蓋を開けてみればこの日は相当タフだったようで、何と年間ランキング3位の國澤選手も3本のみ。
しかも北湖のサイトは絶不調だったらしく、ウェイインが進んでも10kgどころか8kg台の選手すら出てきません。
結局ブラインドで釣ったという藤井選手が、3本・7680gで優勝の栄冠に輝いたのでした。

(これで驚異の3連勝達成!本当に凄すぎます。。。)

この時点で藤井選手の年間トータルウェイトは、35,220g
私がアングラーオブザイヤーを獲るために必要なこの日のスコアは、5290g
永遠のように長く感じられた計量が終わると、やがて運営スタッフの方が高らかにコールしました。

「KenD選手、4本・5490g!!

その時私は、両腕を突き上げて叫んでいたのだそうです。

 

大きなチカラ

このようにして失意の帰着から一転、奇跡のような薄氷のAOYを獲得する事が出来ました。
本気でバスフィッシングに取り組むと決意し、琵琶湖畔に移住して3年弱。
ついに悲願のタイトルをつかんだ私の胸の内は、しかし満たされていたというよりもむしろからっぽでした。

(©BATNET)

つかんだと思ったパターンで、結局1尾のバスも獲れなかった無力感
それでもリミットを釣ればとあがいたにも関わらず、5本を揃えられなかった情けなさ
パターンの先頭を釣るだなんて偉そうに書いておきながら、私にできたのは泥臭くキーパーをかき集める事だけだったのです。

昔、トーナメントでチャンピオンになるような人は、釣りの事を何でも知っているのだと思っていました。
でも私にはいまだに、あの日どうして狙いのスクールが消えたのかが分からない
がむしゃらにランガンした時、どうしてあの4尾が釣れたのかも分からない
この一年、たぶん琵琶湖ではトップレベルに練習したはずなのに、私に唯一分かったのは自分は何も釣りを知らないという事だけだったのです。

幼い頃に遠足で、地元の愛知県にある太平洋ロングビーチという所に行った事があります。
そこは遠州灘に面した長大な砂浜で、「地平線の向こうには何があるのだろう」と、私は一人離れて海岸を歩き始めました。
ふと振り返ると足跡は波打ち際に消え、私は自分がどこまで来たのか、どこへ行くのか、さらには進んでいるのか戻っているのかすら分からなくなり、怖くなって泣き出したことがありました。

日々釣りの練習を続けていると、唐突にこの時のような気持ちになる事があります。

taharakankou.gr.jpより)

懸命に走り回って、キャストを続けて、ようやくヒントらしきもののカケラに気付く
でも何かつかんだと思った次の瞬間には、もう全てのパターンが音を立てて崩れ落ちていく
永遠に続くその繰り返しの果てに、自分は本当に上達できるのだろうか?

釣りは本当に、難しい。
私にはまだ、何も分からない。

からっぽな気持ちのまま家までたどり着くと、トンビの鳴き声がして私は空を見上げました。
裏手の山には鮮やかに緑が萌え、まばゆい青を背景に一羽が悠然と舞っていました。
そしてその時初めて、私は「そうか」と気付いたのです。

ビッグバスの乱舞する琵琶湖で、5戦の激闘の末に、たった200gで勝敗が決まる
それは人智の及ばない何か大きなチカラに、自分は勝たせてもらったのだ、と。

 

終章・あの海の向こうに

そんなわけで長々と私の個人的な話をお読み頂き、本当にありがとうございました。
勝ったけれど負けた気しかしなかったような展開で、正直今でも信じられないというのが本音。
たぶん、フルサイズバスボートが標準のBATNETで、14ftの小船で頑張っていたのを琵琶湖の神様が憐れんでくれたのだと思います(苦笑)。

だから「自分が1番だ!」みたいな誇らしげな気持ちは1ミリもなくて、今はただただ全てに感謝したい気持ちでいっぱいです。
40歳近くにもなって、泣けるほど全力で取り組めて、そしてそれを祝福してもらえるありがたさ。
応援してくれるフォロワーの皆様に、切磋琢磨してくれる釣友たちに、この舞台を用意してくれた選手・主催者の方々に、そして家族に心からの謝意を伝えたいです。
みんなみんな、本当にありがとう。
今私は、琵琶湖で最高に幸せなアングラーだと思います。

(数えきれない程多くの祝福のメッセージ、本当に本当にありがとうございました!)

時には好きだった浜松の暮らしに別れを告げた事で、人生を間違えてしまったのではないかと悩んだ日もありました。
けれども何か新しいものをつかむためには、握っているものを手放さなくてはいけない
そうしてどうしても手に入れたかったものの一つに、やっと手が届いたことには感無量という他ありません。

もちろんトッププロの方には、ローカルトーナメントで勝っただけじゃないかと嗤われてしまうかもしれません。
それは確かにその通りで、もっと言えば一般の人からは、「バスなんて食べられるの?」と言われてしまうのがオチでしょう。
でも漫画の主人公みたいなヒーローになれない普通の私たちは、自分なりの小さな夢を叶えられたなら、それで十分なのだと思います。
だから今、これだけは自信を持って言えます。
ルアーフィッシングに出会って、トーナメントに挑戦してきて、本当に良かった。

というわけで私の国内シリーズへの参戦は、(年間を通しては)これにていったん終了。
このメンバーで戦わせてもらった事を誇りに、来季は胸を張ってBASSMASTERオープンに挑戦してきたいと思います。
本当にやりたかった台本の無いチャレンジ、いよいよ新しいステージに旅立つ時が来ました。

それこそ分別のある人たちからは、「悪い事は言わないからやめておけ」と忠告して頂いています。
確かに色んな意味で無理の多い、険しい道のりであることは理解しているのですが・・・。
それでも青臭い台詞を許してもらえるのなら、私たちは子供の頃の夢を叶えるために大人になったのだ、と信じたいのです。

ですから長い砂浜の上を、一歩づつでも歩き始めて行こうと思っています。
だってあの遠足で見た太平洋の向こうには、アメリカがあるのですから。。。

2021年6月25日 KenD
  

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    • けんた
    • 2021年 6月 27日

    アスリートですね❗
    自分も元アスリートとだった為感動させられました‼️
    やっぱりより良くなろう❗努力しようとする人には
    正しい導きをしてくれる人達と結果がついてきてくれる
    のだなと改めて再確認させられた記事でした‼️
    これからも応援させて貰います‼️

    • コメントありがとうございます!
      アスリートの方には、きっと分かってもらえると思いました(^^♪
      努力は裏切らないと信じて、これからも頑張りたいと思います!
      今後ともよろしくお願いいたします。

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